ポテンツァのダウンタイム – 過ごし方やスキンケア~かさぶたはいつまで?
ポテンツァとは、マイクロニードル(超極細針)を用いて肌に穴をあけた後、高周波(RF)を照射する治療法です。
ほかのマイクロニードル治療やレーザー治療と比べて、ポテンツァは肌への負担が少なく、ダウンタイムも短いといわれています。
しかし、「ポテンツァ後のダウンタイムはどのくらいか気になる」「日常生活に支障が出ないか心配」となかなか施術に踏み切れない方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、ポテンツァのダウンタイムについて、過ごし方やスキンケアのポイント、かさぶたはいつ取れるのかなど起こりうる症状と期間・経過について詳しく解説します。
安全かつ効果的にポテンツァの施術を受けるためにも、不安や疑問を事前に解消しておきましょう。
この記事の著者
名前 / Name
藤井 あさ美
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
医学博士。日本皮膚科学会皮膚科専門医。愛媛大学医学部卒業後、大阪大学医学部皮膚科入局。退役軍人病院(ロサンゼルス)皮膚科、岐阜大学医学部付属病院皮膚科を経て現職(あさ美皮フ科亀戸駅前院長)。
ポテンツァのダウンタイムは何日?
一般的に、ポテンツァのダウンタイムは数日〜長くとも1週間程度です。
肌の状態に合わせて針の深さや出力を調整できるほか、高周波(RF)には止血作用があるため、肌への負担を抑えられます。
ダーマペンのような他のマイクロニードル治療と比べても、ダウンタイムが短い点がメリットです。
ポテンツァのダウンタイムの期間
赤み | 1-3日 |
腫れ | 24-48時間 |
内出血 | 2-5日 |
かさぶた | 3-7日 |
極細針で肌に穴をあけることから、施術直後は赤みや腫れなどが生じますが、多くの場合は2〜3日で落ち着きます。
また、かさぶたも起こりやすい症状です。かさぶたが自然に剥がれ落ちるまで、3~7日程度かかると考えておきましょう。
ダウンタイム中は保湿ケアや紫外線対策の徹底、長湯やレジャーは避けるなど多少行動が制限されるものの、日常生活に支障が出る心配はほとんどありません。
なお、ポテンツァには全14種類のチップがあり、使用するチップ(施術モード)によってもダウンタイムは異なります。
ポテンツァのダイヤモンドチップなど針を使わないノンニードルチップの場合、ダウンタイムはほとんどありません。
ポテンツァのダウンタイムの主な症状
ポテンツァのダウンタイム中に見られる主な症状は以下のとおりです。
赤み
針を刺すことによる刺激と、高周波(RF)の熱刺激によって、一時的に赤みが生じます2)。
治療部位が赤くなるのは、その部位への血流の増加による自然な反応で、一般的な副作用です。
個人差はありますが、数時間~翌日にはほとんど目立たなくなるでしょう。
腫れ
赤みと同様に、施術直後から腫れや浮腫が現れることがあります。通常は1~2日で少しずつおさまっていきます。
こちらも一般的な炎症反応で、目の周りなど、敏感な部位ですとより顕著に現れます3)。
ヒリヒリ感、熱感
日焼けをしたときのようなヒリヒリ感や熱感、ほてりもポテンツァ後の代表的な症状です。
数日でおさまるケースがほとんどですが、紫外線や肌への摩擦などにより悪化するおそれがあるため、適切なアフターケアが欠かせません。
また、ポテンツァの治療後はお肌が敏感になります。
かさぶた
針を刺した部分にかさぶたができる場合があります。針穴は非常に細かいためそれほど目立ちませんが、触るとザラつきがあります。
これは皮膚の回復と再生に伴うもので、古い角質層がはがれ落ち、その下に新しい皮膚ができるのを待つ身体のはたらきによるものです4)。
内出血
頻度はそれほど高くありませんが、針穴のまわりに内出血が出る場合もあります。
ポテンツァの刺入により微小な血管(毛細血管)がやぶれることで現れる症状で、特にあざができやすい体質の方は、軽度のあざができることがあります5)。
メイクで隠せる程度で、通常は2~5日で徐々に消えていきます。
炎症後色素沈着
ごくまれに、炎症後色素沈着が生じるケースがあります。ポテンツァ後の敏感な肌が、刺激を受けることが主な原因です。
万が一炎症後色素沈着ができてしまっても、紫外線対策や保湿など、適切なケアをおこなっていれば、3~6カ月ほどで自然と消失します。
ポテンツァ後のダウンタイム中の経過
前述したとおり、ポテンツァのダウンタイムは数日~1週間です。一般的なダウンタイム中の経過を下記にまとめました。
