先ほど、術中に確定させてデザインが、最終的な瞼の完成形になるという考え方をご提示しました。
そうであるにもかかわらず、残念ながら、手術中に眼の開きの左右差がなく、適切な形であったにもかかわらず、術後に左右差が出てしまったり、三角目になったりしていることが僅かながらあります。
そこで、手術の結果に、デザイン的な問題が出た場合には、どのように対応するべきなのか?についての考え方をお示ししたいと思います。
通常、明らかな過矯正の場合には、手術後可及的速かに行います。
少しの低矯正や瞼の歪みやボリュームの問題であれば、落ち着くのを待ってから3ヶ月以降に修正手術を行うことになります。
なぜ、再手術に踏み切る時期が異なるのかを説明していきたいと思います。
明らかな過矯正の場合
過矯正の場合には、早めの修正が肝要となります。理由としては、術後時間が経ってしまった場合の過矯正を修正する場合には、過矯正の原因となっている瘢痕組織を全て外す必要があります。
瘢痕組織を完全に取り除くことは、実は、非常に難しいがために、時間が経ってしまった過矯正修正手術の成功率が著しく下がる要素となります。
したがって、過矯正の場合には、瘢痕形成が起こる前に、出来るだけ早期に修正手術を行う方が成功率が高くなると言えます。
再手術は過矯正であっても、傷口が落ち着くのを待って、半年以上待ってから行うと説明されている医療機関がありますが・・・高田眼科としては、それは間違ったことだと考えております。
高田眼科でも、ほとんど滅多に無いのですが、手術翌日に修正を行うこともありますし、過矯正の有無の確認が、翌日の手術後診察を行う理由の一つともなります。
少しの低矯正や瞼の歪みやボリュームの問題
逆に、低矯正(弱矯正)の場合には、瘢痕組織の除去の必要性がそこまでない上に、また、術後の腫れなどの影響で、一時的に瞼が下がっていることもあるため、術後の炎症が落ち着くまで待つ方が無難だと言えます。
また、二重の幅が広いケース、術後の瞼の腫れぼったさが強いケースなども、単純に腫れていることで起こっていることが多いので、待つことが最適解だと考えます。
再手術の判断についてのまとめ
結論として、過矯正が確定したのであれば、可及的に速やかに、低矯正の場合には、経過をしっかり追ってから(術後3ヶ月後が目安)、再手術を行うことになります。
再手術になってしまうことは、非常に残念なことで、可能な限り避けなければならない事象です。
高田眼科でも、術前説明、カウンセリングで、必ず説明するようにしているのが、再手術のリスクについてのお話です。
どんなに素晴らしい腕を持つ眼形成外科医の名医でも、再手術(リオぺ)のリスクは、避けられません。
再手術になったら、失敗という結論になるという考え方をしがちですが、再手術を行うことで、リカバリーさえ出来れば、一連の手術として、上手くいったと考える事も出来るのではないでしょうか?
したがって、自院のやり直し手術が難しくならないように、初回手術から配慮した手術をしておくことが非常に大事だとも考えてます。
具体的には、瘢痕を出来るだけ作らないように、瘢痕組織が問題を起こさないようにすることが重要となります。
そのためにも、手術方法は、眼瞼挙筋前転術が前提であり、加えるなら、高周波メスを使用したり、瞼板固定の埋没糸を工夫したり、手術操作が最小になるように手術時間を短くなるように工夫したりを積み重ねているのが高田眼科の眼瞼下垂手術です。
眼瞼下垂手術の名医とは、常に最悪の状況(再手術)に備えて、最大限の備えをしているところだと思っております。