眼瞼下垂の基礎知識

美容手術と目つき矯正手術や眼瞼下垂手術の自由診療、保険診療の違い

Dr.髙田

2026年1月24日 修正・更新

眼瞼下垂手術・目つき矯正・二重手術の違いを正しく理解する

眼瞼下垂と目つき矯正の違い

「二重手術と眼瞼下垂手術はどう違うのですか?」
「目つき矯正って、結局は二重手術と何が違うのですか?」

眼瞼下垂外来で、非常に多く受ける質問です。

これらの治療は、医療機関側の説明不足、理解不足もあり、また、名前のニュアンスや、手術内容も似ているため混同されがちですが、
実際には

  • 目的
  • アプローチする組織
  • 手術の考え方
  • 保険適用の有無

が、まったく異なります。

そこで本記事では、目つき矯正と眼瞼下垂の違いについて詳しく解説していきます。

先ず、目つき矯正と眼瞼下垂手術、二重手術は、眼科や形成外科、美容外科などでおこなわれている治療法です。

そして、目つき矯正手術とは、眼瞼下垂症の有無に関わらず、眼瞼下垂症手術の方法を用いて、瞼の開きをよくすることで、目をパッチリさせる手術であり、自由診療による眼瞼下垂症手術という言い方ができます。

したがって、二重手術は、二重瞼にするという審美的な要素の手術ですが、目つき矯正と眼瞼下垂症手術は、どちらも目の開きにくさを改善し、視野を広げたり眠たい印象を解消したりする効果が期待できますが、目的や施術方法によって区別して考えなければなりません。

目の開きや重たいまぶたを解消したいと考えているものの、どちらの治療法を選べばよいのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

自分に合った治療法を選ぶポイントもまとめましたので、手術を受ける際の参考にしてください。

高田尚忠医師
高田尚忠医師

美容外科に、瞼の悩みを相談に行かれると、その悩みが眼瞼下垂症による瞼の下りが原因だったとしても、先ずは、二重埋没法手術を勧められることが多いと思います。

確かに、手術の結果、二重の食い込みが良くなって、目の開きが良くなることがあるのですが、あくまで、二重幅が変わることで、目の印象の変化によるものであり、眼瞼挙筋機能の改善がないため、本質的な治療となっていない場合が多くあります。

加えて、埋没法は、時間が経つと、緩んでくるので、元の状態に戻ってしまうケースも多々ありますので、注意が必要です。

当院では、目つき矯正手術、眼瞼下垂手術、二重手術を曖昧にせず、次の 3つに明確に定義 しています。


① 二重手術(埋没法・二重切開法)

― 見た目を変えるための「純粋な美容手術」

目元

二重埋没法・二重切開法はいずれも、

まぶたを二重にすることだけを目的とした手術

です。

  • 眼瞼挙筋(まぶたを持ち上げる筋肉)には基本的にアプローチしない
  • 目の開きを良くする手術ではない
  • あくまで「二重のライン」を作る手術

という点が本質です。

そのため、

  • 医学的な機能回復を目的としない
  • 視野障害や眼精疲労の改善を目的としない

純粋な美容手術であり、すべて自由診療となります。

「二重にしたい」「印象を変えたい」という希望に対して行う手術であり、
眼瞼下垂症そのものを治療する手術ではありません。


② 目つき矯正手術

目つき矯正は、一般的に目の開きを調整して瞳を露出させ、魅力的な目元に仕上げることを目指す施術です。

重たいまぶたを解消して、ぱっちりとした目元の印象をつくる効果が期待できます。

― “足し算”で行う、非常に高度な複合手術

目つき矯正手術は、

自由診療で行う眼瞼下垂症手術

です。

高田尚忠医師
高田尚忠医師

保険診療は、眼瞼下垂症という病名が付かないと眼瞼下垂症手術ができません。

目つき矯正手術は、眼瞼下垂症と診断できないような正常な瞼でも、つまりは、眼瞼下垂症の有無に関わらず、眼瞼下垂手術を行い、審美的な意味で、目をパッチリとした印象にするという目的のために行う手術と言えます。

