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眼瞼下垂手術後のトラブルで失敗・後悔しないために、「必ず!!」知っておくべきこと

2021-4-13 記事内容を更新

当日眼瞼下垂症手術

眼瞼下垂症は、以前は余り知られていないマイナーな疾患でした。

様々なテレビなどで特集されたりすることで、世間で認知されるようになり、時間が経つにつれて、手術を受けられる方が日々増えている実感があります。

さて、日本において、果たして、どれぐらい多くの方が手術を受けられているのでしょうか??

そこで、政府統計データをみてみると、2019年の保険診療において眼瞼下垂症手術は、概ね10,000件が行われているようです。

眼瞼挙筋前転法:7,358件
筋膜移植法:70件
その他の手術法:3,204件

(社会医療診療行為別統計(旧:社会医療診療行為別調査) 2019年の調査)

結果として、片眼だけの手術をされる方もいらっしゃるとは思いますが・・・

それを無視して、両眼手術を受けられたとしても、概ね5,000人以上の方が日本では、毎年手術を受けられていることとなります。

一方で、保険外手術(自由診療手術)、いわゆる美容外科手術として、二重埋没法や二重切開手術として眼瞼手術(大半が切開をしない埋没法だと思われますが・・・)を受けられる方は、正確に統計を取ることはできませんが、少なくとも年間10万人以上と言われております。

 そんなメジャーになりつつある眼瞼下垂症の手術ですが、実際手術を受けるにあたっての注意点の情報が少ないように思います。

そこでこのコラムでは、眼瞼下垂の手術時の痛みや、術後のリスクについて、そして術後にどのようにすれば快適に過ごせるかを解説します。

眼瞼下垂の手術を受けたいと思われている方は、参考になさってください。

患者さんが眼瞼下垂手術を受ける前において知っておくべきこと

目次

眼瞼下垂症手術を受けると、どんな経過・変化が予想されるの?

眼瞼下垂手術の第一の目的は、まぶたの開きを改善することであり、視機能を改善することにありますが、審美的な要素に配慮しつつも、機能を回復させることが非常に重要だと考えます。

よく保険診療の眼瞼下垂手術では仕上がりを全く無視するので、不自然で汚くなると脅して、高額な自費診療手術を勧める美容外科・形成外科がありますが、少なくとも、高田眼科を含めて保険診療主体の眼瞼下垂症専門クリニックではそんなことはありません。

それでも、眼瞼下垂手術は、繊細な目の一部を変化させる手術ですので、様々な術後の変化が起こります。

手術後に不都合なことが起こったとしても慌てないように患者さま側には覚悟が必要で、そして、我々手術する側からは配慮が必要です。

例えば、眼瞼下垂手術は瞼を開きやすくする手術という言い方ができる一方で、逆説的には、瞼を閉じにくくする手術だという言い方もできます。

高田眼科(ひとみ眼科)では、初めから、眼瞼下垂手術とは目が必ず閉じにくくなる手術だと説明をさせて頂いております。

ただ、必ず、閉じなくなるのではなく、閉じにくくなるということですので、誤解ないようにお願いいたします。

そして、目が閉じにくくことによって起こる弊害というのが、特に気をつけなければならないことだと考えますが、それ以外にも、広く知られていない多くの要素があります。

眼瞼下垂手術を一旦、受けると手術前の状態には戻すことはできません。

それが眼瞼下垂手術の最大の気をつけるべきことです。

したがって、眼瞼下垂手術を受けるにあたって、術後に後悔されないように、手術前に理解すべきこと(もしくは、手術後に不安に思った際に確認すべきこと)を述べさせていただきたいと思います。

