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通年性アレルギー性結膜炎とは?症状・原因・治し方・花粉症との違いを眼科医が解説

通年性アレルギー性結膜炎の記事用アイキャッチ画像。かゆみや充血のある目元と、ダニ・ハウスダスト・カビ・ペット由来のアレルゲンをイメージした医療イラスト
髙田 尚忠
40代 女性
40代 女性

春でもないのに目がかゆい

30代 男性
30代 男性

充血や涙目が続く

20代 女性
20代 女性

掃除やペットの世話をすると目がムズムズする

その症状は、通年性アレルギー性結膜炎Perennial allergic conjunctivitis , PAC)かもしれません。

通年性アレルギー性結膜炎は、花粉が主因の季節性アレルギー性結膜炎と異なり、ダニ・ハウスダスト・カビ・ペットの毛やフケなどが原因となって、季節を問わず症状が出やすいのが特徴です。

主な症状は、目のかゆみ、充血、涙、目やに、まぶたの腫れなどです。

この記事では、通年性アレルギー性結膜炎の症状、原因、花粉症との違い、検査、治療法、セルフケア、受診の目安までをわかりやすく解説します。

医師 高田 尚忠
医師 高田 尚忠
高田眼科 院長|フラミンゴ美容クリニック/銀座Jクリニック/あさ美皮フ科 眼瞼手術担当
Profile
高田眼科院長。岡山大学医学部卒業後、複数の医療機関で経験を積み、現在は高田眼科のほか、名古屋・銀座・亀戸の関連クリニックでも眼瞼下垂手術を中心に年間2,000件以上の手術に携わっています。専門は眼瞼下垂、眼形成、まぶたの機能改善治療。見た目だけでなく、視機能の改善と日常生活の快適さの回復を重視し、原因の見極めから治療方針の説明まで丁寧に行っています。このブログでは、様々な眼科疾患はもちろん、特に、眼瞼下垂の症状、治療法、術後経過、修正手術などについて、眼科医、眼形成外科医の立場から分かりやすく解説しています。

通年性アレルギー性結膜炎とは

通年性アレルギー性結膜炎とは、1年を通して起こりうるアレルギー性の目の炎症です。

結膜にアレルゲンが触れることで、免疫反応としてヒスタミンなどが放出され、かゆみや充血、涙目などの症状が現れます。

アレルギー性結膜炎にはいくつかのタイプがありますが、その中でも比較的よくみられるのが、季節性アレルギー性結膜炎と通年性アレルギー性結膜炎です。

通年性は、季節に左右されにくい原因物質によって、年間を通して症状が続いたり繰り返したりするのが特徴です。

まず疑いたい症状

通年性アレルギー性結膜炎で最も多い症状は、目のかゆみです。加えて、白目の充血、涙が増える、糸を引くような目やに、まぶたの腫れ、目のゴロゴロ感、まぶしさを感じることがあります。症状は両眼に出ることが多いのも特徴です。

アレルギー性結膜炎の主な症状(かゆみ、充血、涙、目やに、まぶたの腫れ)を示したイラスト

症状が軽いうちは「なんとなく目がかゆい」程度でも、目をこすることで炎症が悪化し、充血や腫れが強くなることがあります。つらくても、できるだけ目をこすらないことが大切です。

また、鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎症状を伴う方も少なくありません。

通年性アレルギー性結膜炎の主な症状

通年性アレルギー性結膜炎では、目のかゆみを中心に、充血、分泌物の増加、まぶたの腫れなど、 さまざまな症状がみられます。症状の出方には個人差がありますが、年間を通して繰り返しやすいのが特徴です。

