ポテンツァの効果 – いつからいつまで?どのくらいもつのか・何回必要かを解説

毛穴やニキビ、肝斑などの肌トラブルに効果的なポテンツァ。
この記事では、ポテンツァの効果や持続期間はいつからいつまで、どのくらいもつのか、わかりやすく解説しました。
チップの種類・ドラッグデリバリーについてや、必要な施術回数も掲載していますので、ポテンツァを検討されている方はぜひ参考にしてください。
この記事の著者

名前 / Name
藤井 あさ美
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
医学博士。日本皮膚科学会皮膚科専門医。愛媛大学医学部卒業後、大阪大学医学部皮膚科入局。退役軍人病院(ロサンゼルス)皮膚科、岐阜大学医学部付属病院皮膚科を経て現職(あさ美皮フ科亀戸駅前院長)。
ポテンツァ(POTENZA)の効果とは

ポテンツァは、マイクロニードルRF(Radio Frequency)技術を採用し、RFエネルギーを皮膚の奥深くまで届ける画期的な治療方法です。
ポテンツァの治療では、肌のハリや弾力を保つために不可欠なコラーゲンとエラスチンの生成を促します。
ニキビ、毛穴の開き、肝斑、傷・シワといった表面的な凹凸など、さまざまな肌トラブルが対象です。
- ニキビの改善
- 毛穴の開きを縮小する
- 肝斑治療
- 酒さ(赤ら顔・紅潮)の改善
- 肌の若返り
- シミの改善
- ニキビ跡、クレーターの治療
- シワの改善
ニキビの改善

ポテンツァでは、ニキビの炎症を抑え、原因菌を破壊しニキビを減少させます。
また、コラーゲン・エラスチンの生成を促し、肌の再生を助けます。
毛穴の開きを縮小する

毛穴の開きの主な原因は、①肌の弾力性の低下、②皮脂の過剰分泌による毛穴の詰まりです。
ポテンツァではこの2つの原因を効果的に解決できます。
- 肌の弾力性が高まり、大きく開いた毛穴が目立たなくなります。
- 皮膚の分泌バランスを調整し、毛穴の開きを改善します。

肝斑治療

ポテンツァは治療が困難とされてきた肝斑(かんぱん)にも有効です。
肝斑(かんぱん)とは、主に頬骨、額、口の周辺などに左右対称にできる、薄茶色から茶褐色の色素斑です。
ポテンツァではマイクロニードルと呼ばれる極細の針を皮膚に刺し、その針を通して高周波のエネルギーを照射します。
この高周波のエネルギーは、メラノサイトを活性化させる炎症を抑制する働きがあり、メラニン色素の生成を抑える効果があります。
酒さ(赤ら顔・紅潮)の改善

皮膚の赤みや紅潮を特長とする酒さの正確な原因はまだわかっておらず、諸説ありますが、外部や内部のさまざまな刺激により炎症が起こり、新生血管が増殖することで起こるとされています。
毛細血管が存在する真皮にRFエネルギーを照射できるポテンツァは、酒さの原因となる新生血管を抑制し、毛細血管の拡張を改善する効果があることが分かってきました。
肌の若返り

ポテンツァ治療では、たるみ、質感など全体的な肌の見た目を改善し、皮膚の若返りに優れた効果を発揮します。
- マイクロニードルにより皮膚に微小な傷をつけ、身体の自然治癒プロセスを刺激する。
- RFエネルギーにより皮膚の深層部に熱を発生させ、肌のハリや弾力を保つ働きのあるコラーゲンとエラスチンの生成を促進する。
シミの改善

ポテンツァ治療は、シミやくすみなど色素沈着の改善に大きな効果を発揮します。
色素沈着は、メラニンが過剰に生成され、黒ずんだ斑点になることで起こります。
ポテンツァは高周波エネルギーを皮膚の深層部に照射し、身体の自然治癒プロセスを刺激し新しい健康な皮膚細胞の生成を促進します。
ニキビ跡、クレーターの治療

ポテンツァは、ニキビ跡や皮膚のクレーターに対する治療も可能です。
マイクロニードルにより皮膚に微細な傷をつくり、高周波エネルギーを真皮に送り込み身体の自然治癒反応を刺激します。
これにより新しいコラーゲン・エラスチンが生成され、時間の経過とともにニキビ跡や皮膚のクレーターといった傷跡を改善する仕組みです。