眼瞼下垂症手術後のデザインの崩れ

 眼瞼下垂症は、視野を広げるという機能的な改善を目的となりますが、やはり、顔の手術となりますので、術後のデザイン、つまりは審美的な要素も非常に大事になります。

高田眼科では、術中のデザイン設定が、最終的な手術後のデザインにリンクすることしか、基準の取りようが無いと考えております。

つまり、手術中に完成できた手術中のデザインが術後の腫れ等が落ち着いた状態に近いと考えることです。

当然、手術に不慣れだったりして適当で雑な手術手技を行っていると、この法則通りにはいきません。

そのため、高田眼科では、術中のデザインが、最大限手術の結果にマッチしたシュミレーションとなるように工夫を重ねております。

眼瞼下垂症手術では、瞼を上げやすくなる改善効果出ることに問題があることは普通なく、術後の左右差が問題になることの方が多いと言えます。

以下の記事で詳しく説明をしておりますので参照してみてください。

眼瞼下垂症の左右差の失敗を防ぐ工夫のタイトル画像
眼瞼下垂症手術で左右差の失敗がないようにするために、高田眼科がこだわってること。

 先ほど、術中に確定させてデザインが、最終的な瞼の完成形になるという考え方をご提示しました。

そうであるにもかかわらず、残念ながら、手術中に眼の開きの左右差がなく、適切な形であったにもかかわらず、術後に左右差が出てしまったり、三角目になったりしていることが僅かながらあります。

そこで、手術の結果に、デザイン的な問題が出た場合には、どのように対応するべきなのか?についての考え方をお示ししたいと思います。

通常、明らかな過矯正の場合には、手術後可及的速かに行います。

少しの低矯正や瞼の歪みやボリュームの問題であれば、落ち着くのを待ってから3ヶ月以降に修正手術を行うことになります。

なぜ、再手術に踏み切る時期が異なるのかを説明していきたいと思います。

 

明らかな過矯正の場合

過矯正の場合には、早めの修正が肝要となります。理由としては、術後時間が経ってしまった場合の過矯正を修正する場合には、過矯正の原因となっている瘢痕組織を全て外す必要があります。

瘢痕組織を完全に取り除くことは、実は、非常に難しいがために、時間が経ってしまった過矯正修正手術の成功率が著しく下がる要素となります。

したがって、過矯正の場合には、瘢痕形成が起こる前に、出来るだけ早期に修正手術を行う方が成功率が高くなると言えます。

再手術は過矯正であっても、傷口が落ち着くのを待って、半年以上待ってから行うと説明されている医療機関がありますが・・・高田眼科としては、それは間違ったことだと考えております。

高田眼科でも、ほとんど滅多に無いのですが、手術翌日に修正を行うこともありますし、過矯正の有無の確認が、翌日の手術後診察を行う理由の一つともなります。

 

少しの低矯正や瞼の歪みやボリュームの問題

逆に、低矯正(弱矯正)の場合には、瘢痕組織の除去の必要性がそこまでない上に、また、術後の腫れなどの影響で、一時的に瞼が下がっていることもあるため、術後の炎症が落ち着くまで待つ方が無難だと言えます。

また、二重の幅が広いケース、術後の瞼の腫れぼったさが強いケースなども、単純に腫れていることで起こっていることが多いので、待つことが最適解だと考えます。

 

再手術の判断についてのまとめ

結論として、過矯正が確定したのであれば、可及的に速やかに、低矯正の場合には、経過をしっかり追ってから(術後3ヶ月後が目安)、再手術を行うことになります。

再手術になってしまうことは、非常に残念なことで、可能な限り避けなければならない事象です。

高田眼科でも、術前説明、カウンセリングで、必ず説明するようにしているのが、再手術のリスクについてのお話です。

どんなに素晴らしい腕を持つ眼形成外科医の名医でも、再手術(リオぺ)のリスクは、避けられません。

再手術になったら、失敗という結論になるという考え方をしがちですが、再手術を行うことで、リカバリーさえ出来れば、一連の手術として、上手くいったと考える事も出来るのではないでしょうか?

したがって、自院のやり直し手術が難しくならないように、初回手術から配慮した手術をしておくことが非常に大事だとも考えてます。

具体的には、瘢痕を出来るだけ作らないように、瘢痕組織が問題を起こさないようにすることが重要となります。

そのためにも、手術方法は、眼瞼挙筋前転術が前提であり、加えるなら、高周波メスを使用したり、瞼板固定の埋没糸を工夫したり、手術操作が最小になるように手術時間を短くなるように工夫したりを積み重ねているのが高田眼科の眼瞼下垂手術です。

