レーザー治療
ピコレーザー:効率的で安全な”シミ治療”と”タトゥー除去治療”
近年、シミやタトゥー(刺青)の除去にレーザー治療が広く採用されています。しかし、全てのレーザーが同じ効果をもたらすわけではありません。その中でも、特に注目を浴びているのがピコセカンドレーザーで、レーザーのパルス幅(照射時間)が1兆分の1秒という非常に短時間のレーザー光を指します。
ピコセカンドレーザーの特徴とメリット
通常のレーザー治療では、照射によって起こる熱反応で、シミやタトゥーの色素を壊すことで効果を発揮します。しかし、ピコセカンドレーザーの場合は異なります。このレーザーは、熱反応ではなく、照射に伴う衝撃(インパクトウェーブ)によって色素を破壊します。
このため、一般的なQスイッチレーザー(ナノ秒のパルス幅を持つレーザー)と比較して、皮膚へのダメージが少ないため、治療の安全性が向上します。さらに、必要な治療回数が減り、瘢痕や色素脱失といったリスクも少なくなります。
ピコセカンドレーザーについて、もう少し深掘りして説明してみましょう。
まず、このレーザーの名前の一部である「ピコ」は、1兆分の1というとても小さい時間単位を表しています。つまり、「ピコセカンドレーザー」はその名の通り、1兆分の1秒という非常に短い時間でパルス(瞬間的な光の放出)を出すレーザーのことを指します。
ここで、例え話を一つ挙げましょう。サッカーボールを想像してください。
通常のレーザー治療(Qスイッチレーザー)は、まるでサッカーで、転がすようにしてパスするように、ゆっくりボールに足を当てるようなイメージです。ゴロのパスですから、地面を転がります。
当然、ボールは地面(芝生)に触れて転がるため、当然、芝に影響します。これが皮膚への熱反応のようなもので、Qスイッチレーザーでも、シミやタトゥーの色素を壊せますが、同時に、周りの皮膚も同時に影響を受けてしまい問題が起こりやすいとも言えます。
一方で、ピコセカンドレーザーは、強くシュートを打つようなものです。この強く蹴った衝撃波によりボール(ここでは色素)は強く飛び、その結果、色素が壊れてくれます。しかし、このシュートのように、インパクトは瞬間的なもので、ボールは宙を飛ぶわけで、芝に対する影響は少ないと言えます。ピコセカンドレーザーがQ スイッチレーザーよりも皮膚へのダメージが少ない理由がイメージできるかと思います。
さらに、ピコレーザーの特徴である強いインパクト(衝撃)により、シミ色素は一度にたくさん壊れるので、治療に必要な回数が減ります。また、ボール以外の物(ここでは健康な皮膚)がほとんど影響を受けないため、瘢痕や色素脱失といったリスクも少なくなるのです。
ピコセカンドレーザーは、その特性により、効率的かつ安全にシミやタトゥーの除去が可能と言えます。そして、何よりも、他のレーザーと比べて痛くないのが特徴です。
レーザー波長とシミの深さの関係
シミの治療効果を最大化するためには、使用するレーザーの波長を選択することも重要です。シミは、皮膚の老化や日焼けなどにより後天的に発生する色素沈着で、色素の位置(皮膚内での深さ)や量によって色調が異なります。
シミの色は、そのシミが作られているメラニン色素の量と、その色素が皮膚のどの深さにあるかによって決まります。メラニン色素が多かったり、皮膚の表面に近い位置にあったりすると、シミは濃い茶色に見えます。
これを理解するために、森を考えてみましょう。あなたが森の中に立って、上を見上げると、日差しが枝葉を透過してこぼれ落ち、様々な色と明るさの光が見えます。これは、太陽光が樹木の様々な高さの葉に当たり、その深さと密度によって色と明るさが変わるためです。シミも同じように、皮膚の深さやメラニン色素の密度によって色が変わるのです。
さて、ここでレーザーの波長が重要になります。レーザー波長とは、レーザー光が一つの波として伝わる距離のことで、その長さによってレーザーが届く深さが変わります。短い波長のレーザーは、皮膚の表面近くのシミを効果的に治療します。しかし、深いところにあるシミには、長い波長のレーザーを使う必要があります。