言い換えると、

二重切開手術 + 眼瞼下垂症手術

を同時に行う手術、と考えると分かりやすいでしょう。

この手術の特徴は、

  • 明らかな眼瞼下垂がなくても
  • あえて眼瞼下垂症手術の手技を用いて
  • 目の開きを良くし、パッチリとした印象を作る

点にあります。

さらに同時に、

  • 二重切開
  • 皮膚のたるみ取り
  • まぶたの重み取り

などを組み合わせて行うことができます。

つまり、

  • 見た目の変化
  • 目の開き
  • 二重の形
  • 皮膚・脂肪の調整

といった複数の要素を同時にコントロールする「足し算の手術」です。

当然ながら、

  • 手術の難易度は非常に高い
  • 医師の技量差が結果に直結する
  • 単純な二重手術よりも高額

となります。

この手術は、
美容的な完成度を強く求める方に向けた自由診療です。

したがって、患者様の現状の瞼の状態と理想とする仕上がりとのギャップをどう埋めていくのか?が大事となります。

ある意味、オーダーメード的に手術内容を組み立てる必要性があるので、手術を受ける際は、施術内容をカウンセリングで医師によく確認することが重要です。


③ 保険診療による眼瞼下垂症手術

眼瞼下垂とは、まぶたを上げる力(眼瞼挙筋)が弱く、うまく目を開けられなくなる状態です。

眼瞼下垂手術は、まぶたの開きを良くし、視界の狭さや頭痛、肩こりなどを改善する目的でおこなわれます。

― 機能回復に徹した「引き算の手術」

保険診療で行う眼瞼下垂症手術は、
二重手術と目つき矯正手術とは根本的に考え方が異なります

目的はただ一つ。

まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)の機能異常を治すこと

です。

  • 視野障害
  • 眼精疲労
  • 頭痛
  • 日常生活の不便さ

といった機能的な問題の改善が主目的であり、
美容的な変化を積極的に作る治療ではありません。

そのため当院では、

  • 皮膚切除は行わない
  • たるみ取り・重み取りは行わない
  • 必要以上の組織操作は加えない

という方針を取っています。

これは、

余計な要素を排除し、問題の本質だけに集中する「引き算の手術」

だからです。

高田尚忠医師
高田尚忠医師

当院の眼瞼下垂症手術は、出来るだけ、手術内容を必要なものだけに無駄を削ぎ落とした手術となります。

結果的に、必要以上のことをしない分、手術時間も圧倒的に短くなり、ダウンタイムが短くなりますし、また、予定外の結果が出ることがなく、安定した結果が期待できる安全性の高い手術だと考えております。

保険診療における審美的配慮とは、「大きく変えること」ではなく、「余計な変化を加えないこと」だと考えております。


三つの手術の違いを、整理すると

手術名主目的手術の性質保険
二重手術二重を作る美容手術(単純)自由診療
目つき矯正見た目+目の開き美容+機能(足し算)自由診療
眼瞼下垂手術機能回復医療(引き算)保険診療

高田尚忠医師
高田尚忠医師

保険診療で眼瞼下垂症手術を行うには、眼瞼下垂の状態にあり、治療(手術)が必要な疾患としての診断が必要となります。

つまり、眼瞼下垂症でなければ、手術をすることができません。

「どれが優れているか」ではなく、「何を目的にするか」

重要なのは、二重手術、目つき矯正手術、眼瞼下垂症手術(保険適応)の中で、

  • どの手術が上
  • どの手術が下

という話ではありません。

「何を一番改善したいのか」
「どこまでの変化を求めるのか」

によって、選ぶべき治療はまったく異なります。

当院(高田眼科)では、

  • 二重手術
  • 目つき矯正手術
  • 保険診療の眼瞼下垂症手術

それぞれの役割と限界を正しく説明したうえで
患者さんにとって最も合理的な選択をご提案しています。

クリニックごとに解釈が異なる

どのような施術を「目つき矯正」と呼ぶかは、クリニックによって異なります。

一般的には、眼瞼下垂の症状を改善するための治療法を眼瞼下垂手術、審美目的でおこなわれる治療法を目つき矯正と呼び、両者は区別されます。

しかし、クリニックによって解釈は異なり、眼瞼下垂の治療法として目つき矯正のメニューを提供している場合もあります。

そのため、手術を受ける際は、施術内容をカウンセリングで医師によく確認することが重要です。

眼瞼下垂=目つき矯正と呼ぶクリニックも多い

眼瞼下垂手術と目つき矯正は治療目的が異なりますが、どちらも目を開ける力を強くする効果があるため、同じ治療法として考えているクリニックも少なくありません。

とくに、美容外科でおこなっている自由診療(保険適用外)の眼瞼下垂手術では、単にまぶたの開きを改善するだけではなく、デザイン性も重視されるため、目つき矯正と呼んでいるケースがあります。