眼瞼下垂手術の名医とは、常に最悪の状況(再手術)に備えて、最大限の備えをしているところだと思っております。

眼瞼下垂症術後の二重デザインの問題

高田眼科は、二重の幅については、通常、保険診療で行う場合には、ご本人のご希望を反映することは行っておりません。

例えば、高田眼科(ひとみ眼科)での保険診療手術における二重幅は、あくまで、当院が自然であるという二重幅を基準としており、明確な幅をお示ししておりません。

言葉で表現すると、やや狭目の二重幅になると思っていただくと良いかと思います。

保険診療は、二重幅を作る手術ではなく、あくまで眼瞼下垂症の治療で行うものです。

実は、日本人においては、広すぎる二重は問題になりやすいと言えます。

他院修正手術を含めて、尋常ではないぐらいの眼瞼下垂症手術を手がけてきた経験上、二重幅は広ければ広いほど、不自然さが出てくると考えております。

つまり、もともと、欧米人とは違い、日本人は一重瞼の方が多いですので、狭ければ狭いほど問題になりにくい、つまり自然な状態に見られやすいからです。

ただし、日本人の中にも、欧米人に似た作りの方もいらっしゃいますので、その場合には、少し広めの二重にした方が良い場合もあり、注意が必要です。

そういった意味で、私どもの自然だという認識と、手術を受けられた患者様の自然さとの認識に齟齬(そご)が生じることがあり得ますので、ご注意ください。

二重の幅などを含めて仕上がりの結果に関しては、術前に保証するものではなく、あくまで、手術中に仕上がったときにご本人(可能であれば家族にも)に実際に確認していただくことで担保しております。

つまり、軽度の眼瞼下垂(もしくは、眼瞼下垂ですらないケース)の場合、美容目的として、眼瞼下垂手術を受けに来られる方がいらっしゃいます。

そうしたケースは、審美的なご希望が強く、ご自身が希望するデザインになることを希望されることが多いとも言えます。

切開線の位置だけでなく、皮膚の伸展性や余剰量、二重の癒着の深さ、眉毛の高さの変化や目の開きに伴う眼瞼挙筋の二重の引き込み具合といった多くの要素が複雑に絡みあって、二重の幅は決まってきます。

そのため、これらの複数の要素の1つでも左右にズレが生じますと、術中にデザインした形に予定した通りの二重の幅にならないことも多くあります。

したがって、術前に、二重幅をどの程度のものにするのか?というゴールを設定されてしまうと、術中に、複数の要素の微調整の対応が必要となり、手術の難易度が飛躍的に高くなってしまいます。

そういうこともあり、保険診療での眼瞼下垂症手術では、希望の二重に合わせることは行わないことを前提に手術を行う形になります。

逆に、手術の流れで二重を作ることで、術中の余計な調整作業がなくなりますので、見た目が不自然になる可能性が減り、その瞼にあった自然な二重になると考えることができます。

高田眼科は、高品質の結果を求めた眼瞼下垂症手術を行うことを目標に、日々研究してきました。

高品質であるためには、①そもそもが完成度が低い ②結果がバラついている の可能性を如何に減らすか?だと考えております。

つまり、高田眼科では、眼瞼下垂症手術にオリジナルの基準のレシピを作ることで、絶えず、同じような結果が出るようにコントロールしているイメージです。

例えていうならば、お菓子作りのコツが、常に、レシピ通りに作ることと似ております。

具体的には、皮膚切開線、皮膚切除量、眼輪筋の削り方、眼窩脂肪の除去の有無、挙筋腱膜の前転固定の位置など・・・を決めているわけです。

ここで、眼瞼下垂手術で、問題となる二重トラブルについて、まとめたいと思います。

予定外重瞼線 二重のラインが三重になる・元のラインが出現する・切開線とは違う場所にラインが出来る可能性があります。皮膚切除が過少の場合に発生しやすいと考えます。
目頭側・目尻側のラインが二股になる 目頭・目尻側のラインが二股に分かれ、綺麗な一本のラインにならないことがあります。創部、つまり傷跡が硬い時の起こることがあります。
ラインが浅い 切開線の傷口とまぶたの筋肉の癒着組織が剥がれて弱くなりますと、ラインの食い込みが浅くなってしまいます。術後に傷を傷を触ったり、引っ張ったりしていることで起こることが多いと言えます。
二重のラインが短い 二重の幅を広くしたり、タルミを切り取ったりしますと、二重の上に被さる皮膚が少なくなりますので、二重の折れ込みが浅くなり、目頭や目尻の二重の長さが短くなる。
キズアトが気になる 切開した傷が凹んだり、傷が一直線ではなく細かくジグザグになったりすることがあります。治癒過程で傷口がに開いた場合に起こりやすいです。
二重の食い込みが深すぎる 切開法で作った二重のラインは、ラインが消えないように傷口をしっかり溝になるように縫合し、癒着を作くるため、術後早期では食い込みが深くなります。4~6ヶ月経過してむくみが落ち着き、傷跡がやわらかくなりますと、通常、食い込みは浅くなってきます。
二重幅が広すぎる 二重を規定する切開線の位置の設定が広すぎており、また、皮膚切除量が多いとなりやすいと言えます言えます。