これを、森での日差しに例えてみましょう。太陽光は、森の表面に近い葉には容易に到達しますが、地面に近い葉にはなかなか届きません。しかし、光の波長が長いと、遠くの物体にも届きやすくなります。それと同様に、長い波長のレーザーは深いところにあるシミにも届き、そのメラニン色素を壊すことができます。
このため、シミの治療には波長が長いレーザー(例えば、730nmや1064nm)を使うと、深部のシミにも効果的であるとされています。また、このような長い波長のレーザーを使うことで、表面だけでなく深部のシミも治療することが可能になります。
タトゥー除去とピコセカンドレーザー
タトゥー除去におけるピコセカンドレーザーの利点を理解するためには、まず「熱緩和時間」について知る必要があります。
熱緩和時間とは、物質が熱を吸収してからその半分が周囲に放出されるまでの時間を指します。
タトゥー色素の場合、その時間は1ナノ秒(10億分の1秒)以下です。
熱緩和時間は、熱したフライパンにポップコーンの粒を投げ入れ、それがはじけるまでの時間に似ています。
まず、タトゥーを彫る過程を説明しますと、タトゥーのインクは、針を使って皮膚の下層に注入されます。そして、このインクが体内に残って、皮膚の色が変わり、タトゥーは、完成します。
そして、ピコセカンドレーザーを使ってタトゥーを取り除くには、このインクを破壊しなければなりません。
ここで、タトゥーのインクを思いっきり詰まった水風船に例えてみましょう。タトゥーは、この水風船が皮膚の下にあると考えてください。そして、その風船を壊すためには、その風船を強く打つことが必要です。ここでの「打つ」のは、ピコセカンドレーザーが放つパルス、つまり一瞬の強い光のことを指します。
しかし、風船を強く破裂させると、その影響は風船の周囲にも広がります。
そのため、風船を壊すだけでなく、風船の周りにあるもの(この例では皮膚)も傷つけてしまう可能性があります。でも、ピコセカンドレーザーのパルスはとても短いため、風船(タトゥーインク)だけを精密に破壊することができ、風船の周りにあるもの(皮膚)を傷つけることなく、風船を無事に取り除くことができます。
その結果、タトゥーのインクは体から排出され、タトゥーは徐々に薄くなっていきます。
ピコセカンドレーザーのパルス幅(つまり、レーザーが「オン」になっている時間)は、1ピコ秒(1兆分の1秒)から数百ピコ秒と非常に短いため、タトゥー色素が熱を吸収してからそれを放出する前にレーザーを「オフ」にすることができます。これにより、色素は「衝撃」で破壊されますが、周囲の皮膚組織はほとんどダメージを受けません。
したがって、ピコセカンドレーザーなら、この過程で、皮膚が火傷を受けたり、色素沈着を起こしたりするリスクが大幅に減少します。
なお、色の濃いタトゥーや大きなタトゥーを除去するには、数回の治療が必要になる場合がありますが、ピークパワーが高いため、レーザーがオンになっている短い時間内にも関わらず、非常に強いエネルギーをタトゥー色素に与えることができます。これにより、より多くの色素を一度に破壊し、治療効果を高めることができます。
それゆえ、ピコセカンドレーザーの高い治療効果により、その他のレーザー光より、全体の治療回数は少なくなると言えます。
以上のような特性から、ピコセカンドレーザーはタトゥー除去治療において優れた効果を発揮します。
オススメのPicowayとは
フラミンゴ眼瞼美容クリニックで採用しているピコセカンドレーザーはPicoWayという機種です。
PicoWay(ピコウェイ)は、最新のレーザーテクノロジーを使用した治療装置で、肌のさまざまな問題に対して効果的な治療ができます。以下に、PicoWayの特長を詳しく説明します。
- 3つの波長を1台に搭載:PicoWayは、3つの異なる波長を1つの装置に搭載しています。これにより、患者さんの肌の状態や治療ニーズに合わせて最適な波長を選択し、より効果的な治療を行うことができます。
◎532nmの波長は、メラニン色素により高い吸収率を持ちます。そのため、シミやあざなどの色素性の問題を効果的に治療することができます。