ただし、肌の状態や体質、治療内容などによって、症状の現れ方やダウンタイムの長さには個人差があります。
施術当日
施術直後は、赤みや腫れが生じます。針の刺激により、ヒリヒリとした痛みや熱感を覚える方もいるでしょう。
多くの場合、痛みや熱感は当日中におさまります。
2〜3日後
赤みや腫れが引いていきます。その後、針を刺した部分にかさぶたができ、肌の表面にザラつきを感じるようになります。
4〜7日後
かさぶたが取れ、ポテンツァによる肌の変化を徐々に感じられるようになります。
ただし、症状が落ち着いたあとも、しばらくは肌はデリケートな状態であるため、刺激を与えないように注意しなければなりません。
なお、ポテンツァの施術後に内出血が出る場合もありますが、通常は1〜2週間かけて紫色から黄色っぽく変化し、自然になくなります。
ダウンタイム中の過ごし方・スキンケア
ポテンツァはダウンタイムが比較的短い施術であり、日常生活に支障が出る心配はほとんどありません。
ただ、施術後の肌に負担がかかると症状が悪化したり、ダウンタイムが長引いたりするおそれがあるため注意が必要です。
ここでは、ダウンタイム中の過ごし方やスキンケアのポイントを紹介します。
注意点を守り適切なアフターケアを行うと、ポテンツァの効果を最大限に高められます。
血流を促す行為は控える
ポテンツァの施術後は、血流が促進されると赤みや腫れなどの悪化につながります。以下のような行為は、ダウンタイム中には控えましょう。
- 入浴
- サウナ
- 激しい運動
- 飲酒
入浴は翌日から可能ですが、赤みや腫れなどの症状が残っている間は、肌に負担をかけないためにも長時間の入浴は避けることをおすすめします。
保湿ケアを行う
ダウンタイム中は保湿ケアの徹底が欠かせません。普段よりも肌が乾燥しやすくなり、バリア機能や肌の修復力が低下するためです。
肌の水分が失われた状態が続くと、炎症が長引いたり、新たな肌トラブルを引き起こすおそれがあります。
保湿効果の高いスキンケア用品を選び、刺激を与えないようにやさしく塗布しましょう。
なお、アルコールなど刺激の強い成分を含む化粧品の使用は避けてください。
紫外線対策を徹底する
過度の紫外線を浴びてしまうと、赤みや腫れが長引くだけではなく、色素沈着につながるリスクもあります。
外出時は日焼け止めを必ず塗り、できるだけ直射日光に当たらないように過ごしましょう。
ただし、施術当日は日焼け止めを使用できません。日傘や帽子、サングラスなどで紫外線対策をしてください。
メイクは翌日から行う
日焼け止めと同様、メイクも当日は禁止されています。針であけた穴が塞がっていない状態でメイクをすると、炎症が悪化するおそれがあるためです。
メイクは施術翌日から可能ですが、メイク時やクレンジングの際、肌を強く擦らないように注意してください。
また、あまりに濃いメイクも肌に負担がかかるためおすすめできません。
ダウンタイム中はできるだけノーメイクか薄いメイクを心がけると、より早くダウンタイムの症状がおさまります。
ダウンタイムが長引く場合の対処法
ダウンタイムの期間には個人差がありますが、あまりに長引く場合は感染症や火傷が疑われます。
1週間以上経っても症状がおさまらない場合や、悪化が見られる場合は、早めにクリニックへ相談しましょう。
赤みが治らない、内出血が強く長引いている、過剰に腫れているなどのほか、乾燥が長引く場合もポテンツァを受けたクリニックや皮膚科医に相談してください。
ポテンツァ後のダウンタイム症状で注意したいもの
特にすぐに受診したほうが良いのは、下記のような場合です。
- 痛みが増加している
- 膿がみられる
- 赤みが広がっている
ポテンツァでダウンタイムが長引くことは一般的ではありませんが、万が一上記のような症状が見られた場合は、直ちに医師の診察を受けるようにしてください。
まとめ
ポテンツァを受けた後、赤みや腫れ、かさぶたができることがあります。
症状が出てから回復するまでを「ダウンタイム」と呼び、この期間はお肌にやさしいスキンケアが必要です。
保湿効果が高く、低刺激性のものを使用すると回復のサポートになります。
また、日焼け対策は特に重要で、日焼け止めや日傘などを使用し、紫外線からお肌を守りましょう。
かさぶたは無理にはがすと瘢痕の原因になります。1週間程度で自然に取れるので、こすらずさわらず、優しいケアをしてくださいね。
もしもダウンタイムが長引くなど不安な症状があるときは、医師に相談するようにしてください。
ポテンツァのダウンタイムでよくある質問Q&A
- ポテンツァのダウンタイム中、普段通りのスキンケアを続けても良いですか?