このように、眼瞼下垂手術による二重の形に関するトラブルは、意外に多岐にわたります。

実は、二重幅を狭めに設定することで、上記のような二重トラブルになる可能性を減らし、かつ、なったとしてもリカバリーをしやすく出来ると言えます。

その理由を説明をしますと、先ず、二重トラブルの原因の大部分が、皮膚の切除量、切開線の設定値、二重を作るための癒着縫合の問題となります。

この中で、一番どうしようもなくなるのが、皮膚の取り過ぎです。

二重幅を広くしようとすると、通常、皮膚切除を多めにしなければなりません。

したがって、二重幅を狭くすると言うことは、皮膚の切除量を少なくすると言うことと同じですので、術後トラブルが起きた際に、余剰皮膚を取るだけと言う意味で、リカバリーがやりやすいと言うことができます。

片眼だけの眼瞼下垂手術後の変化

眼瞼下垂症の手術デザインについてのタイトル画像
片眼のみの眼瞼下垂手術の失敗要因:ヘリング現象

先の項の話とも被るのですが、眼瞼下垂症は術前から左右差があることも一般的にです

片方が正常な開き方をしていて手術が必要ないということで、下がっている方の眼瞼だけを手術欲しいというご希望を頂くのですが・・・

その判断には、大きな落とし穴があるので、注意が必要です。

実は、片方の下がっている瞼(まぶた)に手術を行い、片方だけ瞼を開けやすくしたら、反対側の手術を行っていない方の瞼(まぶた)が手術前より下がることがあります。

この現象をは、ヘリング現象と呼ばれております。

このヘリング現象を考えると、手術前に左右差がある両側の眼瞼下垂では両側同時に手術を行った方が無難だと説明をしております。

その理由を説明させていただくと、瞼下垂みに対する治療では、手術前では、治療する方だけでなく、治療しない側瞼挙筋と前頭筋も、無意識に過度に収縮して、本来位置よりもまぶたを高くあげています。

そして、例えば、手術により、瞼下垂まぶた(右目)が正常化すると、反対側まぶた(左目)が本来位置まで下がると考えられます。

これが、先に述べたヘリング現象であり、結局、ヘリング現象で下がってしまった左目手術を後から追加するケースがあります。

そして、今度は、左目手術を追加すると、先に行った右目瞼下垂症状態に少し戻ってしまい、左右調整が難しくなるというわけです。

高田眼科(ひとみ眼科)の手術では、術中において、このヘリング現象の変化を確認しながら、慎重に左右差が無いように調整に、調整を重ねて瞼の高さを整えております。

そのことが、再手術のリスクを最大限減らす考え方、つまりは、成功率を上げることに繋がると考えております。

麻酔による眼瞼下垂症手術への影響

さらに、眼瞼下垂症手術において、左右差が出てしまう原因にはいくつかありますが、大きなもとして麻酔という要素があります。

麻酔のお陰で、痛みを無くすことはできるですが、結果として、瞼が液体を注入した分膨らんでしまいます。

(もちろん、針による内出血によるボリューム変化も無視はできません。)