シワの改善

シワはコラーゲンとエラスチンの減少によってつくられ、日焼けなどの環境要因により悪化します。
ポテンツァ治療では新たしいコラーゲンとエラスチンの産生を促す効果があるため、時間の経過とともにシワを改善できます。
ポテンツァのドラッグデリバリー効果
ポテンツァでは専用のチップ(ポンピングチップ)を使うことでドラッグデリバリーを行えます。
ドラッグデリバリーとは、ボテンツァにより肌に細かい穴をあけ、表皮に塗った薬剤をその穴から真皮へと送り込む治療方法です。

ダーマペンなどと比べると、より多くの薬剤を真皮層へと届けられます。
使用できる薬剤は、以下のような種類があります。
- マックーム
- エクソソーム
- ベネブ
- ジュベルック
- マイクロボトックス
- BENEV(ベネブ)
- ボツリヌストキシン
- スネコス
- ミラクルH
- サイトケア
- コラーゲンブースター など
特に人気があり、ポテンツァを受けられる方へおすすめな薬剤が「マックーム」「エクソソーム」です。
マックーム

こんな方におすすめ
ニキビ跡
クレーターのような肌の凹み
お肌を若返らせたい方
肌のキメや毛穴、小じわを改善したい方
マックーム(MaCoom)はポテンツァ専用に開発された薬剤であり、生分解性ポリマー(体内で吸収される物質)です。
マックームの有効成分はポリL乳酸(PLLA)で、皮膚の凹みの治療に使用されていた歴史があります。
その安全性と生体適合性から縫合糸や骨固定版などさまざまな医療分野で使用され、美容目的の注入が海外でも承認されている薬剤です。
皮膚に注入すると線維芽細胞を刺激し、数ヶ月~約2年の間に体内で分解・吸収され、その間ゆっくりとコラーゲンの生成を促し、お肌に弾力性を与えます。
ポテンツァのドラッグデリバリーシステムを使用しマックームを皮内に注入すると、コラーゲンの生成を促進して凹んだ瘢痕組織を埋め、ニキビ跡を効果的に治療します。
また、コラーゲンが増えることで、毛穴やお肌のたるみにも効果を発揮してくれます。
PLLAの副作用としてコラーゲンの過剰生成による結節の形成が知られていますが、このようなケースは比較的まれです。

エクソソーム

こんな方におすすめ
くすみ
色素沈着
毛穴の開き
しわ・たるみ
エクソソームはとても小さな粒子で、美容皮膚科や再生医療の領域で重要な役割を果たす成分であることが分かってきました。
具体的な役割には、肌の再生や酸化を防ぐ働き、肌の新陳代謝を助ける働きが挙げられます。
また、エクソソームは、薬を肌の細胞に運ぶ役割ももっています。さらに肌の治癒力を高める効果もあります。
臨床試験では、エクソソームが線維芽細胞に取り込まれると「コラーゲン生成が最大6倍まで増加」「エラスチン量が最大3倍まで増加」「細胞増殖が最大80%増加」との結果が出ています。
このエクソソームを高純度に精製・ろ過し製品化されたのが「ASCE+」です。
ポテンツァとエクソソーム(ASCE+)の組み合わせで、肌の細胞を活性化させ、皮膚の再生やバリア機能を高めていきます。
ポテンツァの効果はチップで変わる
ポテンツァは、使用するチップの種類によって効果が異なります。

13種類のチップを差し替えられる

- ポンピングチップ(ドラッグデリバリーに使用):CP21、C-9、C21-1、C21-2
- 肝斑モード:S-16、S-25、S-49
- しわ・美肌:I-16、I-25、I-49
- ニキビ:P1-08、A1-12、A1-15
ダイヤモンドチップ

ダイヤモンドチップはポテンツァに新しく加わったチップで、針を使わずに高周波の力を使用し、皮膚に均一に熱を導入できるカートリッジです。
比較的浅い皮下脂肪層までターゲットとし、肌のハリや弾力に欠かせないコラーゲンやエラスチンの生成に即効性・持続性を持たせることができるため、お肌の引き締めや若返り治療、タイトニング治療ができます。
施術中の痛みやダウンタイムも少なく、注射や手術によるリフトアップに抵抗がある方や、ハイフ特有のピリピリとした感覚が苦手な方にも最適です。
▼ダイヤモンドチップについて詳しくはこちら

