眼瞼下垂症手術のこぼれ話 その3

今回のお話しは、女性の方向けの話ではないのかもしれませんが・・・・・ご了承下さいませ。
私は気になったら、とりあえずやってみる!!という性分なので、多趣味だと人からよく言われますが、趣味的なモノは、大抵一過性という有様です。
ただし、唯一中断することなく、学生時代からずっと続いている趣味と言えば、唯一モータースポーツがあります。
モータースポーツを極めるというのは、手術を究めていくことと非常に似ているというのが、私の持論です。
(家内に対する言い訳なのかもしれませんが・・・・・)
高価な外国車をサーキットで乗り回す・・・・そういう趣味ではなく、純粋に、車という乗り物を早く走らせることが大好きなのです。
しかしながら、レースでは良い成績を残せていませんが・・・
モータースポーツは、当然、様々な危険(リスク)を伴うものなのですが、事前にリスクを予測し、そのリスクを一つずつ潰していくことで、安全にきちんとした結果を出すことができます。
つまり、手術はモータースポーツと本質が同じであると考えるようになってきた理由として、常日頃、診療所で手術をしている私の心理状態は、サーキットで車を走らせているドライバー心理とほとんど同じですし、レースに勝つために、車を準備する、練習する・・・・ 手術を成功裏に終わらせるために、器械をそろえる、腕を磨く・・・・レースでは、自分の命がかかっていますし、手術では、患者様の目がかかっています。共に、大事なのは、リスクコントロールです。
私は医師になって10年以上経ちましたが、研修時代は、何かの処置、手術に際して、常に、頭の中で沢山の試行錯誤をしておりました。初めてサーキットで車を走らせた時に、事故をしないように、それでいて、早く走らせることを常に試行錯誤していたのと同じです。
しかしながら、手術も運転も慣れてくると、試行錯誤は行いますが、その量が圧倒的に少なくなり、試行錯誤の質が変ってきます。
もちろん、ほとんどの操作が無意識で行えるようになってきますので、そうなってくると安定した良い結果が付いてくるようになります。
お陰様で、当院での眼瞼下垂手術の件数が増え、年間200件以上のご依頼を受けさせて頂くようになりました。
そうすると、眼瞼下垂症手術についても、以前と比べ、術中での試行錯誤も減りました。
当然、手術時間も、どんどん短くなり、結果についても術者として満足のレベルも、ハイレベルなモノになってきました。
モータースポーツで言うと、まさにベテランドライバーの心境です。
しかしながら、思考の試行錯誤が減るということは、成長のきっかけが減るということに他なりません。
安定志向というのは、術者としてのジレンマであります。
私は、モータースポーツを通して、手術の腕を磨くモチベーションを保つことが非常に大事だと考えるようになりました。
そのために、学会に出席をする、眼瞼下垂を得意にしている他の先生のお話しを聞く、書籍を読む等・・・・常日頃、努力をすることで、眼瞼下垂症手術での一等賞が取れるように頑張っていきたいと思います!!
(もちろん、レースでも・・・・)