結膜疾患

白目に出来る茶色いシミ(結膜母斑)の治療

Dr.髙田
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高田 尚忠
高田 尚忠(たかだ なおただ)
高田眼科 院長 |ひとみ眼科 / フラミンゴ美容クリニック 眼瞼手術担当医師
所属学会:日本眼科学会、日本形成外科学会、日本眼形成再建外科学会
岡山大学医学部卒業後、横浜形成外科の二木 裕先生に師事。 郡山医療生活協同組合 桑野協立病院などの様々な医療機関を勤務し、 現在は高田眼科の院長を務める。 眼科医と形成外科医の知識と、これまでの豊富な眼瞼手術の術者としての経験をもとに、2022年においては年間2,000件超える眼瞼下垂症手術を手がけております。 2022年3月より、名古屋市内の伏見駅近くのフラミンゴ眼瞼・美容クリニックを開院。

結膜母斑とは

結膜母斑とは、眼球結膜(白目)にできるメラニン細胞の腫瘍で、茶色や黒っぽいシミのことです。

多くの場合良性なので、放置していても健康面には問題ありません。見た目が気になる場合は、レーザー治療で取ることができます。レーザー治療は数分で完了します。

ごくまれに悪性化することもあり、悪性黒色腫に転化することがあるため、結膜母斑のシミが大きくなったり、なにか変化が現れた場合は、病気が隠れているかもしれません。

白目にシミが出来る原因は、皮膚のシミが出来る原因と同じ。

白目(結膜)のシミに発生に深く関わっているのが、「結膜表皮細胞」と「メラノサイト(色素細胞)」です。

結膜にも、一見、透明な組織なのですが、皮膚と同様にメラノサイトが存在しております。

そして、紫外線を浴びると、チロシナーゼという酵素が活性化し、メラノサイト内でメラニンという色素が生成されます。

そのメラニン色素をメラノサイトから受け取り、結膜表皮細胞は紫外線から細胞核を守るようになります。

通常、皮膚は、「ターンオーバー(新陳代謝)」を繰り返しており、新しい細胞に入れ替わっています。

よって、紫外線を浴びて作られたメラニン色素は、ターンオーバーにより古い表皮細胞とともにはがれ落ち無くなります。

ところが、紫外線の暴露が長期に渡ってくると、メラニンが過剰に作られ、ターンオーバーのサイクルが乱れ、新陳代謝が滞り、本来は消失していくはずのメラニンも、そのまま残って色素沈着=「シミ」となってしまうのです。

つまり、白目のシミは、結膜にあるメラニン細胞によって作られたメラニン色素の塊と言えるわけです。

予防するには?

誰もが憧れる、「シミ」ひとつない純白な白目。

でも、何もせずに放っておくと、今あるシミを濃くしてしまうことにもなりかねません。

白目のシミの主な原因である紫外線対策をはじめとして、正しい知識に基づいた予防対策を心がけましょう。

一年中、紫外線対策を!

白目のシミの主な原因は紫外線であるため、なによりも必要なのが、紫外線(Ultraviolet:UV)対策となります。

紫外線は、特に春先から夏にかけて強くなりますが、基本的に一年中降り注いでいるものなので、シミができやすいという人は、常に対策を講じておきたいもの。

春先から日傘、広いつばがある帽子、サングラスなどを用いて、皮膚に達する紫外線をできるだけ減らすことが肝心です。

紫外線をカットしてくれる使い捨てコンタクトレンズもありますが、白目のシミの好発部位を十分に覆ってくれるわけではないので、意味がないと考えます。

逆に、コンタクトレンズは、レンズのエッジ(端)の刺激により、炎症を引き起こすことがあります。

結果、充血や結膜組織の肥厚(瞼裂斑)を引き起こしたりし、結果として、シミを悪化させる可能性もあります。

ドライアイ対策も重要で、ドライアイ用の点眼を使用することも重要と考えます。

シミができたらどうする?

白目のシミは、皮膚のシミと同様に、茶色、場合によっては黒っぽい色をしています。

急に大きくなったり隆起してきた場合には悪性の可能性があり、注意が必要ですが、ほとんどの場合は、良性であり、病的な意味はなく、気にならなければ、治療の必要はありません。

つまり、結膜母斑であれば、放置していても痛みや痒みなどは現れず、視力にも影響がありません。

しかしながら、白目の部分に黒っぽいシミができることから、皮膚のシミよりも、周り人から見ても目立ちやすいと言えます。

整容面を気にされたり、病気だと心配して、眼科を受診されるのですが、眼科医からみると、治療が必要な疾患ではないため、問題がないと診断されてしまうわけです。

ただし、もし、シミが急に大きくなったり隆起してきたら、病気のサインかもしれません。その場合には、自己判断せずに、早めに病院に行きましょう。

結膜母斑の治療について

一部のクリニック(高田眼科)において、レーザー治療にてシミ取りが可能です。

白目のシミへのレーザー治療

点眼麻酔薬を使用した上で、白目のシミに対してレーザー照射を行います。

使用するレーザーも、Qスイッチレーザーという特殊なレーザーとなります。

高田眼科で使用するパスカルレーザーは、レーザー照射時間が短いため患者様の痛みを大きく軽減できます。

シミの程度にもよりますが、10分程度で終了します。点眼麻酔を行っていますので、痛みもありません。

手術治療

明らかな母斑(ホクロ)・瞼裂斑(黄色いシミ)・翼状片・角膜デルモイドなどのように組織増殖があるものはレーザー照射では取り除くことが出来ません。

このように、レーザーでシミ取りができないものだと判断される場合、結膜腫瘍として摘出手術が必要となることがあります。

※特に、瞼裂斑(黄色いシミ)は結膜母斑と似たモノで間違えやすいとも言えます。瞼裂斑はレーザーで取り除くことができませんので、注意が必要です。

術後について

術後しばらくは白目の充血や異物感が続きますが、時間と共に、どんどん軽減していきます。
炎症を抑えるために、抗生剤とステロイドの点眼をして頂きます。小さなのシミの場合は約1週間程度、比較的大きなものでは約2週間程度で症状がなくなっていきます。

治療費について

片眼:55,000円(税込)

※場合によっては、繰り返しのレーザー照射が必要になる場合もございます。

静岡県浜松市の高田眼科
アクセス・診察時間
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