◎1064nmの波長は、深い層まで浸透することができます。メラニン色素の吸収率が低いため、肌の表面にダメージを与えずに安全に治療することが可能です。
◎730nmの波長は、血管に対して高い選択性を持ちます。血管損傷を抑えながら色素性の問題を効果的に治療することができます。 - 業界最短のパルス幅:PicoWayは、非常に短いパルス幅を持っています。波長532nmでは294ピコ秒、波長1064nmでは339ピコ秒、波長730nmでは246ピコ秒という業界最短のパルス幅を実現しています。これにより、肌に与えるダメージを最小限に抑えながら、効果的な治療を行うことができます。
- 高い治療効果:PicoWayは、高いピークパワーを持っています。波長532nmでは0.69GW、波長730nmでは0.41GW、波長1064nmでは1.19GWという高いピークパワーが特徴です。これにより、標的となる色素を細かく破砕し、少ない回数でより高い治療効果を実現します。
- フラクショナル照射が選択可能:PicoWayには、リゾルブ・フュージョン532nmフラクショナルハンドピースがあります。このハンドピースは、光音響効果を利用して真皮に光音響的な損傷を与え、創傷治癒のプロセスを促進します。熱による影響やダウンタイムを最小限に抑えながら、効果的な治療を行うことができます。
PicoWayは、これらの特長により、患者さんの個別の状態や治療ニーズに合わせたレーザーの波長の選択が可能です。
そして、短いパルス幅と高い治療効果により、肌に優しい安全な治療が実現されます。さらに、保険が適用されるため、経済的なメリットもあります。
以上が、PicoWayの詳細な特長の説明となります。
以上が、当院で用いているピコセカンドレーザーとその効果についての説明です。皮膚へのダメージを最小限に抑えつつ、シミやタトゥーを効率的に除去する治療をお求めの方は、ぜひ一度ご相談ください。
フラミンゴ眼瞼美容クリニックが採用した PicoWayは現行機種の中で最もパルス幅が短く、光音響効果が大きく、光熱作用が小さいとされています。そういった意味で、他社のピコセカンドレーザーに比べて、真の意味でのピコセカンドレーザーといえる機種です。
ピコレーザーの価格表
お顔全体シミ取りレーザー(2回分) | 55,000円(税込) |
スポット 10mm | 15,400円(税込) 詳細はこちら |
スポット 15mm | 19,800円(税込) 詳細はこちら |
スポット 20mm | 30,800円(税込) 詳細はこちら |
トーニング(1065nm) 顔全体 | 11,000円(税込) 詳細はこちら |
トーニング(フラクショナル) | 33,000円(税込) 詳細はこちら |
リジュビネーション | 88,000円(税込) |
タトゥー除去 | お試し価格 16500円(税込):初回 25cm2 ※除去するタトゥーの面積に応じて変わります。 詳細はこちら |
ピコレーザーに関連する副作用やリスクについて
ピコレーザー治療には治療効果がありますが、副作用やリスクについても理解しておくことが重要です。
1. ヒリヒリとした痛み
ピコレーザー治療は他のレーザー治療に比べて熱エネルギーによる炎症が少ない特徴があります。それにより、施術後に「やけどしたような痛み」を感じることがありますが、この痛みは一般的に数日で解消されます。万が一、この痛みが気になる場合は、保冷材を使って施術部分を冷やすと良いでしょう。
2. 赤み
ピコレーザー治療の後、肌は一時的に「やけどしている状態」になり、これが原因で数日間赤みが現れます。大半のケースでは赤みは1週間ほどで完全に落ち着きますが、しばらく経っても赤みが消えない場合は、肌に何らかの異常が起きている可能性があります。そのため、赤みがなかなか消えない場合は早めにクリニックに相談しましょう。
3. かさぶた
メラニン色素が濃く反応している箇所をピコレーザーで照射すると、かさぶたができることがあります。これは約2週間で自然とはがれ、「シミのないキレイな肌に生まれ変わります」。ただし、かさぶたが取れかけている時は、かゆみや違和感を感じる場合もあります。このときは絶対に触らないようにしましょう。無理に触ると、炎症や色素沈着につながる可能性があります。
