3.効果的な眼瞼下垂予防トレーニング

眼瞼挙筋腱膜に損傷がない場合の眼瞼下垂症の原因として、瞼を上げる筋肉の主役である眼瞼挙筋の筋力の衰えが考えられます。
眼瞼挙筋が衰えると、前頭筋(額の筋肉)を使うようになり、ますます眼瞼挙筋が使われなくなり、退化してしまいます。
一流の体力を持った宇宙飛行士が長らく宇宙に滞在して地球に戻ると、筋力が落ちてしまうのと同様に、眼瞼挙筋も使わなくなると、段々と筋肉が衰えてしまい筋力が落ちてしまうと考えられます。
これは、医学的には、廃用症候群と呼ばれる状態です。
実際に、高齢の方の手術を行うと分かるのですが、眼瞼下垂が発症して長期間経っていると、キチンと使ってないことで眼瞼挙筋が萎縮し筋力が低下してます。
その場合、眼瞼下垂手術を行っても、眼瞼挙筋腱膜と瞼板の接合を修復しても瞼が上がりにくいことがあります。
このような状態を挙筋機能の低下と言います。
挙筋機能が低下してしまうと、将来、眼瞼下垂手術を行って、眼瞼挙筋腱膜の位置を修正したとしても、開瞼が悪く、手術が上手くいかなくなります。
「廃用症候群」とは、病気やケガなどで身体を動かせない状態が続き、過度の安静や日常生活の不活発に伴って生じる身体的・精神的諸症状の総称です。
すなわち、身体を過度に動かさないこと(不動immoblization、低運動inactivity、臥床bedrestなど)により生じる二次的障害と言えます。
重力に抵抗して働く筋肉(抗重力筋)に強く起こりやすいとされます。
最大筋力の20%未満の活動では筋萎縮や筋力低下が起こりやすいとされています。眼瞼挙筋も抗重力筋の一つと考えて差し支えありません。
したがって、普段から、前頭筋に頼らない瞼の挙上を行うことが非常に大事となります。
そこで、眼瞼挙筋の筋力をトレーニングを普段から取り入れられると眼瞼下垂の予防につながります。
