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偽眼瞼下垂症とは? 眼瞼下垂症との違いを分かりやすく説明します。

2020.8.5 記事内容を更新

偽眼瞼下垂とは、なに?
眼瞼下垂症との違いを分かりやすく説明します。



偽眼瞼下垂症に悩む女性の画像

 「偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)」は、「まぶたが重く開けづらい」など、眼瞼下垂と似たような症状をもつため、そう呼ばれます。

まぶたを上げる筋肉や腱自体には問題がないため、まぶたを開けようと思えばしっかり開くのですが、皮がたるんでたり、自然と目を細めて見てたり、また、眼がへこんでしまっているなどで、一見、まぶたが下がって見える状態です。

まぶたは、脳からの信号が主に動眼神経を介して、眼瞼挙筋につたわり、眼瞼挙筋の収縮によって発生した力が、眼瞼挙筋腱膜→瞼板→まぶた全体に伝わることで開いているわけですが、

通常の眼瞼下垂であれば、その系統に異常が発生し、まぶたが上がりにくくなり下がります。

偽眼瞼下垂症は、そういった動眼神経、眼瞼挙筋、眼瞼挙筋腱膜、瞼板軟骨などに異常が認められない眼瞼下垂に似た状態と定義されます。

言ってしまえば、眼瞼下垂症ではあるのですが、医学的(眼形成外科的)には分けて考えてます。

偽眼瞼下垂症は、原因によって、次のようにいくつかに分けられます。


「眉毛下垂(びもうかすい)」は、加齢によって眉毛が自然に下がってしまった状態です。 

「眼瞼けいれん」は、まぶたを閉じる筋肉が過剰に緊張して開きにくくなった状態を示します。 

「眼球陥凹(がんきゅうかんおう)」は、眼球が陥没したような症状を見せますが、外傷や甲状腺の病気から起きる場合もあります。

「小眼球症(しょうがんきゅうしょう)」は、先天的に眼球が小さい疾患で、ときには全盲の場合もあります。

「眼瞼皮膚弛緩症(がんけんひふしかんしょう)」は、加齢によってまぶたがたるんで視界が狭くなる症状です。

「外斜視における片目つむり」は、外斜視では、両眼視では焦点が合わないため、患者は片目をつぶって、両眼で見ることでの不快感を緩和させようと無意識に行います。結果として、眼瞼下垂のようにみえます。治療は斜視の手術です。



これらのほかに、抗精神薬の服用によってまぶたが下がるケースもあるようです。

いずれにしても、目が開きにくい状態は、肩こりや頭痛、眼精疲労などを引き起こしますので、偽眼瞼下垂も早めの治療をおすすめします。


偽眼瞼下垂症に対しての治療について


 学問的には、眼瞼下垂症と偽眼瞼下垂症とを区別して考えるようになっておりますが、実際には眼瞼下垂症と偽眼瞼下垂症は合併することが多いです。

例えば、腱膜性の眼瞼下垂症も、皮膚のタルミによる偽眼瞼下垂症も、ともに、原因の大部分が「加齢」「退行性」であることを考えれば、分かりやすいと思います。

したがって、治療としては、眼瞼下垂症による挙筋腱膜などの異常があれば、腱膜へのアプローチが必要であると同時に、偽眼瞼下垂症による皮膚のたるみや厚みに原因があるのであれば、皮膚切除、眼窩脂肪切除などが基本となります。 

しかしながら、術者によっては、眼瞼下垂症の治療と偽眼瞼下垂症の治療を別々の概念として分けて考えます。

例えば、眼瞼下垂症は、保険適応となりますが、偽眼瞼下垂症は、高額な自由診療とするケースが多いと言えます。

結果として、1次手術として、眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)を保険診療で行い、2次手術として、偽眼瞼下垂症に対しての手術(皮膚切除や眼窩脂肪切除)を自由診療として行うこととし、始めから2度の手術を計画する場合もあります。

高田眼科(ひとみ眼科)では、ほとんどの症例で、TKD切開・ファシアリリース法(厳密には、眼瞼挙筋前転法に分類される手術方法)をお勧めする理由として、

このTKD切開・ファシアリリース法であれば、偽眼瞼下垂症の原因である皮膚の余剰を切除しつつ、眼窩脂肪除去を行いつつ、眼瞼挙筋腱膜の異常を直すことが出来るからです。

言い換えれば、眼瞼下垂手術が一回で終わる可能性が高いからと言えます。

逆に言えば、眉下切開法(アイリフト)を単独で行うことをお勧めしないのは、この手術方法では、純粋に偽眼瞼下垂症の要素、特に皮膚の弛緩の状態のみの治療となり、眼瞼挙筋腱膜への治療が出来ず、ひたすら皮膚だけを切除するという的を得ない手術となる可能性が高いと言えるからです。

せっかく、手術を覚悟して受けられるのであれば、一番成功率の高く、理にかなっている手術を選ぶべきだと考えます。


▶︎▶︎▶︎もし、偽眼瞼下垂症なのか?眼瞼下垂症なのか? を悩まれてる方は、眼瞼下垂症治療専門の高田眼科にまで、お気軽に相談ください。



次に、純粋な偽眼瞼下垂症を前提として、治療のアプローチを説明させていただきます。

眼瞼下垂のような症状でありながら眼瞼下垂ではない偽眼瞼下垂は、アゴを上げて見たり、眉毛を上げたりするよう になるのも後天性眼瞼下垂と似ています。

そこで、単に皮膚がたるんでいるだけなのか、原因となるほかの病気があるかについての検査から始めます。 

それによって当然、治療法も違ってきます。大まかにいうと、皮膚のたるみがまぶたにあるのか、それともおでこにあるのかによって区別され、それぞれ症状によってふさわしい治療が選ばれます。

まぶたのたるみがまぶたにある場合は、皮膚のたるみを折りたたんで視野を広げる「埋没法」が軽度の症状の場合には検討されます。 

たるみが重度の場合は、手術による「切開重瞼(せっかいじゅうけん)」「単純皮膚切除術」を行います。

もともと二重まぶただったのに奥二重になった、などの方には眉の下で切開するため「眉毛下切開」ともいわれる「上眼瞼(じょうがんけん)リフト、アイリフト」があります。

次に、おでこにたるみがある場合は、眉毛の上のたるんだ皮膚を切除する「ブローリフト」があります。

また、おでこ全体が下がってしまってまぶたに影響を与えている場合は生え辺りを切開する「前頭部リフト」も行われていますが、ご自身の症状と効果、手術後の経過などについて、さまざまな点を考慮に入れて、経験豊富なドクターと相談されたうえで決定してください。

執筆した医師

高田眼科 院長 |ひとみ眼科 眼瞼手術担当医師
高田 尚忠(たかだ なおただ)
所属学会:日本眼科学会、日本形成外科学会、日本眼形成再建外科学会
岡山大学医学部卒業後、横浜形成外科の二木 裕 先生を師事。 郡山医療生活協同組合 桑野協立病院などの様々な医療機関を勤務し、 現在は高田眼科の院長を務める。 眼科医と形成外科医の知識と、これまでの豊富な眼瞼手術の術者としての経験をもとに、年間1000件超える眼瞼下垂症手術を手がけております。

執筆した医師
高田 尚忠

高田眼科 院長
ひとみ眼科 眼瞼手術顧問
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愛知県にお越しの方は「ひとみ眼科」