春季カタル
春季カタル(Vernal keratoconjunctivitis , VKC)とは、特定の季節に発症するアレルギー性結膜疾患の一種であり、とくに春に症状が悪化するのが特徴です。
花粉やダニなどのアレルゲンによって引き起こされ、5歳~思春期前の小学校男児に多く見られます。
当記事では、春季カタルの症状や治療方法について詳しく解説します。
この記事の著者
名前 / Name
高田 尚忠(たかだ なおただ)
高田眼科 院長|ひとみ眼科 / フラミンゴ美容クリニック 眼瞼手術担当医師
岡山大学医学部卒業後、郡山医療生活協同組合 桑野協立病院などの様々な医療機関を勤務し、現在は高田眼科の院長を務める。2022年3月より、名古屋市内の伏見駅近くのフラミンゴ眼瞼・美容クリニックを開院。
春季カタルの症状
春季カタルの症状は春から夏にかけて悪化しやすく、冬になると症状が軽くなるケースが多いです。
秋に症状が悪化する場合もありますが、角膜障害を伴って重症化しやすい特徴があります。
アレルギー性結膜炎のなかでも重症型のタイプであり、放っておくと視力への影響がでてしまうため注意が必要です。
- 目の激しいかゆみ
- 異物感や痛み
- 目の充血
- まぶたの腫れ
- 涙や目やにの増加
- 光がまぶしく感じる
- 視力の低下
目の激しいかゆみ
春季カタルの自覚症状で最も顕著に表れるのが、目の激しいかゆみです。
通常は両目に発生して、我慢できないほどかゆいと訴える人も少なくありません。
異物感や痛み
春季カタルでは、異物感や目の痛み(眼痛)も現れます。
目にゴミが入っているようなゴロゴロとした感覚や痛み、まばたきするたびに目がこすれているような感覚を訴える場合もあり、痛くて目が開けられなくなり登校できない状態になるお子さんもいます。
目の充血
白目(結膜)の部分が赤くなる充血の症状も、春季カタルを発症した人によくみられます。
目のなかで出血しているわけではなく、目の血管が膨らんだ状態になって目立ちやすくなるのが原因です。
まぶたの腫れ
まぶたの腫れも、春季カタルの症状の一つです。
まぶたが腫れぼったくなり、触れると熱を持っているような状態になります。
涙や目やにの増加
春季カタルは多量の目やにがでやすい疾患で、白色でねばねばとした目やにが特徴です。
また、アレルゲンを洗い流そうとする働きや目への刺激による涙の増加も現れます。
光がまぶしく感じる
医学用語で羞明(しゅうめい)と言う、光をまぶしく感じる症状も認められます。
通常は問題のない光量でもまぶしいと感じやすくなり、目に光が入るのがつらくなる状態です。
視力の低下
角膜への影響が大きいときは、視力の低下もみられます。
視界がぼやける、物がゆがんでみえるなどの症状が現れ、進行すると視力障害が残る可能性もあります。
眼科所見
眼科医の所見で最もよくみられるのが、上まぶた裏の石垣状乳頭増殖です。
さらに、輪部結膜の堤防状隆起や、トランタス斑(Trantas斑)なども認められます。
所見 | 状態 |
---|---|
石垣状乳頭増殖 | まぶたの裏にボコボコとした石垣状の隆起(乳頭)がたくさん現れる。乳頭の直径は1mm異常と大きく、密集しているのが特徴。 |
輪部結膜の堤防状隆起、トランタス斑 | 白目と黒目の境目(輪部結膜)に堤防状の隆起が現れる。黒目よりも白目のフチが盛り上がっているように見え、堤防状隆起の中にみられる灰褐色の小隆起がトランタス斑(Trantas斑)と呼ばれる。 |
落屑様点状表層角膜症(らくせつようてんじょうひょうそうかくまくしょう) | 黒目の表面を覆う角膜の最上層(角膜上皮)が点状に欠損した状態である「点状表層角膜症」がみられる。春季カタルでは角膜上皮が剥がれ落ちるようにみえるため、落屑様の名がつく。 |
角膜シールド潰瘍(かいよう) | 盾状潰瘍とも呼ばれ、角膜のえぐれた部分(潰瘍)の底に角膜上皮やムチン(涙や目やにに含まれる成分)が蓄積したもの。角膜に白く濁ったような部分が認められる。 |
角膜プラーク | 角膜シールド潰瘍で蓄積した角膜上皮やムチンが、角膜面上から隆起したもの。角膜の表面に白いかさぶたのようなものができる。 |
角膜の病変を繰り返すと起こる症状
角膜シールドや角膜プラークなどの角膜病変が繰り返し起こると、角膜血管侵入や角膜瘢痕が生じる場合があります。
その結果、視力障害が残る可能性もあるため注意が必要です。
所見 | 状態 |
---|---|
角膜への血管侵入 | 通常血管が存在しない黒目の部分(角膜)に血管が侵入してくる状態。角膜新生血管とも呼ばれ、進行すると視力障害や失明の危険性がある。 |