目のかゆみ

通年性アレルギー性結膜炎で最も一般的なのが、目のかゆみです。強いかゆみで我慢できないほどになることもあります。

ただし、目をこすると症状が悪化することがあるため注意が必要です。かゆみとあわせて、 ゴロゴロした異物感や不快感を訴える方もいます。

充血

目の白い部分(眼球結膜)が赤くなる充血もよくみられる症状です。

これは、アレルゲンに反応して血管が拡張し、血流が増えることで起こります。 つまり、体がアレルゲンに反応しているサインの一つです。

分泌物

目やにや涙といった分泌物が増えることも少なくありません。

アレルギー反応によって結膜が刺激されると、涙液の産生が増えたり、 粘膜からの分泌が増えたりするため、このような症状が起こります。

腫れ

目の周囲やまぶたの腫れ、白目の浮腫(むくみ)も代表的な症状です。 まぶたが腫れぼったく感じたり、熱を持っているように感じたりすることがあります。

症状が強い場合には、白目に水がたまってゼリー状にふくらむ 眼球結膜浮腫がみられることもあります。

光がまぶしい

かゆみや充血に加えて、光をまぶしく感じることがあります。これは医学的には 羞明(しゅうめい)と呼ばれる症状です。

炎症によって結膜や角膜が刺激され、目が通常より光に敏感になって起こります。

その他の症状

  • 鼻水、鼻づまり
  • くしゃみ
  • 皮膚のかゆみ・炎症
  • 咳やぜんそく

※ 症状の強さや組み合わせには個人差があります。痛みが強い、見えにくい、黄色い目やにが多いなどの場合は、 アレルギー性結膜炎以外の病気も含めて眼科で確認することが大切です。

花粉症の結膜炎との違い

花粉症による目のかゆみは、季節性アレルギー性結膜炎にあたります。こちらはスギやヒノキ、イネ科、ブタクサなど、特定の季節に飛散する花粉が主な原因です。

一方、通年性アレルギー性結膜炎は、ダニ、ハウスダスト、カビ、ペットのフケや毛など、季節に左右されにくい原因で起こります。

項目 通年性アレルギー性結膜炎 季節性アレルギー性結膜炎
主な原因 ダニ、ハウスダスト、カビ、ペットの毛やフケ スギ、ヒノキ、イネ科、ブタクサなどの花粉
症状が出やすい時期 年間を通して出やすい 花粉飛散時期に悪化しやすい
悪化しやすい場面 掃除後、寝室、ペットとの接触後など 外出時、洗濯物の取り込み時、花粉の多い日など

ただし、実際には季節性と通年性が重なっている方も珍しくありません。

原因になりやすいもの

通年性アレルギー性結膜炎の代表的な原因は、室内のアレルゲンです。

通年性アレルギー性結膜炎の主な原因

通年性アレルギー性結膜炎の代表的な原因は、室内のアレルゲンです。 とくに、日常生活の中で触れやすいものとして、次の4つがよく挙げられます。

ダニ

布団、枕、マットレス、カーペットなどに潜みやすく、 年間を通して目のかゆみの原因になることがあります。

気をつけるべき場所:寝具・じゅうたん

ハウスダスト

室内のほこりには、ダニの死がい、繊維くず、細かな汚れなどが含まれます。 掃除や衣替えの際に舞い上がり、症状を悪化させることがあります。

気をつけるべき場面:掃除・収納の出し入れ

カビ

湿気の多い浴室、窓まわり、エアコン内部などに発生しやすく、 気づかないうちに室内アレルゲンとして影響していることがあります。

気をつけるべき場所:浴室・窓際・エアコン

ペットの毛やフケ

犬や猫そのものだけでなく、毛や皮膚の細かなかけらが原因になることがあります。 衣類やソファに付着して、室内に広がることもあります。

気をつけるべき場面:抱っこ・ソファ・衣類への付着

※ 実際には複数のアレルゲンが重なっていることもあり、原因を一つに限定できない場合もあります。

アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎などの既往がある方は、目にもアレルギー症状が出やすい傾向があります。

体質や免疫の反応との関係

通年性アレルギー性結膜炎は、ダニやハウスダスト、カビ、ペットの毛やフケなどのアレルゲンだけでなく、体質や免疫の反応のしかたも大きく関係しています。

もともとアレルギー体質がある方や、家族にアレルギー性鼻炎、ぜんそく、アトピー性皮膚炎などのある方では、特定のアレルゲンに対して過敏に反応しやすい傾向があります。
そのため、同じ環境にいても、症状が出やすい人と出にくい人がいます。

通年性アレルギー性結膜炎はⅠ型アレルギーです

通年性アレルギー性結膜炎で、アレルギー体質や家族歴、IgE抗体と肥満細胞の反応によって、かゆみ・充血・涙目・まぶたの腫れが起こる流れを示した図解イラスト

アレルギー反応は、起こり方によってⅠ型からⅣ型までに分類されます。
通年性アレルギー性結膜炎は、このうちⅠ型アレルギーにあたります。

アレルゲンが目の表面に付着すると、体はそれを異物と判断してIgE抗体という物質を介した反応を起こします。
すると、結膜にいる**肥満細胞(マスト細胞)**から、ヒスタミンやロイコトリエンといった化学伝達物質が放出されます。

