眼瞼下垂の基礎知識

先天性眼瞼下垂の治療「先天性筋強直性ジストロフィー」

Dr.髙田

治療について

「先天性筋強直性(せんてんせいきんきょうちょくせい)ジストロフィー」は、筋強直性ジストロフィーの母親もしくは父親をもって生まれた子どもに、身体がふにゃふにゃしているように見える「筋緊張低下(きんきんちょうていか)」などの症状がみられる疾病です。

正常な筋肉は、ゴムのように弾性があって適度に伸び縮みさせることで筋力を発揮します。

そのために筋肉は常にある程度の緊張状態にあるのですが、筋緊張低下とは、私たちの活動に必要な筋肉の緊張が全身で低下するという症状です。

この症状自体は、年齢を重ねるとともに軽くなります。しかし、残念ながら筋力の低下が回復することはなく、大半が知的障害を伴ってきます。

呼吸器や心臓、消化器、中枢神経などにみられる先天性筋強直性ジストロフィーの多くの合併症のひとつとして「眼瞼下垂(がんけんかすい)」も発症しますが、この疾病であると気づかないまま麻酔・手術を行い、術後合併症を起こした後に気づく場合もありますので治療には注意が必要です。

眼瞼下垂の治療は、

という眼瞼下垂の主な3手術方法の説明を参考にしてください。

根本的な治療方法ですが、残念ながら現在のところ、まだ見つかっていません。

筋力の低下に対しては、股関節から足先までの下肢の各所に装着する短下肢装具(たんかしそうぐ)や車いすの使用、あるいはリハビリテーションを行うことで対応する方法が取られており、そのほか筋強直が非常に強いときには薬物投与を行うこともあります。

難病治療へ

厚生労働省が指定する難治性疾患などに関する調査研究の推進、情報収集および知識の普及啓発など、難病における医学研究の積極的な振興を図るために設立された「公益財団法人難病医学研究財団」という機関があります。

ここで、2010年度から「筋チャネル病および関連疾患の診断・治療指針作成および新規治療法開発に向けた基盤整備のための研究班」として行われている研究が、先天性筋強直性ジストロフィーの治療と関わっています。

筋強直性ジストロフィーは希少な疾病のため、治験に必要な患者数や情報収集を行う目的で、国際的な共同治験が行われる動きがみられます。

そこで日本でも「神経・筋疾患患者登録センターRemudy( レムディー)」で筋強直性ジストロフィーの患者登録が行われています。

患者登録という手段は、臨床試験や治験に協力する意思があることを示すものです。

こういた地道な努力が、いつか先天性筋強直性ジストロフィーの治療の革新につながるはずだと思います。

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このブログの執筆者
髙田 尚忠
浜松市の高田眼科を拠点に、眼瞼下垂症を中心としたまぶたの診療・手術を専門に行っています。 「見え方(視機能)」と「日常の快適さ」を回復することを第一に、診察では原因(加齢・コンタクト・体質・既往手術など)を丁寧に整理し、必要な治療を分かりやすく説明することを心がけています。 このブログでは、眼瞼下垂の症状、治療選択、術後経過で不安になりやすいポイントなどを、専門医の立場からできるだけ具体的に発信しています。
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