麻酔液で膨らめば、ボリュームが増えますで、そ分、デザインがズレ易くなってしまいます。

さらに、麻酔には、筋肉動きを麻痺させる作用があります。したがって、麻酔をかけるとそ分、上がりづらくなります。

結果として、術中に左右差を見ても、手術場合ですと、麻酔を行っていない瞼と比較しても、参考にはならないため合わせが難しいと言えます。

両眼同時手術だったとしても同様のことが言えますので、高田科(ひとみ科)手術では、麻酔使用量は2cc程度とかなり少なくするように努力しております。

麻酔が少ないということは、麻酔効きが浅くなるとも言え、麻酔がすぐに覚めて易いとも言えますので、手術時間を短くしないと、結果的に追加麻酔をすることになります。

したがって、左右差を少なくするには、基本的には、同時手術をすることが最低限、必要条件だと思っております。

そして、両眼同時の眼瞼下垂手術においても、麻酔の左右差に気をつけているのは、言うまでもありません。

しかしながら、高田眼科(ひとみ眼科)では、柔軟な対応を心がけるようにしておりますので、ご本人から強く希望されれば、片眼の手術をお受けするようにしております。

ただ、片手術を行う場合には、どうしても左右差が起こる可能性が高いことを十分に承知して頂いて、手術に臨んで頂ければと思います。

術後の視力の変化

眼瞼下垂後の視力変化・角膜形状変化

 コンタクトレンズ、特にハードコンタクトレンズを外した直後に、眼鏡をかけたら、なんだか、見え方がボヤけたという経験はないでしょうか?

角膜というのは、透明なドーム状の形をしておりますので、実は、眼球において、非常に重要なレンズだと言えます。

その形が変わることにより、眼球自体の屈折の状態、つまりは、度数が変化します。

つまり、コンタクトレンズの圧迫により、一時的に角膜浮腫(むくみ)が起こるために,角膜の厚さ,角膜の曲率半径などの角膜の形が変化し、屈折状態が一時的に変化することをスペクタクルブラー現象と呼んでおります。

コンタクトレンズ装用者に対する眼鏡処方を行う際に、裸眼の状態で過ごしていただいて、スペクタクルブラー現象の影響を無くしてから眼鏡処方を行わなければなりません。

通常、スペクタクルブラー現象は、数十分〜数時間でなくなり、角膜の形は、元の状態に戻ります。

同じようなことは、眼瞼下垂症手術においても、角膜の形状変化というのは、考慮に入ればければならない要素だったりします。

瞼が角膜を抑える力を眼瞼圧(がんけんあつ)というのですが、眼瞼下垂手術を行うと、この眼瞼圧が変化することで、角膜の形が術前と変化する可能性があります。

近視・乱視などの眼の屈折状態が変化して、見えやすくなることもあれば、逆に、見にくくなることがあります。

しかしながら、眼瞼圧による視力の変化は、多くの眼瞼下垂手術を執刀してきた経験上、個人的には非常に少ないと考えております。

むしろ、コンタクトレンズ装用者が腱膜性眼瞼下垂になることが多いこともあり、コンタクトレンズ装用者が眼瞼下垂手術を受けると、暫くコンタクトレンズを付けられない期間が続くことになります。

結果として、コンタクトレンズの中断によって角膜の形に強く影響を及ぼしていたコンタクトレンズの圧迫の要素がなくなり、スペクタクルブラー現象がおこり、見え方が変わる可能性もあります。

眼瞼下垂症手術による眼瞼圧の変化による視力の変化ではなく、単純なコンタクトレンズによるスペクタクルブラー現象である可能性が強いです。

ただ、眼瞼下垂症を受けた方の中には、術後の視力変化を訴える患者さんが多いのは事実です。

しかしながら、眼瞼下垂症手術は、瞼を対象とした手術であって、眼球を手術するわけではないことから、術後に視力が大きく落ちると考えることはないと考えております。

視力が落ちたとしても、一過性であると言えます。

また、眼瞼下垂症手術後には、傷口に眼軟膏を塗布する形になるのですが、その眼軟膏が目の中にも入ってしまい、眼表面に軟膏成分による油膜が張ってしまうことで、ボヤけてしまい、視力低下を訴える方が多いので注意が必要です。

抜糸した後には、軟膏も中止できるので改善が見込めるので、問題がありません。

さて、白内障手術やレーシック手術などの屈折手術と眼瞼下垂手術を予定している場合、眼瞼下垂手術をまず先に行うべきなのか? それとも、屈折手術を先に行うべきなのか?の問題があります。

