眼瞼下垂症手術のこぼれ話(出血を少なくする工夫)
皮膚の手術、特に顔にまつわる手術において、ダウンタイムは非常に重要なポイントとなります。
当然、患者様も、術前の説明において、その点に関してのご質問は多いです。
ダウンタイムが短ければ短いほど、当然、患者様は楽です。
ダウンタイムが長くなる原因として、手術操作による炎症反応による腫れと赤み、そして 出血によるうっ血が挙げられます。
前者の炎症反応は、手術中において慎重かつ丁寧に組織を取り扱うことで減らすしかないのですが、後者の出血はコントロール出来る部分があります。
ちなみに、出血によるうっ血は、炎症反応を引き起こしますから、出血をいかにコントロールするかが、手術の善し悪しのポイントの一つではないかと考えており、常々、小生は、これを最小にするための努力しています。
特に、出血が多いと、術野が汚くなり、組織が同定しづらくなります。
眼瞼下垂症手術の場合、矯正の定量に誤差が出やすかったり、また、Volumeに誤差が出やすくなります。
しかも、出血が長引いていた部分は肉芽(シコリ)やひきつれになり、再手術の際の妨げになります。
そこで、ポイントとなることとして、麻酔を工夫する。
極力、金属メスを使わず、また、ハサミを使わないようにしてます。
では、どうしているのかは、企業秘密ですが・・・・小生の手術では、非常に出血が少ないと自負しています。
これが、本日の手術の際の出血量です。究極的な出血の少なさだと思います。
左のガーゼは麻酔の際の出血で針による出血です。
真ん中と左のガーゼが手術中に使用したガーゼです。
これでも、眼瞼の皮膚を約9mm幅で長さ18mm程度で切除も行い、タルミをとっています。
当然、眼瞼挙筋を前転し、さらには、眼輪筋も切除も行っております。
あと、皮膚縫合も当然、行っております。
もちろん、出血は個人差があります。
例えば、ご高齢の方などは毛細血管が脆弱なので出血が多くなりがちです。
眼瞼下垂症手術は奥が深いですので、これからも探求して、よりよい結果を出すように努力して参ります。