これによって、目のかゆみ、充血、涙目、まぶたの腫れなどの症状が起こります。

体を守る反応が、強く出すぎている状態です

本来、アレルギー反応は、体に入ってきた異物を外へ追い出したり、体を守ったりするための仕組みです。
ただし、通年性アレルギー性結膜炎では、その反応が必要以上に強く起こることで、目に炎症や不快な症状が出てしまいます。

つまり、目に異常が起きているというより、体の防御反応が過敏になっている状態と考えると分かりやすいでしょう。

通年性アレルギー性結膜炎はうつる?

アレルギー性結膜炎は、細菌やウイルスによる感染ではなく、アレルゲンに対する免疫反応で起こるため、人にうつる病気ではありません。

ただし、目の赤みや目やにはウイルス性結膜炎や細菌性結膜炎でも起こるため、自己判断は禁物です。

強い目やに、片眼だけの症状、痛みが強い、見えにくいなどの場合は、アレルギー以外の病気も考える必要があります。

高田尚忠医師
高田尚忠医師

アレルギー性結膜炎は、ある特定のアレルゲンに対する過剰な免疫反応であり、ある意味、体質によるものと言えます。
そういった意味で、親子、兄弟などでは、遺伝的に免疫反応が似て、同時に、症状が出てしまうことが多くあり、結果として、うつると感じられてしまうことがあります。

眼科ではどんな検査をするのか

診断は、症状の経過、悪化する場面、アレルギー歴、家族歴などを詳しくうかがう問診から始まります。そのうえで、白目の充血、結膜のむくみ、まぶたの腫れ、上まぶたの裏の変化などを確認します。

眼科では細隙灯顕微鏡(スリットランプ)を使って、結膜や角膜の状態を詳しく観察するのが一般的です。

必要に応じて、結膜の分泌物を調べたり、血液検査でアレルゲンの推定を行ったりすることがあります。

アレルギー検査にはどんなものがある?

アレルギー性結膜炎の検査では、目の表面を直接みる検査と、 原因となるアレルゲンを調べる検査があります。 何を知りたいかによって、適した検査は少しずつ異なります。

結膜のふき取り検査

綿棒で数秒・その場で実施しやすい

綿棒で結膜の分泌物をふき取って、顕微鏡で確認する検査方法です。 アレルギー性結膜炎かどうかを判断するうえで、目やにの中に 好酸球という炎症細胞が増えているかを確認します。

この検査でわかること
  • アレルギー性の結膜炎を示唆する所見があるか
  • 目の表面でⅠ型アレルギー反応が起きているかの手がかり
患者さんの負担感
  • 少し違和感はありますが、数秒で終わります
  • 採血が不要です

アレルゲン特異的IgE抗体検査

採血で原因アレルゲンの候補を確認

血液を採取して行う検査です。通年性アレルギー性結膜炎を引き起こしている アレルゲンを特定するために有効です。 一般的には腕から採血しますが、指先から少量採血する方法を採用している施設もあります。

この検査でわかること
  • どのアレルゲンに反応しやすいか
  • ダニ、ハウスダスト、カビ、ペット、花粉などの関与の手がかり
  • 通年性と季節性が重なっていないかを考えるヒント
患者さんの負担感
  • 採血が必要です
  • 結果はアレルゲンごとに分けて確認できます

皮膚プリックテスト

皮膚反応でアレルゲンをみる検査

皮膚に小さな傷をつけ、そこにアレルゲンを滴下して反応をみる検査です。 目だけでなく、身体全体としてのアレルギー反応を確認する方法の一つです。

この検査でわかること
  • 特定のアレルゲンに対する皮膚の反応
  • 通年性アレルギー性結膜炎に関連する原因の推定
患者さんの負担感
  • 皮膚に軽い刺激を加えて行います
  • その場で皮膚の変化を観察します

※ どの検査が必要かは、症状の出方、悪化する場面、鼻炎や皮膚症状の有無などによって異なります。 まずは診察と問診を行い、そのうえで必要な検査を選ぶのが基本です。

当院で実施しているアレルゲン特異的IgE抗体検査について

当院では、主要アレルゲンを短時間で確認し、通年性か季節性かの見極めに役立てています

イムノキャップ ラピッド アレルゲン8 検査キット
当院では、主要な吸入アレルゲンを短時間で確認できる検査キット(イムノキャップラピッド)を用いた評価を行っています。