この疑問の答えについては、先に、屈折手術を行ってしまうと、眼瞼下垂症手術によって、視力が変わってしまうので、先に眼瞼下垂症手術を行うべきだという意見もあります。

しかしながら、白内障手術やレーシック手術などの屈折手術に限らず、眼科の手術の多くは、手術中に目をつぶってしまわないように開瞼器という手術器具を使用します。

ただ、無理な開瞼器の使用により、眼瞼挙筋腱膜を傷つけてしまい、術後眼瞼下垂症を引き起こす可能性があります。

したがって、先に、屈折手術を行った方が良いと言える一面も一概に、どちらを先にやった方が良いのかは答えがありません。

術後のドライアイについて

眼瞼下垂後のドライアイに対する点眼

 眼瞼下垂の手術を行うと、眼が大きく開くことで、空気にさらされる面積が増えるので、涙が蒸発しやすくなり、また、涙を排出するポンプ機能も改善されるため、眼がドライアイ気味になります。

また、角膜の上、一面に涙が広がっているのですが、これもレンズの役割をいたします。

涙液レンズと呼ばれるのですが、この涙液レンズの変化も、眼瞼下垂症手術後のドライアイによって引き起こされるので、そのことによっても、術後の視力変化が起こる可能性があります。

高田眼科の場合、術後しばらく、点眼を行っていただければ、手術後3か月ぐらいで点眼が必要なくなるぐらいに改善してきます。

したがって、術後ドライアイによる視力変化も、また、一過性とも言えますので、安心してください。

最近、ミュラー筋タッキングよりも、眼瞼挙筋腱膜前転法の術後の方が、重度の術後ドライアイになりやすいという臨床眼科学会で発表されていました。

眼瞼挙筋前転法をメインで行っている高田眼科の考え方としては、眼瞼挙筋腱膜の折り畳んで、瞼板に固定させる際に、瞼板を歪めてしまう固定方法を行っている医療施設が多く、この瞼板の歪みが、ドライアイの原因になっていると考えております。

瞬目(まばたき)というのは、角膜の表面にまんべんなく涙液を行き渡らせる動作となります。

その際に、柔軟性のある瞼板が角膜の表面に添うように働くわけですが、瞼板軟骨に無理な歪みがあると、角膜と瞼板に隙間が出来てしまい、涙液のムラが出来てしまいます。

瞼板に糸を固定する際には、十分に配慮して糸を通さないと、ドライアイの原因となるわけです。

実は、高田眼科で行っている特殊な前転固定方法であれば、そういった瞼板の歪みが起こりにくいと考えます。

実際に、高田眼科で手術を受けられた方のほとんどが、術後早期のドライアイの自覚はあったとしても、数ヶ月後には改善していることが殆どだと考えております

眼瞼下垂の手術を受けてから、目が閉じにくい、完全に閉じない

目が閉じなくなることを兎眼(とがん)と呼びます。

眼瞼下垂症手術を受けると、必ず、出現する症状と考えて手術を行っております。

つまり、「まぶたが閉じない」と言われることは、術後早期においては、大部分の患者様から聞かれる状態であり、当院としては、想定の範囲内だと考えております。

眼瞼下垂症は、目を開きやすくする手術なのですが、言い換えれば、目を閉じにくくする手術だと言えます。

したがって、手術後、腫れや目の開きが良くなることにより、目が完全に閉じない時期がでることは、当然のことであり、問題がないことが多いと言えます。

また、先の項で説明したように、術後ドライアイなどにより角膜への障害が起きることがあります。

さらに説明すると、瞼の閉眼は、無意識で行っている動作でもあるので、一旦、手術で開きやすくすると、どうしても閉じにくくなるのは、致し方がないとも言えます。

これは、海外旅行で、時差のある場所に行って起こる「時差ぼけ」と同じようなもので、手術後の状態に慣れて閉じるようになるまでは、時間が必要となります。

とくに、より無意識の状態となる睡眠時に目を開けた状態になるとも言えます。

特に、術前の眼瞼挙筋機能が少ない方の場合、目の開きを良くするために、眼瞼挙筋腱膜の前転固定を強くせざるを得ないため、起こることが多いので、注意が必要です。

先天性眼瞼下垂症、腱膜性眼瞼下垂症でも挙筋が萎縮している高齢者の方など眼瞼挙筋機能が少ないケースでは、眼輪筋も弱いため起こりやすいと言えます。

眼瞼挙筋は、なかなか鍛えるのが難しいのですが、眼輪筋は、眼瞼挙筋に比べて、大きい筋肉なので、比較的鍛えるのが容易な筋肉で、術後、時間が経つことで、閉じ方が改善すると考えます。