なお、保険適用による眼瞼下垂手術は、基本的にまぶたの機能回復のみを目的としているため、審美性は考慮されません。

※ただし全く考慮がないかというと、そういうことはありません。

切開か非切開かで言い方を分けているクリニックも

クリニックのなかには、治療目的ではなく、まぶたの皮膚を切開するかしないかで「眼瞼下垂手術」と「目つき矯正」を区別しているところもあります。

切開を伴う施術が眼瞼下垂手術、非切開でおこなわれる施術が目つき矯正です。

切開式と非切開式では、効果やダウンタイムの長さなどが異なります。

ただし、先述したとおり解釈はクリニックによって異なり、目つき矯正が必ずしも非切開となるわけではありません。

また、眼瞼下垂手術であっても、切開しない埋没法の施術方法を選択できる場合もあります。

目の開き改善・重たいまぶた解消の治療法を選ぶポイント

目の開きや重たいまぶたを改善するための手術を検討する際は、治療内容をよく確認し、自分の希望に合う方法を選択しましょう。

名称ではなく治療内容をチェック

先述のとおり、眼瞼下垂手術と目つき矯正は、同じ治療法として提供されるケースもあれば、区別されるケースもあり、クリニックによって解釈はさまざまです。

そのため、治療の名称で選ぶのではなく、内容をしっかりとチェックしなければなりません。

名称ではなく治療内容をチェック

まぶたの開き改善のみを目的としているのか、目をぱっちりとさせるための施術なのか。

どのような術式で手術がおこなわれるのかなど、治療に対する疑問を解消したうえで、納得できる方法を選んでください。

どんな手術が自分に合っているか知るには

まずは専門医への受診が第一です。

そのうえで、治療内容を理解できても、どの手術が自分に合っているかわからない場合は、手術を受けるうえで重視するポイントを明確にしましょう。

たとえば、できるだけ費用を抑えて眼瞼下垂の症状を改善したい場合は、保険診療での眼瞼下垂手術が推奨されます。

二重のデザインや左右のバランスなど、審美性に徹底的にこだわりたい場合は、自由診療で受けられる眼瞼下垂手術(目つき矯正)も選択肢のひとつです。

どこへ受診すれば良いか悩まれている方は、下記の記事を参考にしてください。

あわせて読みたい
眼瞼下垂は何科を受診すべきか – 眼科・形成外科どっち?美容外科のデメリットとは
眼瞼下垂は何科を受診すべきか – 眼科・形成外科どっち?美容外科のデメリットとは

手術前のカウンセリングの重要性

手術前のカウンセリング・問診

眼瞼下垂や目つき矯正の手術で失敗しないためには、手術前のカウンセリングで自分の希望を伝え、治療の効果や仕上がりのイメージ、リスクなどをよく確認しておく必要があります。

治療内容を十分に理解しないまま手術を受けてしまうと、思いどおりの仕上がりにならず、後悔につながってしまう場合も。

カウンセリングに時間をかけてくれ、親身になって対応してもらえるクリニックを選びましょう。

疑問や不安はすべて解消し、納得したうえで治療を受けてください。

目つき矯正・眼瞼下垂手術のリスク・副作用

目つき矯正や眼瞼下垂手術では、目の開きを良くする効果が期待できる一方、副作用が生じたり、後遺症が残ったりするリスクも伴います。

目つき矯正・眼瞼下垂手術の副作用

  • 赤みや腫れ、内出血
  • ドライアイ
  • 涙目、目やに
  • 目の違和感
  • まぶたが閉じにくくなる
  • 目が開きすぎる
  • 視界不良 など

手術後に起こりうる後遺症・トラブル

  • 眼瞼痙攣(がんけんけいれん)
  • 低矯正、過矯正
  • 傷口のひきつれ
  • 稗粒腫(はいりゅうしゅ)
  • 霰粒腫(さんりゅうしゅ)
  • 二重の左右差 など

とくに、切開法の手術の場合、赤みや腫れ、内出血などが生じやすく、ある程度のダウンタイムは避けられません。

個人差はありますが、1〜2週間ほどは傷跡が目立ちます。

また、目の開閉が困難となったり、涙や目やにが増えたりと、手術後は目に違和感を覚える場合もあります。

こうした副作用は一時的なものであり、適切なケアをおこなっていれば、時間の経過とともに元の状態に戻っていくため、ほとんど心配はありません。

一方、眼瞼痙攣や低矯正・過矯正、左右差といったトラブルが起こると、再手術が必要となる可能性があるため注意が必要です。

実績があり、信頼のできるクリニックを選べば後遺症や失敗のリスクは減らせますが、完全には防げないことを理解したうえで手術を受けましょう。

眼瞼下垂手術後のトラブルについてご心配がある方は、下記の記事もご覧ください。

あわせて読みたい
眼瞼下垂手術後のトラブルで失敗・後悔しないために、手術を受ける前に「必ず!!」知っておくべきこと
眼瞼下垂手術後のトラブルで失敗・後悔しないために、手術を受ける前に「必ず!!」知っておくべきこと

