高田院長の眼瞼下垂症ブログ

眼瞼下垂症の新しい高田眼科オリジナル手術:ファシアリリース(剥離)法 前編

2021/2/11 記事内容を更新



筋膜リリースという言葉を聞いたことは、ございませんか?

マッサージを通っている方なら、聞き覚えのある言葉だとは思います。

聞き慣れない筋膜リリースですが、体のコリの原因として、筋肉同士がくっ付いて引っかかっている状態が原因と考え、それを剥がすようなマッサージのことを言います。

高田眼科(ひとみ眼科)のオリジナル眼瞼下垂症手術(ファシアリリース切開法)では、この筋膜リリースの概念を取り入れた手術を行っております。

(正確には、筋膜リリースではなく、ファシアリリースなのですが・・・後述させていただきます。)

それをTKDファシア剥離法と当院では呼称しております。

このことを言及して、眼瞼下垂症手術を考えているドクターはおらず、高田医師オリジナルの手術概念です。

さて、筋膜とは、筋肉繊維の周囲を包んでいるコラーゲン組織のことです。

すべての筋組織はお互いに滑りあうように動きます。

筋膜には筋肉を保護する役目、筋収縮時の滑りを助ける作用、血管や神経、リンパ管を支えて通過させる通り道を確保する機能などがあります。

しかしながら、筋肉を包んでいる筋膜のみを主体的に考えられていることが多いのですが、

学問的には、筋肉だけでなく、骨や神経、血管、脂肪、内臓臓器など、それぞれの異なる組織臓器の間に筋膜と同じようなコラーゲン組織があり、筋膜とともに、それらを広く含めて、ファッシアと呼ばれております。

英語では、fasciaとなりますが、これに対応する日本語が存在せず、便宜上、筋膜とされておりますが・・・

このファッシアに問題が起こると、他の組織とのコラーゲン繊維の一部に、癒着とも言える架橋構造が過剰に出来てしまい、本来はスベスベしていて、滑らかにスライドする状態が正常なのですが、

そこに引っ掛かりができてしまうことで、動きの柔軟性がなくなってしまいます。

これが、先天性に起こっている場合もあったり、手術や炎症、運動不足、加齢などにより後天的に起こる場合があります。

例えば、柔軟体操をすると、段々と体が柔らかくなるのですが、柔軟体操により、ファッシアがほぐれて、カラダが柔らかくなるからだと言えます。

そこで、筋膜リリースはは、近年、整体の世界で盛んに謳われるようになりました。

特殊なマッサージを行うことで、この筋膜の委縮・癒着を引き剥がしたり、引き離したり、こすったりすることで、正常な状態に戻すことを言います。

筋膜リリースは、日本語に翻訳され「筋膜はがし」と呼ばれる理由もここにあります。

一部の整形外科では、より直接的に、超音波(エコー検査)下で筋膜に生理食塩水を注射し、肩の筋肉の筋膜の癒着を剥がすことを肩こりの治療として行っております。

先日、「美と若さの新常識~カラダのヒミツ~」というNHKの番組で、「貴重映像!ファッシアの正体」:(2019年7月 BSプレミアムで放送)でファッシアが特集され、ファッシアの映像がありました。

ファシア画像

 

番組で使われていた画像をお借りましたが、この画像でみられる網目状の組織がファッシアで、組織に横ずれや縦ずれの力が働いたときに、動き過ぎないように固定し、その後、元の位置に戻すように復元させる構造物です。

眼瞼の場合、眼輪筋、眼瞼挙筋、ミューラー筋と3つの筋肉が、皮膚や眼窩脂肪、瞼板などの組織を含めて、多くの組織がミルフィーユにような形で折り重なっております。

当然、それらの組織の境界を隔てるような形で、眼窩隔膜や筋膜、結膜、そして、ファッシアが存在しております。

一般に、眼瞼下垂症の原因は、眼瞼挙筋腱膜やミューラー筋が瞼板から外れてしまったり、途中で断裂したりすることで発生すると理解されております。

しかしながら、そういった眼瞼挙筋腱膜に異常がないのに、眼瞼下垂症の症状、つまり、瞼の上げ辛さを自覚され、眼瞼挙筋の修正のみの手術を受けられてる方が多くいらっしゃいます。