角膜瘢痕(かくまくはんこん) | 角膜に瘢痕(傷跡)ができる状態。角膜白斑(はくはん)とも呼ばれ、角膜病変が治癒した後に残る角膜の濁り。視力障害を引き起こし、重症の場合は角膜移植が必要となる。 |
春季カタルの原因
春季カタルの発症は、身体がアレルギー反応を起こすのが原因です。
アレルゲンによる反応
アレルゲンと呼ばれる物質に対して身体が過敏に反応したために、角結膜に炎症が起きて春季カタルを発症します。
具体的なアレルゲンは、花粉、ダニの死骸や排泄物、ペットの毛やフケなどです。
アレルゲンの種類 | 詳細 |
---|---|
花粉 | 春になると空気中に散布される木や草の花粉。スギやヒノキの花粉がとくに有名。 |
ダニの死骸や排泄物 | 家の中に存在し、空気中に浮遊するダニの死骸や排泄物。 |
ペットの毛やフケ | ペットから発生する毛やフケ。 |
カビ(真菌) | 湿度が高い場所で繁殖し、空気中に拡散するカビ。 |
自己アレルゲン | 異常な免疫反応によって自己組織をアレルゲンと認識するため。 |
生活環境の影響
春季カタルは、生活環境によっても影響を受ける場合があります。
空気汚染や天候、室内の湿度によって春季カタルのリスクが高まると言われています。
自動車の排気ガスや工場からの排出物など、空気中の汚染物質がアレルギー反応を促進します。
春はとくに気温の変化が激しく、アレルギー症状を引き起こす原因と考えられます。
高い湿度はカビの成長を促し、アレルギー反応を引き起こす原因となり得ます。
体質と健康状態
春季カタルは、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎を持った人に多い傾向があります。
春季カタルとアレルギー疾患の合併頻度1)
アレルギー疾患 | 合併症例の割合 |
---|---|
アレルギー性鼻炎 | 90.2% |
気管支喘息 | 82.9% |
アトピー性皮膚炎 | 70.7% |
また、小児期にアトピー性皮膚炎や気管支喘息などのアレルギー性疾患を経験した人では、成人してからでも春季カタルを発症するリスクが高くなると知られています。
春季カタルの検査・チェック方法
春季カタルの検査では、病歴や症状の確認、目の状態の検査やアレルギー検査が行われます。
検査項目 | 詳細 |
---|---|
病歴と症状の確認 | アレルギー性疾患の有無、具体的な目の症状の確認 |
結膜や角膜の観察 | 結膜の充血や石垣状乳頭増殖を確認 |
視力検査 | 視力の低下がないかを検査 |
アレルギー検査 | 特定のアレルゲンに対する反応 |
病歴と症状の確認
初めに問診で病歴と症状を確認します。
- どのような自覚症状があるか
- 特定の季節に症状が悪化するかどうか
- アレルギー性疾患の有無
- 家族にアレルギー体質の人がいるか否か
結膜や角膜の観察
結膜や角膜の観察は、医師が直接目の状態を確認する、スリットランプ(細隙灯顕微鏡)を使用して確認する、この2つの方法が一般的です。
この際にまぶたをひっくり返して石垣状乳頭増殖の有無も確認させていただきます。
スリットランプは目の前面部を詳細に調べられる眼科機器です。目に光の束を当てながら特殊な顕微鏡で目の状態を観察します。
視力検査
春季カタルで角膜に傷がついたり濁ったりしている際は、視力が低下している可能性が考えられます。
そのため、視力検査を行い視力への影響がないかどうかをチェックします。
アレルギー検査
春季カタルのアレルギー検査は、血清抗原特異的IgE抗体検査、涙液中総IgE抗体測定、結膜好酸球の同定法などで行います。
血清抗原特異的IgE抗体検査
血清抗原特異的IgE抗体検査は、どのアレルゲンに対してアレルギー反応を示しているか否かが分かる検査です。
花粉症や食物アレルギーの際にも使われる検査で、血液を採取して実施します。
小児の場合は注射器での採血が難しいケースも多いですが、指先から少量の血液を採取して行えるイムノキャップという検査キットもあります。
出典:https://www.thermofisher.com/
涙液中総IgE抗体測定
角結膜炎がアレルギー反応によるものか、ウイルス感染によるものかを鑑別するために行われるのが涙液中総IgE抗体測定です。
細い和紙を下まぶたに3分程度挟んで行う検査で、「アレルウォッチ涙液LgE」を使用して行います。
出典:https://www.wakamoto-pharm.co.jp/
結膜好酸球の同定法
結膜好酸球の同定法は、アレルギー反応を起こしている際に増える好酸球を確認する方法です。
目やにを採取したり結膜を綿棒でふき取ったりして行いますので、痛みがなく小さい子であっても受けやすいメリットがあります。
涙液中総IgE抗体測定と同じように、角結膜炎がアレルギー反応によるものかどうかを確認する検査です。