治療後の効果・変化

目つき矯正・眼瞼下垂手術には、目の開きを改善して魅力的な目元に見せる効果があります。

目元
治療後の効果
  • 目を開きやすくなる
  • 視野が広がる
  • 黒目が大きく見える
  • 眠たそうな印象がなくなる
  • 目つきが良くなる
  • 目元がすっきりとする
  • 眼精疲労の改善
  • 眼瞼下垂による頭痛や肩こりの緩和
  • 眼瞼下垂の予防

ただし、眼瞼下垂の重症度や治療方法によって効果の現れ方は異なるため、担当医とよく相談してください。

また、治療後の経過も、施術方法や体質、術後の過ごし方などによって異なります。

切開法の場合、傷跡がほぼ目立たなくなり、二重が安定するまでには3〜6か月ほどかかるのが一般的です。

非切開の場合は、2〜3日で腫れが引き、1か月ほど経てば完全に落ち着く傾向です。

傷跡が残らず、ダウンタイムを短縮できるメリットがある非切開法ですが、その分切開法に比べて効果の持続性は低くなります。

また、重度の眼瞼下垂である場合、非切開の手術では十分な効果が見込めない点にも注意が必要です。

まとめ

本記事では、二重手術、目つき矯正と眼瞼下垂手術の違いについて解説しました。

一般的に目つき矯正は、重たいまぶたを解消し、ぱっちりとした目元をつくるための治療法です。

一方、眼瞼下垂手術は、まぶたの開きにくさや視界の狭さ、頭痛、肩こりといった眼瞼下垂の症状改善のみを目的としています。

ただし、クリニックによって解釈は異なり、眼瞼下垂手術を目つき矯正と呼ぶ場合もあります。

目の開きやまぶたの重さを改善したい場合は、治療内容をよく確認して希望に合う方法を選びましょう。

どのような治療法が自分に合っているかわからない方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

目つき矯正と眼瞼下垂の違いでよくある質問

Q
目つき矯正と眼瞼下垂の手術方法は同じですか?

施術方法に大きな違いはありませんが、眼瞼下垂手術は、まぶたの開きを良くし、視界の狭さや頭痛、肩こりなどを改善する目的でおこなわれます。

目つき矯正は「黒目を大きく見せたい」「すっきりとした目元をつくりたい」など、審美的な希望がある方が受ける施術であり、デザイン性を重視しているのが特徴です。

どのような施術を「目つき矯正」と呼ぶかはクリニックによって解釈が異なり、眼瞼下垂=目つき矯正と呼ぶクリニックも多いため、施術内容をカウンセリングで医師によく確認することが重要です。

Q
目つき矯正と眼瞼下垂、どちらが自分に合っているかわかりません。

目の開きや重たいまぶたにお悩みの方は、まずは専門医への受診が第一です。眼瞼痙攣(がんけんけいれん)や眼瞼皮膚弛緩症(がんけんひふちかんしょう)といった偽眼瞼下垂症のほか、内科的・神経内科的なほかの病気が隠れていることもあります。

眼科では眼瞼下垂の原因や、ほかの病気の有無を調べられるため、まずは眼科を受診されることを推奨いたします。

目つき矯正という名称はクリニックごとに解釈が異なるため、名前ではなく、治療内容を確認しましょう。

参考文献

LEE, Min Joung, et al. Frontalis sling operation using silicone rod compared with preserved fascia lata for congenital ptosis: a three-year follow-up study. Ophthalmology, 2009, 116.1: 123-129.

PARK, Dae Hwan, et al. Anthropometry of Asian eyelids by age. Plastic and reconstructive surgery, 2008, 121.4: 1405-1413.

目に関する悩みで困ったら、まずは専門医に相談してみてください。

「目が開けにくくなった」「まぶたが瞳にかかって視界が狭い」「眠そうと言われる」
 そんなお悩み、放っておかずに一度ご相談ください。

当院への眼瞼下垂症手術のご相談は、LINEから簡単にご予約いただけます。
医師または専門スタッフが、あなたの症状に合わせてご案内いたします。

このブログの執筆者
髙田 尚忠
浜松市の高田眼科を拠点に、眼瞼下垂症を中心としたまぶたの診療・手術を専門に行っています。 「見え方(視機能)」と「日常の快適さ」を回復することを第一に、診察では原因(加齢・コンタクト・体質・既往手術など)を丁寧に整理し、必要な治療を分かりやすく説明することを心がけています。 このブログでは、眼瞼下垂の症状、治療選択、術後経過で不安になりやすいポイントなどを、専門医の立場からできるだけ具体的に発信しています。
記事URLをコピーしました