当院では、主要な吸入アレルゲンを簡便に確認できるキットを用いて検査を行っています。 指先からの少量採血で実施でき、代表的なアレルゲンに対する感作の有無を短時間で把握しやすいのが特長です。

短時間で確認 約20分で結果の確認が可能
簡便な検査 指先からの採血で実施可能
主要項目をカバー 代表的な吸入アレルゲンを確認

通年性アレルギーではダニやペット由来の項目、季節性アレルギーでは花粉由来の項目がヒントになります。 問診や症状の出る時期とあわせて見ることで、治療や生活環境の見直しの方向性を整理しやすくなります。

通年性アレルギーを考える手がかり

季節に関係なく症状が続く場合は、室内アレルゲンの関与を考えます。

ヤケヒョウヒダニ ネコ皮屑 イヌ皮屑

季節性アレルギーを考える手がかり

特定の季節に悪化する場合は、花粉など季節性アレルゲンを確認します。

シラカンバ(属) ヨモギ カモガヤ ブタクサ スギ
※ 掲載写真は製品イメージです。検査結果は症状や経過、診察所見とあわせて総合的に判断します。
参考: Thermo Fisher Scientific 公式ページ

治療はどうする?基本は点眼治療です

通年性アレルギー性結膜炎の治療の基本は、原因物質を避けることと点眼治療です。

軽症から中等症では、抗アレルギー点眼薬が中心になります。これには、抗ヒスタミン作用をもつ点眼薬や、肥満細胞からの化学伝達物質の放出を抑えるタイプ、あるいは両方の作用をあわせもつ点眼薬があります。

症状が強い場合や、抗アレルギー点眼だけで十分に抑えきれない場合には、ステロイド点眼薬を短期間使うことがあります。ただし、眼圧上昇、感染症、白内障などに注意が必要で、自己判断で長く使ってよい薬ではありません。

鼻症状や皮膚症状を伴う場合には、内服の抗ヒスタミン薬が役立つことがあります。

アレルギー性結膜炎治療については、こちら>>
アレルギー性結膜炎の治療と目薬の選び方|花粉症・春季カタル・アトピー性角結膜炎まで解説
アレルギー性結膜炎の治療と目薬の選び方|花粉症・春季カタル・アトピー性角結膜炎まで解説

主な治療の選択肢

治療 主な役割 注意点
抗アレルギー点眼薬 かゆみ、充血、涙などを抑える 基本治療として使うことが多い
ステロイド点眼薬 強い炎症を短期間で抑える 眼科での管理が必要
人工涙液 アレルゲンを洗い流し、刺激を和らげる 防腐剤無添加が使いやすい
抗ヒスタミン内服薬 鼻症状や皮膚症状を伴う場合に有効 眠気や口の渇きに注意
高田尚忠医師
高田尚忠医師

治療の基本は、抗アレルギー点眼液とステロイド点眼液が基本となります。
やはり、受診されるほどの状態で来られるケースが多いため、両方の点眼から始めて、その後、副作用のことを考えて、状態が落ち着けば、ステロイド点眼液を中止し、抗アレルギー点眼液の単剤使用で行っていことが多いです。

治療の補足

内服治療が役立つこともあります

鼻水、鼻づまり、くしゃみ、皮膚のかゆみなどを伴う場合には、 内服の抗ヒスタミン薬を併用することがあります。 目だけでなく、鼻や皮膚の症状もまとめて抑えたいときに有効です。

ただし、通年性アレルギー性結膜炎の治療の基本はあくまで点眼治療であり、 内服薬は補助的な位置づけです。 目の症状だけであれば、まずは点眼薬でコントロールするのが一般的です。

※ 内服の抗ヒスタミン薬は、眠気や口の渇きに加えて、 目の乾きが強くなることがあります。 ドライアイ傾向がある方、コンタクトレンズ使用中の方、 パソコン作業が多い方では、症状に応じた薬の選び分けが大切です。

人工涙液や洗眼は有効?