実は、それらのケースの中に、眼瞼挙筋腱膜の問題ではなく、このファッシアが癒着し、瞼を引き上げることの抵抗が強くなってしまうことで、眼瞼下垂症になっていることがあります。

この場合は、この癒着をしっかり剥がすことを行わないと、無理のない開瞼は可能となりません。

開瞼におけるファッシアの引っ掛かり問題を解決せずに、問題のない眼瞼挙筋腱膜を強く引っ張り上げる前転(タッキング)を行っても上手く治りません。

眼瞼下垂症の術後後遺症で、瞼の引きつり、違和感が長期に続くケースの中には、この癒着を剥がさず、無理やり、問題のない眼瞼挙筋やミューラーを引っ張ることでの引きつりが原因のことがあります。

(術直後〜術後3ヶ月ぐらいの期間の引きつりは、切開創の引きつりが原因で起こりえますが、3ヶ月以上続く場合は、このファシアによる癒着の解放不足が原因であることを考慮に入れるべきだと考えます。)

解剖学的には、眼瞼挙筋(腱膜)と眼窩脂肪との境界面に網目状のコラーゲン組織です。実際には、綿菓子のような蜘蛛の巣状の結合組織です。

ファシア解剖

 

ファシアには、トリガーポイントがあると言われております。

このファシアに負荷がかかっていると、痛みを感じると言われております。

ファシアと眼瞼挙筋(腱膜)との接合を剥がしてから、タッキングを行うことが、術後のツッパリ感を抑えるために大事なことです。

車で例えると、ブレーキが壊れてて、ずっとブレーキを引きずっている状態で加速しないのに、より強くアクセルを踏んで車を加速させてようとするようなものです。

当然、そんなことをすると、車に負担がかかり、壊れてしまいます。

そして、この問題を直すのであれば、最初に行うべきは、ブレーキの引きずりを直すことだと思います。言い換えれば、ファシアによる引っ掛かりをリリースすることが大事なのです。

眼瞼下垂症の失敗症例は、このブレーキの引きずりとも言えるファッシアの引っ掛かりを無視して、眼瞼挙筋腱膜を引っ張りすぎることで、結果、過矯正になったり、また、ファッシアによる復元力で、術後の戻り・・・つまりは、下垂が再発しているからではないかと考えます。

高田眼科の眼瞼下垂症の術後の状態が非常に自然で綺麗だと言われるのは、人それぞれによって、眼瞼下垂症となっている原因が違うので、その原因に合わせて適切に手術の内容を調整しているからですが、

高田眼科の眼瞼下垂症手術では、この筋膜リリース、ファッシア剥がしを全例に行うことで、かなりの手術成績を出せるようになりました。

ファッシアを剥がすことで、瞼の開瞼運動における引っ掛かり(抵抗)をなくしている分、瞼の眼瞼挙筋の前転(タッキング)をより緩くすることが出来るので、術後の瞼の引きつり感が非常に少なくなります。

特に、先天性眼瞼下垂症のケースでは、このファッシアの問題を改善することが大事です。

つまり、先天性眼瞼下垂症のケースでは、眼瞼挙筋腱膜が強固なファッシアに変化しており、加えて、先天性眼瞼挙筋の特徴である”挙筋機能が少ない”上に、引っ掛かりが強くなり、通常の眼瞼挙筋前転法では十分な術後の開瞼幅が得られません。

しっかり、術中に、このファッシアをほぐすことで、術後の問題の多い筋膜移植術に頼らず、通常の眼瞼挙筋腱膜前転法で、良好な手術結果が得られております。

筋膜(ゴアテックス)移植よりも、眼瞼挙筋前転法の方が審美的にも圧倒的に優れていると思います。

次回は、実際に、手術中の眼瞼ファシアを実際に見ていただいた上で、TKDファシア剥離を理解していただきたいと思います。


>>眼瞼下垂症の新しい手術概念:ファシアリリース(剥離)法について 後編


 

 

 

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