眼瞼下垂の書籍(2)
専門家向け・患者さん向けを問わず、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」に関する情報が得られる書籍を3回にわたってご紹介する2回目。
入手が難しい書籍も含まれますが、今回は関連学会の共同編集による医師向けの書籍と、目の老化に関わる一般向けの書籍の2冊を紹介します。
眼瞼下垂の情報収集の一助となればと思います。
3学会合同の診療ガイドライン
「形成外科診療ガイドライン」(6)頭頸部・顔面疾患: 頭頸部再建/顔面神経麻痺/眼瞼下垂症 金原出版/日本形成外科学会、日本創傷外科学会、日本頭蓋顎顔面外科学会 編
形成外科領域において、EBM(Evidence-Based Medicine=根拠に基づく医療)の視点で作成された「形成外科診療ガイドライン」シリーズ全7冊中の一冊に、眼瞼下垂についてまとめられた書籍があります。
基本診療を明確化する意図のもとで国内外の論文からエビデンスを収集してまとめた、医師向けの一冊です。
日本初ともいわれる日本形成外科学会、日本創傷外科学会、日本頭蓋顎顔面外科学会の三学会合同による診療ガイドラインです。
一般向けに語られた自らのアプローチ
現役の眼科医が表した眼瞼下垂関連の書籍、2冊を紹介します。
それぞれに、自身の視点に忠実にまとめられています。
「目は若返る 50歳からの眼科治療」幻冬舎メディアコンサルティング/佐藤 香著
現役の眼科医である著者が提唱する「トータルアイケア」をベースとして、50歳を過ぎた方たちを対象に”目の老化”を防ぎ視力を取り戻すことをテーマにまとめられました。
このなかで、白内障や緑内障、加齢黄斑変性とともに加齢による目の疾患の一つとして眼瞼下垂が取り上げられています。
日常生活で使える目の老化予防ノウハウ(目の老化を未然に防ぐ50代からの予防のポイントQ&A)も紹介されています。
自分の目に関心がもてるような内容は、眼瞼下垂に関しても親しみやすく語られています。
「眼瞼下垂診療アップデート」星雲社/柿崎裕彦 著
柿崎裕彦・愛知医科大学病院教授が表した眼瞼下垂診療に関する解説書です。
著者は、軽度の眼瞼下垂まで全て手術になる現状と距離を置き、マスコミの報道を含め、適正でない情報が飛び交うなかで眼瞼下垂という疾病の「本質」を冷静に見つめようとします。
眼瞼下垂の実態を知ってもらおうという意図を明らかにし、確固としたエビデンスに基づいた眼瞼下垂手術を説明しようと試みています。