4. 炎症後色素沈着
ピコレーザーで肌がキレイになった後、薄いシミ(炎症後色素沈着)が出来ることがあります。これは肌が炎症を起こすと現れる症状で、「日焼けしやすい人や、乾燥しやすい人、肌を触るクセがある人は色素沈着になりやすい」ため、こまめに肌のチェックを行うことが大切です。
5. シミが悪化する
シミを治療する際に、レーザーの出力パワーを誤って設定すると、シミの症状が悪化する可能性があります。特に肝斑の場合、その発症原因が明確に解明されていないため、「照射出力が強いレーザーを当てると増えてしまう」ことが多いです。シミを改善するためには、「低出力のピコトーニングで炎症を起こさず、メラニン色素を分解していく」ことが重要で、一度の施術では効果が出にくいため、繰り返し行うことが推奨されます。
以上のリスクを理解し、施術する医師と相談しながら適切な治療を選択することが重要であり、ピコレーザーのダウンタイムを軽減したり、リスクを回避したりするためには、アフターケアが大切です。
ピコレーザーの治療後には適切なアフターケアが必要です。これはダウンタイムの軽減や治療リスクの回避、そして肌のシミやくすみの改善を助けます。以下に、具体的なアフターケア方法を詳しく説明します。
ピコレーザー後のアフターケア
1. 丁寧にスキンケアを行う
スキンケアを行う際は肌に対する摩擦を避けることが重要です。強くこすると、「色素沈着やシミの悪化」につながる可能性があります。特に顔の皮膚は他の部位に比べて薄く、刺激に弱いため、クレンジングや洗顔をするときは指の腹でやさしく洗うようにしましょう。丁寧なスキンケアにより、「化粧水や美容液の浸透が良くなり、肌の調子が整います」。
2. 薬で施術効果を高める
ピコレーザーの治療後に特定の薬を使用することで、その効果を高めることが可能です。よく用いられる薬には、「ハイドロキノン」、「トラネキサム酸」、「トレチノイン」などがあります。これらの薬は、それぞれメラニンの生成を抑制したり、肌のターンオーバーを整えたりする効果があります。ただし、「ハイドロキノンやトレチノインは少し刺激が強い」ため、使用量には注意が必要です。
3. 日焼け対策を徹底する
日焼け対策もまたアフターケアの重要な要素です。紫外線によって肌が刺激されるとメラニンが生成され、「色素沈着やシミが悪化」する可能性があります。ピコレーザーの治療後は肌のバリア機能が一時的に低下するため、紫外線の影響を特に受けやすくなります。そのため、日中はこまめに日焼け止めを塗り、長時間の直射日光は避けましょう。「外出する時は、帽子をかぶったり日傘を使ったりして」、さまざまな方法で紫外線対策を行うことが重要です。
以上がピコレーザー治療後のアフターケアについての詳細です。適切なケアを行うことで、治療効果を最大限に引き出すことが可能となります。
施術の副作用やリスク、注意点についてのまとめ
治療の経過や効果には、個人差があります。
- ダウンタイムはほとんどありません。
- 患部への刺激を避ければ、メイクや洗顔は当日から可能です。
- 治療直後から外出可能ですが、保湿や紫外線対策をしっかり行いましょう。
- 痛みやかゆみ、出血、炎症後色素沈着や色素脱失が生じることがあります。
- シミの状態によっては、1回の治療で除去できない可能性があります。
- 施術後に生じたかさぶたは、無理に剥がさないようにしてください。
- 炎症後色素沈着が起きることがありますが、約3~6ヵ月で目立たなくなります。
以下に該当する方は、治療をお控えください。
- 妊娠中・授乳中の方
- 光過敏症の方
- てんかん発作の既往歴がある方
- 重度の糖尿病の方
- 施術前に日焼けをしている方
- 日焼けをする予定がある方
- 心臓のペースメーカーを使用している方
- 慢性疾患がある方
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