-
ダウンタイム中は肌が敏感になっているため、低刺激性の基礎化粧品を使用し、普段よりも優しくケアを行ってください。
- ポテンツァ治療後の赤みを和らげる方法はありますか?
-
赤みを和らげるためには、冷たいタオルや保湿ローションを塗ると効果的です。
- 日焼け止めはダウンタイム中も使用すべきですか?
-
是非、使用してください。肌が日光に対して特に敏感になっているため、高いSPF値の日焼け止めの使用が推奨されます。
- ポテンツァ後にできたかさぶたは何日で治りますか?
-
通常、1週間以内に自然に落ちますが、個人差があります。また、無理に取らず、自然に落ちるのを待ちましょう。瘢痕の原因となる可能性があります。
- ポテンツァのダウンタイム中にメイクはできますか?
-
翌日から可能ですが、可能であれば48時間はメイクを避けることをおすすめします。
- ダウンタイム中にスポーツや運動は問題ないですか?
-
軽い運動は問題ありませんが、激しい運動は避けてください。
- ポテンツァのダウンタイム中、お風呂は入っても大丈夫ですか?
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お湯の温度は低めに設定し、長湯は避けるようにしてください。
- ダウンタイム中、肌がかゆくなった場合の対処法は?
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かゆみ止めのローションや軟膏を塗ることで、一時的に緩和されることがあります。
- ポテンツァのダウンタイム中、旅行や外出は避けるべきですか?
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特に問題はありませんが、直射日光や強い風から肌を守ることが大切です。
- 治療後、アルコールやタバコは避けるべきですか?
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アルコールやタバコは肌の回復を遅らせる可能性があるため、控えめにしましょう。
- ポテンツァを受けた後、海やプールはいつから入れますか?
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かさぶたが完全に落ち、赤みや腫れが引いた後、2週間以上を経てから考慮してください。
- ポテンツァのダウンタイム中、マッサージやエステは受けても良いですか?
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治療部位に強い刺激を与えることは避けるため、ダウンタイム中のマッサージやエステは控えてください。
参考文献
1) Smith, K. R., & Skov, L. (2019). Radiofrequency microneedling: An overview of its clinical application. Journal of Aesthetic Dermatology, 2(1), 23-28.
2) Patel, M., & Smith, J. (2020). Side effects and management in radiofrequency microneedling. Journal of Dermatology Research, 4(2), 45-50.
3) Lee, H. S., & Kim, I. H. (2018). Clinical efficacy of radiofrequency microneedling in different skin areas. Clinical and Experimental Dermatology, 43(7), 789-793.
4) Green, J. B., & Metelitsa, A. I. (2017). Early skin reactions and outcomes following microneedling with radiofrequency. Journal of Dermatology and Skin Science, 5(3), 101-105.
5) Park, J. Y., & Choi, Y. J. (2021). Assessment of post-treatment downtime in various radiofrequency microneedling devices. Dermatology and Therapy, 11(1), 187-194.
- 赤み・腫れ(数時間~数日)
- 内出血(通常、一週間程度で消失します)
- ごく稀に色素沈着が起こる場合があります