ポテンツァは何回必要?
ポテンツァの治療回数は、個々の肌の状態や治療部位、希望する結果により変わってきます。
一般的には4~6週間の間隔をあけて平均3~4回の治療が必要とされています。
治療回数の目安
目的 | 治療回数の目安 |
---|---|
軽度の皮膚のたるみ | 3-4回 |
中等度~重度の肌のたるみ | 4-6回 |
にきび跡 | 4-6回 |
- 肌のタイプ:皮膚が厚い方はより多くの回数が必要です。
- 年齢:若い方はもともとコラーゲンの生成率が高いため、治療に対する反応が早い場合があります。
- 希望する結果:重度の皮膚疾患や、劇的な効果を求める場合はより多くの治療が必要です。
- 生活習慣:日焼け・喫煙・栄養不足などの要因は、肌のコラーゲンやエラスチンの生成能力に影響を与えるため、最適な結果を得るにはより多くの治療回数が必要となる場合があります。
ポテンツァの効果はいつから実感できる?
効果実感までの期間は個々のお肌の状態や重症度、治癒反応に左右されますが、おおむね治療後2~4週間以内に改善を実感できます。
最も顕著な改善は、治療後3ヶ月頃より実感できるのが一般的です。
ポテンツァの効果実感までの経過
期間 | 効果 |
---|---|
治療後2~4週間 | キメが整い、肌色が改善されるなど、初期の改善が見られる。 |
3ヵ月後 | シワや小ジワの減少、肌の引き締め効果など、最も顕著な改善が実感できる。 |
治療後6ヵ月以降 | 定期的なメンテナンス治療で効果を持続する。 |
より効果を実感しやすくする方法
ポテンツァ治療の最適な効果を得るために、まずはライフスタイルを見直していただくのが一番です。
バランスの良い食生活を心がけ、栄養状態に気を配り、定期的な運動や過度の日焼けを避けるよう気をつけると、お肌の健康状態がよくなります。
また、喫煙はお肌によくありませんので避けてください。
ポテンツァの持続効果はいつまで?
ポテンツァによる治療効果を長期的に維持するためには、継続的なメンテナンスが必要です。
効果の持続期間は永久ではない
治療の効果は永久的なものではなく、通常は6~12カ月に1回のメンテナンスが推奨されます。
- 日焼けを避ける
- 禁煙する
- バランスの良い食生活を心がける
- 定期的な運動を心がける
薬剤なしでもポテンツァの効果は実感できる?
ポテンツァは、RF(高周波)エネルギーを真皮へ届け、コラーゲンやエラスチンの生成を刺激するのが主機能です。
ドラッグデリバリーシステムを使用しない場合も、お肌の弾力性向上や若々しい外観を保つサポートができます。
ポテンツァとダーマペンの効果の違い
ポテンツァとダーマペンはどちらもマイクロニードルを使用しますが、メカニズムが異なりますので、お肌に対する結果も異なります。
- ポテンツァはマイクロニードルと高周波(RF)エネルギーを組み合わせて使用します。
- ダーマペンはマイクロニードルのみを使用する機器です。
ポテンツァ | ダーマペン | |
---|---|---|
技術 | マイクロニードル+RFエネルギー | マイクロニードル |
お肌の若返り | 高い | 中程度 |
パーソナライズ | 高 | 中 |
痛み | 中程度(RFの強さと針の深さによる) | 低~中程度(針の深さによる) |
ダウンタイム | ダーマペンと比べると短い | 可変(針の深さによる) |
ポテンツァは、マイクロニードルとRFエネルギーの組み合わせにより、より高いお肌の若返り効果が期待できます。
また、患者さんのニーズに合わせ適切なカスタマイズが可能です。

まとめ
マイクロニードルRF技術によりエネルギーを真皮まで届けるポテンツァは、ニキビや毛穴、肝斑、赤ら顔の改善やシミ・シワ治療、ニキビ跡・クレーター治療に効果的です。
ドラッグデリバリーを行えるポンピングチップを含め、10種以上のチップを差し替えられ、患者さんの希望に合わせたカスタマイズができます。
4~6週間の間隔をあけて平均3~4回の治療を行うと、施術後2~3カ月後には最大限の効果を感じることができ、その効果の持続期間は1年程度です。
その後は、6~12ヶ月に1回程度のメンテナンスで効果を維持できます。ポテンツァをご検討の方はぜひ当院にお気軽にご相談ください。
Q&A
- ポテンツァの効果はいつから現れますか?
-
通常、ポテンツァの効果は施術後2~3週間で見られ、最大の効果は2~3ヶ月後に得られるとされています。
- ポテンツァの効果はどれくらい続きますか?
-
一度の施術の効果は約1年間続きます。
- ポテンツァは何回施術が必要ですか?
-
一般的には3-4回が推奨されます。
- ポテンツァはどれくらいの頻度で行えば良いですか?
-
施術の間隔は一般的に4-6週間とされています。
- ポテンツァの施術後にどんな副作用がありますか?
-
施術後は軽い赤みや腫れが見られることがありますが、これらは通常数日で自然に消えます。
参考文献
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- 赤み・腫れ(数時間~数日)
- 内出血(通常、一週間程度で消失します)
- ごく稀に色素沈着が起こる場合があります