眼瞼下垂症ブログ:Case 11
眼瞼痙攣に加えて、眼瞼下垂症もあるケースとなります。
眼瞼下垂症を専門に診察をしているとよく遭遇しますが、眼瞼痙攣の患者さんです。
それまで、いろいろと眼科を受診されたりし、眼瞼下垂症の手術を受けることを決心され、遠方から当院を受診されました。
初回の診察の際には、気づかず、そのまま、眼瞼下垂症の手術を予定することとしましたが、手術当日の術前、診察の際に、僅かに、瞬目過多という眼瞼痙攣症状に気づき、BOTOX注射をすることにしました。
よく問診をしてみると、眼瞼痙攣症状に特有な羞明(光を眩しがる)という症状があったとのことです。
もちろん、術前の写真のように、眼瞼下垂症もあります。
この方の眼瞼下垂症は、ある意味、先天的に瞼の引き上げが弱く、加えて、皮膚の余剰が強いので、眼瞼下垂症に逆さ睫毛(睫毛内反症)が合わさった状態だと考えます。
BOTOX注射をすることで、先ずは、羞明(まぶしさ)がなくなり、日常生活が劇的に改善し、バスの運転という日常の仕事が楽になったと喜んで頂きました。
BOTOX注射の1か月後に、眼瞼下垂症手術を行うこととしました。
手術については、睫毛内反症(睫毛が目に当たる状態)も合併してあるので、それなりに重瞼ラインをしっかりつける方向で、さらに、男性なので、やや狭い二重幅をイメージしてデザインしました。
二重は、重瞼ラインでの、皮膚の食い込みと余剰皮膚の被さりが合わさって、二重ですので、皮膚の切開がポイントとなります。
逆に、睫毛内反症の改善には、十分な皮膚切除がポイントとなります。
3か月後の写真となります。
開瞼もしやすく、BOTOXの効果も持続しており、ご本人にとっては、大変満足のいく結果だったと喜んで頂いております。
眼瞼痙攣の方への眼瞼下垂症手術は、眼瞼痙攣が悪化する可能性を考え、原則、行わないのではなく、キチンと準備をし、行うと、非常に良い結果が出ます。