人工涙液は有効です。アレルゲンを目の表面から洗い流し、乾燥や刺激を和らげるのに役立ちます。

一方で、カップ式の洗眼器具や洗眼剤は、使い方によっては、目の表面を守る涙液層が傷み、かえって刺激になることがあります。

使用する場合は、目の周囲の汚れを落としたうえで、防腐剤の少ないもの、あるいは防腐剤無添加の人工涙液を選ぶほうが安心です。

涙液層のトラブルによるドライアイについて知りたい場合は、こちら>>
ドライアイの目薬の種類と選び方|治療の仕組みを眼科医が解説
ドライアイの目薬の種類と選び方|治療の仕組みを眼科医が解説

自分でできる予防対策

通年性アレルギー性結膜炎は、薬だけでなく、アレルゲンにできるだけ暴露されないよう生活環境を整えることがとても重要です。 毎日の過ごし方を少し見直すだけでも、症状の軽減につながることがあります。

ハウスダスト・ダニ対策

  • 寝具を清潔に保つ
  • 布製品をこまめに洗濯する
  • 掃除は乾拭きより、湿らせた布やモップを使う
  • カーペットや布製ソファの見直しを検討する

カビ対策

  • こまめに換気を行う
  • 除湿を行い、湿気をためこまない
  • 浴室や洗面所など、湿気の多い場所を清潔に保つ

ペット対策

  • 寝室には入れないようにする
  • 触れた後は手を洗う
  • 衣類に付着した毛やフケをできるだけ減らす

※ すべてを一度に完璧に行う必要はありません。できるところから少しずつ整えていくことが大切です。

つらいときは、清潔なタオルで軽く冷やすのも有効です。温めたり、目をこすると、症状が悪化しやすいため注意してください。

コンタクトレンズは使ってよい?

症状が強い時期は、コンタクトレンズの装用をいったん控えるほうが安全です。

コンタクトは目の表面への刺激になりやすく、アレルゲンや分泌物が付着することで症状が悪化することがあります。

充血が強い、ゴロゴロする、目やにが増える、まぶしいといった症状があるときは無理に装用を続けないことが大切です。

必要に応じて、症状が良くなるまでコンタクトレンズの装用を中止することや、どうしても使用する場合には、1dayタイプへの変更も検討することも良いと考えます。

市販薬で様子を見てもよい?

アレルギー性結膜炎における市販薬と処方薬の違いを、消火器と消防車でたとえた説明イラスト

軽いかゆみで、毎年似た症状を繰り返している場合には、確かに、市販の抗アレルギー点眼薬や人工涙液が一時的に役立つことがあります。

市販の抗アレルギー剤の中には、以前には処方用の薬剤として扱われていたことがある成分もあるからです。

ただ、それらの薬剤を使用しても改善しない、ないしは、どんどん悪化する場合には、患者さんご自身ではアレルギー性結膜炎と感染性結膜炎、ドライアイ、角膜障害の区別が難しいこともあり、、自己判断で長引かせるのはおすすめしません。

とくに、痛みが強い、見えにくい、片眼だけ強い、黄色い目やにが多い、症状が長引く場合は、早めに眼科で確認したほうが安全です。ステロイド点眼薬の自己使用は避けてください。

どのくらいで治る?治療期間の目安

通年性アレルギー性結膜炎は、原因が日常の生活空間にあることが多いため、「何日で完全に終わる」というより、コントロールしていく病気と考えたほうが実態に近いです。

その点が、花粉症などの季節性アレルギー性結膜炎と異なる点だと言えます。

症状自体は点眼で比較的早く軽くなることがありますが、原因との接触が続けば再燃しやすく、症状の波を繰り返すことがあります。

そのため、治療では「今あるかゆみや充血を抑えること」と「再発しにくい環境を整えること」の両方が重要です。

治療費用について

血液検査などでアレルゲンの確認を行う場合も、適応があれば保険診療の範囲で対応されることがあります。

1カ月あたりの治療費の目安について

保険適用の場合、点眼薬は数百円~数千円、血清抗原特異的IgE抗体検査は4,000~5,000円が治療費の目安です。

治療内容 保険適用 1カ月あたりの治療費の目安
点眼薬 適用あり 数百円〜数千円
血清抗原特異的IgE抗体検査 適用あり(13項目まで) 4,000〜5,000円
内服薬 目以外の症状がある場合は適用あり 数千円