春季カタルの治療方法と治療薬について
春季カタルの治療では、重症度に応じて抗アレルギー点眼薬や免疫抑制点眼薬、ステロイド点眼薬を併用します2)。
状態 | 使用する治療薬の例 |
軽度 | 抗アレルギー点眼薬 |
中等度 | 抗アレルギー点眼薬 + 免疫抑制点眼薬、抗アレルギー点眼薬 + 免疫抑制点眼薬 + ステロイド点眼薬 |
重度 | 抗アレルギー点眼薬 + 免疫抑制点眼薬 + ステロイド点眼薬 + 場合によって瞼結膜下注射 |
抗アレルギー点眼薬
- オロパタジン
- レボカバスチン
- ケトチフェン
抗アレルギー点眼薬は、アレルギー反応を引き起こしているヒスタミン※1の働きを阻害する作用があります。
※2 ヒスタミン:化学物質の一種で、アレルギー症状の原因物質。身体の中のマスト細胞から放出されるとかゆみや充血、涙の増加などの症状が現れる。
オロパタジンやレボカバスチン、ケトチフェンなどの点眼薬が挙げられ、春季カタルの第一選択の薬です。
免疫抑制点眼薬
- シクロスポリン
- タクロリムス
中等度から重度の春季カタルに良い適応となるのが、シクロスポリンやタクロリムスといった免疫抑制点眼薬です。
「パピロックミニ点眼液0.1%」といったシクロスポリンの点眼薬があり、使い捨て容器に入ったものを1回1本、1日3回使用していただきます。
出典:https://www.santen.co.jp/
タクロリムスの点眼薬では「タリムス点眼液0.1%」が処方され、1日2回の点眼を行います。
出典:https://www.senju.co.jp/
どちらも免疫反応を抑えて目の腫れやかゆみ、石垣状乳頭増殖(まぶた裏のボコボコとした隆起)や輪部結膜の堤防状隆起(白目と黒目の境目の盛り上がり)などの症状を改善する薬です。
ステロイド点眼薬
- フルオロメトロン(作用:弱)
- デキサメタゾン(作用:中)
- ベタメタゾン(作用:中~強)
抗アレルギー剤や免疫抑制点眼薬で症状が改善しないときに併用されるのが、フルオロメトロンやプレドニゾロンなどのステロイド点眼薬です。
ただし、ステロイドは漫然と長期間にわたって使用するような薬ではなく、小児(とくに9歳以下)への使用は副作用が起こりやすいため処方例は限定的です。
眼瞼結膜下注射やステロイド内服薬
点眼薬での治療で改善しないケースでは、ステロイド薬をまぶた裏(眼瞼結膜)に注射する方法やステロイド内服薬による治療が選択される場合があります。
外科的治療
春季カタルの難治例では外科的治療、いわゆる手術を検討します。
手術の種類 | 詳細 |
---|---|
結膜乳頭切除 | 石垣状乳頭を切除する手術。薬物治療で症状が良くならず、乳頭が角膜を傷つけて角膜上皮の障害が悪化する可能性が考えられるときに行う。 |
角膜プラーク切除 | 角膜の表面にできる白いかさぶたのようなもの(角膜プラーク)を取り除く手術。 |
治療中の注意点
- 処方された薬は医師の指示に従って正確に使用する
- こまめな洗眼を行う
- 花粉やダニの死骸などのアレルゲンが目に付着しないように工夫する
洗眼は目やにの中の好酸球やアレルゲンを洗い流すのが目的で、洗眼用点眼薬や人工涙液を使用して行います。
春季カタルの治療期間
春季カタルの治療期間の目安は、1カ月から数カ月です。
春季カタルの目安となる治療期間
軽度の春季カタルでは、早期の免疫抑制点眼薬治療によって短い治療期間での回復が期待できます。
パピロックミニ点眼液0.1%とステロイド点眼薬の併用で1カ月後には重症の角結膜所見が改善し、タリムス点眼液0.1%は投与から1週間後には優位な症状の改善がみられるとの報告もあります3)4)。
ただし、完全に回復するまでにはさらに期間が必要です。
春季カタルにシクロスポリン点眼液0.1%を使用した2,597例の調査では、1カ月後に自覚症状がグッと少なくなり、2カ月目以降は緩やかに症状の改善がみられました3)。
※治療開始時の自覚症状を0として、1カ月ごとに-4.0、-4.6、-4.8、-5.1の推移。
春季カタルの再発と対応
思春期に入るとともに自然と回復する(自然寛解)傾向がありますが、なかには大人になっても治らない人もいますし、重症化すると視力が低下したままになる人もいます。
また、季節によって症状の悪化や改善を繰り返す特徴があるため、定期的な受診と根気強い治療の継続が大切です。
春季カタルの薬の副作用や治療のデメリット
春季カタルの治療薬には、目の刺激感や充血などの副作用が存在します。
一般的には症状に合わせて点眼薬の種類を切り替えていきますが、薬の切り替え時に症状が悪化しやすい傾向がありますので注意して目の状態を観察してください。
治療薬 | 副作用 |