ただし、明らかな過矯正の場合には、早期の修正手術を考慮しなければなりませんので、その点は、執刀した医師の診断が必要となると考えます。

また、眼瞼下垂症は、身体の可動部の手術でもあります。

したがって、可動部の手術を行った場合には、動きが滑らかになるまで、リハビリ期間が必要だと考えていただいても宜しいかと思います。

人は、1日に20000回の瞬目(まばたき)をしており、この自然な瞬目(まばたき)がリハビリメニューだと考えております。

そういった観点から、眼瞼下垂症が終わって、3ヶ月〜6ヶ月程度の期間にリハビリ期間が必要となると考えます。

また、普段、力を抜いているときは、問題ない開き具合なのに、ふとした瞬間に、思ったよりも目が大きく開き過ぎると言われることがあります。

つまり、手術前と同じように目を開いた時に、黒目の上の白目が見えてしまう状態(上三白眼)、ビックリしたような目になります。

3~6ヶ月程度を経過してくると、強くなった目の開きを調整するようになり、上三白眼は目立たなくなります。

手術後に眉が下がってきて皮取りの手術を追加しなくてはらないことがあります。

 後天性眼瞼下垂症は、初期においては、自覚症状が出にくい疾患です。

それは、加齢性の変化によって、眼瞼挙筋腱膜が外れたり、緩んだりするのは、ある時に突然に一気に進むものではなく、徐々に進んでいくからです。

加えて、ある程度、眼瞼下垂症が進んだとしても、額の筋肉(前頭筋)がカバーしてくれることによって、軽い眼瞼下垂症であれば、一見隠れた状態になります。

そういった代償がある場合の見極めは、眉を挙げて、目を開いているか?どうか?で判断は容易に付きます。

眼瞼下垂症の診断において、隠れ眼瞼下垂とも言うべき代償期の眼瞼下垂症が問題になることが多いと言えます。

以下の記事で詳しく説明をしておりますので参照してみてください。

 そして、この前頭筋のカバー能力が限界を超えて、初めて、眼瞼下垂症を決定づける症状である視野の狭窄を自覚すると考えて差し支えはありません。

したがって、このような状況で、手術を行うことで眼瞼下垂症が改善すると、前頭筋によるバックアップの必要が無くなるわけで、前頭筋の緊張が弛みます。

そうなると、当然、眉は下がるわけで、手術前にはなかった皮膚も余剰が新たに生まれるわけです。

術後に、手術をしたのに関わらず、皮膚が被ってきたりして奥二重になったり、予定外重瞼線、俗にいう術後の三重瞼は、この皮膚の余りが原因だったりします。

前頭筋の弛みは、手術中に出ることが殆どなのですが、術後、暫くしてから、徐々に出ることもありますし、また、逆に、前頭筋の緊張が残ったままの場合もあるので、注意が必要です。

したがって、前頭筋による代償の影響を無くすためにも、筋肉の力を強制的に緩めることができるボトックスを眼瞼下垂症手術前に注射することが勧めらられるとも言えます。

また、眼瞼下垂手術を行ったところ、目を見開き過ぎている過矯正にみえる状態になってしまった方において、手術後にボトックスを同じように注射すると、無意識に目を見開く癖を無くすことができるので、オススメします。

眼瞼下垂手術後の神経感覚の異常

眼瞼下垂手術後の感覚異常のタイトル画像

 眼瞼下垂症手術後に手術を受けられた方から、よく質問を受けるのは、手術した部分の感覚が無いこと、傷口のツッパリを感じることについてのことです。

眼瞼下垂症において、特に、日本人は、欧米人と違って皮膚の余剰が多いことが特徴だと言えます。

日本人、とりわけ老人性の眼瞼下垂手術においては、皮膚切除が必須とも言えるわけです。

皮膚切除をすると、どうしても皮膚の表面の知覚感覚を司る末梢神経を傷つけることは防ぎようがありません。

この末梢神経の損傷によって、眼瞼下垂症手術後は、暫くの間、瞼の触覚がなくなり、少し痺れた感じになります。

それでも、深部感覚は残るので、傷口のツッパリ感は残ります。

概ね3ヶ月〜6ヶ月ほどで、末梢神経は治癒するので、感覚の異常は無くなっていきます。

手術後に自律神経の不調を訴える方もおられます。

中には、原因不明の傷口の痛みを訴えられる方もいらっしゃいます。

この場合には、神経痛用の痛み止めや抗不安薬などの内服で対処します。

眼瞼下垂手術で、全ての肩こり・頭痛などの不定愁訴がなおるわけではない

 例えば、眼瞼下垂症手術を勧めるホームページをご覧になると、必ず書かれている文句・・・手術をすると、肩こりが治る!!頭痛が治る!!眼精疲労が治る!!