治療方法や通院の頻度は症状によって異なりますので、詳しい費用については各医療機関にお問い合わせください。

こんな症状があれば早めに眼科へ

次のような場合は、単純な通年性アレルギー性結膜炎ではない可能性もあります。

通年性アレルギー性結膜炎では、診察、必要な検査、処方される点眼薬などが保険診療の対象になることが一般的です。

  • 強い痛みがある
  • 急に見えにくくなった
  • 片眼だけ強く症状が出ている
  • 光がつらい
  • 黄色い目やにが多い
  • コンタクト装用中に強い違和感がある
  • 市販薬を使っても改善しない

このような症状がある場合は、感染や角膜障害など別の病気が隠れていることもあるため、早めの受診をおすすめします。

よくある質問

通年性アレルギー性結膜炎について、患者さんからよくいただく質問をまとめました。 「自然に治るのか」「目薬だけでよいのか」など、受診前に気になりやすいポイントを整理しています。

通年性アレルギー性結膜炎は自然に治りますか?

軽くなる時期はあっても、原因となるアレルゲンへの接触が続くと再発しやすいため、 自然に完全消失するとは限りません。

目薬だけで治せますか?

軽症であれば、点眼治療で十分コントロールできることが多いです。 ただし、原因との接触が多いと再発しやすくなります。

寝具や部屋の掃除、湿度管理、ペット対策など、 生活環境の見直しもあわせて行うことが大切です。

花粉症の目のかゆみとの違いは何ですか?

花粉症は、特定の季節に悪化しやすいのが特徴です。 一方で、通年性アレルギー性結膜炎は、ダニやハウスダスト、ペットなどが原因となり、 年間を通して症状が出やすい点が異なります。

子どもでもなりますか?

はい。アレルギー性結膜炎は、子どもにもみられます。

強く目をこする、毎年強く悪化する、症状が重いといった場合は、 より強い病型が隠れていないか確認が必要になることもあります。

仕事中に目がかゆくてつらいときはどうすればよいですか?

まずは目をこすらず、人工涙液で洗い流す、冷やす、 ほこりや乾燥など原因になりやすい環境を減らすことが基本です。

症状が続く場合は、仕事環境に合った治療や対策を、 眼科で相談することをおすすめします。

※ 症状が強い場合や、痛み・見えにくさ・黄色い目やにを伴う場合は、 早めに眼科で確認することが大切です。

まとめ

通年性アレルギー性結膜炎は、ダニ、ハウスダスト、カビ、ペットの毛やフケなどが原因で、季節を問わず起こる目のアレルギーです。主な症状は、目のかゆみ、充血、涙、目やに、まぶたの腫れです。

治療の中心は、抗アレルギー点眼薬と環境調整です。症状が強い場合にはステロイド点眼を使うこともありますが、これは眼科で管理しながら行う必要があります。

長引く目のかゆみや充血を「いつものこと」で済ませず、原因を整理したうえで適切にコントロールしていくことが大切です。目のかゆみが続く、コンタクトがつらい、充血やまぶしさが強いといった場合は、早めに眼科へご相談ください。


高田尚忠医師
高田尚忠医師

目のかゆみや充血は、アレルギー性結膜炎だけでなく感染性結膜炎や角膜障害などでも起こります。
症状が長引く場合や、市販薬で改善しない場合は、早めの眼科受診をご検討ください。

執筆者:医師 高田 尚忠 (高田眼科院長)

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このブログの執筆者
髙田 尚忠
髙田 尚忠
高田眼科 院長|フラミンゴ美容クリニック/銀座Jクリニック/あさ美皮フ科 眼瞼手術担当
岡山大学医学部卒業後、郡山医療生活協同組合 桑野協立病院などの様々な医療機関を勤務し、現在は高田眼科の院長を務めつつ、関連クリニックの名古屋ののフラミンゴ眼瞼・美容クリニック、銀座のJ clinic、亀戸のあさ美皮フ科においても、眼瞼下垂手術を中心に多くの年間2000件以上の手術を行っています。「見え方(視機能)」と「日常の快適さ」を回復することを第一に、診察では原因(加齢・コンタクト・体質・既往手術など)を丁寧に整理し、必要な治療を分かりやすく説明すること心がけています。 このブログでは、眼瞼下垂の症状、治療選択、術後経過で不安になりやすいポイントなどを、専門医の立場からできるだけ具体的に発信しています。
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