---|---|
抗アレルギー点眼薬 | 目の刺激感や痛み、腫れ、充血 |
免疫抑制点眼薬 | 目の刺激感、視界のぼやけ、充血 |
ステロイド点眼薬 | 眼圧の上昇、白内障のリスク、感染症のリスク増加 |
抗アレルギー点眼薬の副作用
春季カタルの基本的な治療薬である抗アレルギー点眼薬の副作用は、目の刺激感(目にしみる感覚)や痛み、腫れ、充血などです。
点眼直後に発生しやすく、通常は時間の経過とともに改善していきますが、副作用と思われる症状が長引くときは医師に相談するようにしましょう。
免疫抑制点眼薬の副作用
中等度から重度の春季カタルで使用される免疫抑制点眼薬は、熱感や異物感といった点眼時の刺激が強い薬です。
治療を開始した時点では春季カタルによる自覚症状が強いため副作用の刺激感を訴える人は稀で、症状が良くなってからのほうが副作用を認めやすいです。
タリムス点眼液0.1%は白色の液なので点眼時に視界のぼやけが起こる可能性がありますが、これは一時的なもので自然に解消します。
また、ごく稀にタリムス点眼液0.1%が効きにくい症例が存在する点も踏まえておきたいポイントです5)。
ステロイド点眼薬
ステロイド点眼薬は、副作用である眼圧の上昇にとくに注意が必要な薬です。
小児への長期使用で眼圧が上昇しやすいので、とくに9歳以下の子にステロイド点眼薬が長期間にわたって処方されるケースはありません。
眼圧の上昇は自覚症状がない、大人であっても長期使用で副作用のリスクが上がる、放置すると緑内障に移行する可能性がある、といった点から、ステロイド点眼薬を使用する際は定期的に眼科に通って眼圧測定などの検査を受けるようにしてください。
春季カタルの保険適用について
春季カタルの治療に使用される抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬には健康保険が適用されます。
また、免疫抑制点眼薬も2010年から春季カタルに対して保険適用となりました。
1カ月あたりの治療費の目安
指先から少量の血液を採取してアレルギー検査を行う「イムノキャップ」は3,090円、注射器での採血によるIgE抗体検査は4,000~5,200円、涙を採取して行うアレルウォッチ涙液IgEは約400円です(3割負担の場合)。
抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬は薬の種類によって異なりますが、数百円~数千円が1カ月あたりにかかる費用の目安です。
項目 | 保険適用 | 1カ月あたりの治療費の目安 |
---|---|---|
アレルギー検査(採血) | あり | 3,000~5,200円 |
アレルギー検査(涙液) | あり | 約400円 |
パピロックミニ点眼液0.1% | あり | 4,500円程度 |
タリムス点眼液0.1% | あり | 3,300円程度 |
抗アレルギー点眼薬 | あり | 数百円~数千円 |
ステロイド点眼薬 | あり | 数百円~数千円 |
小児の医療費助成
小児では、医療費の助成が受けられます6)。
助成が受けられる年齢や自己負担の有無、所得制限の有無は自治体によって異なりますが、自己負担はかなり少ないです。
詳しい医療費助成の内容については各自治体にお問い合わせください。
参考文献
1) アレルギー科診療における眼病変/J-Stage
2) アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン/日本内科学会雑誌106巻11号
3) 高村悦子:春季カタルに対するシクロスポリン点眼液0.1%の全例調査. 日眼会誌 14:476-481,2014.
4) Fukushima A, et al: Therapeutic effects of 0.1% Tacrolimus eye drops for refractory allergic ocular diseases with proliferative lesion or corneal involvement. Br Ophthalmol 98: 1023-1027, 2014.
5) 我が国における免疫抑制薬点眼液による重度アレルギー性結膜疾患の治療/J-Stage
6) 乳幼児等医療費に対する援助の実施状況/厚生労働省
BUCKLEY, Roger J. Vernal keratoconjunctivitis. International ophthalmology clinics, 1988, 28.4: 303-308.
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