確かに、眼瞼下垂症手術を受けると、多くの場合で頭痛や肩こりは改善しますが、そうでないこともあります。

それは、全ての疾患の要素は、単一の要因によって成り立っているものもあれば、複合的な要因によって成り立っているものもあるからです。

わかりやすく言えば、たしかに、眼瞼下垂症を治療することで治る肩こりもあります。

しかしながら、肩こりの原因は数十種類もあって、人によって様々なのです。

特に、「同じ姿勢、眼精疲労、運動不足、ストレス」によるもので、4大原因とされております。

また最近は、肩こりと血圧との関連性も言われており、従来は低血圧など血行不良の方に肩こりが多いとされていたのですが、逆に、高血圧の方にも多く見られます。

このように肩こりを一つとっても、原因は様々で、対処法も異なってきます。

まとめ

まとめの画像

 今回の記事は、如何だったでしょうか?

眼瞼下垂症は、眼科学的にも、もちろん、医学的にも一刻の猶予も争うような緊急性のある疾患ではありません。

また、眼瞼下垂症手術は、どんな名医が手術したとしても、大変難しい手術です。

審美的な要素と機能的な要素という二つの尺度で合格点を出さなければなりません。もちろん、両眼のバランスも当然のことです。

高田眼科でも、他院修正や眼瞼挙筋機能のない先天性眼瞼下垂のケースを除いて、通常の後天性眼瞼下垂症であれば、概ね3ヶ月経った時点で再手術のリスクは、5%程度だとご説明さえていただいております。

専門なので、他医療機関様のHPを拝見することが多いのですが、HPは宣伝目的の要素がどうしてもございます。

眼瞼下垂症を手術で治せば、ハッピーになれるというニュアンスにしてしまいがちです。

術前の説明が足らず、手術を受けられる患者様のご理解が不足された状態で、手術を行ってしまうと、術後に様々なトラブル的な症状について、質問の嵐を受けてしまうような状況になります。

今回のブログ記事は、出来るだけ、眼瞼下垂症手術の術後において考えられる要素を網羅して書かせていただいたつもりです。

(もちろん、書ききれなかった事柄についても、どんどん加筆をしていくつもりです・・・)

大抵のトラブルは、術後の腫れに伴うものなので、ある程度のダウンタイムを経過すれば、消失するものなのですが、先に述べさせていただいたように、不幸ながら再手術になります。

私個人のスタンスとしては、後出しをせず、先出しの説明を心がけていれば、初回手術で上手くいかず、再手術になったとしても、きちんと説明・リカバリー出来れば、信用・信頼を失うことは少ないと考えております。

したがって、高田眼科では、懇切、丁寧な術前カウンセリングに力を入れると同時に、遠方の方でなければ、出来るだけ、細かく通っていただいて、術後の管理をしっかり行うようにしております。

遠方の方でも、メール、LINEチャットシステムなどでIT技術使って、遠隔でも、最大限対応できるようにしております。

もちろん、手術の成功率を上げる努力を欠かさないようにし、最高の眼瞼下垂症手術がご提供できるように頑張っていきたいと思っております。

執筆した医師

高田眼科 院長 |ひとみ眼科 眼瞼手術担当医師
高田 尚忠(たかだ なおただ)
所属学会:日本眼科学会、日本形成外科学会、日本眼形成再建外科学会
岡山大学医学部卒業後、横浜形成外科の二木 裕 先生を師事。 郡山医療生活協同組合 桑野協立病院などの様々な医療機関を勤務し、 現在は高田眼科の院長を務める。 眼科医と形成外科医の知識と、これまでの豊富な眼瞼手術の術者としての経験をもとに、眼瞼下垂症手術を年間1000件を超える国内有数の眼瞼下垂症手術を手がけております。

執筆した医師
高田 尚忠

高田眼科 院長
ひとみ眼科 眼瞼手術顧問
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