高田院長の眼瞼下垂症ブログ

高田眼科の眼瞼下垂症の他院修正手術についての考え方:”瘢痕組織とは”

眼瞼下垂症の手術デザインについてのタイトル画像

 当院は開院してから12年経ち、お陰様で多くの眼瞼下垂症手術を手掛けさせていただいております。

 県外からも多数ご相談をいただいておりますが、県外からのご相談で一番多いのが、他院で手術を受けたものの

結果に満足が出来ず、当院で修正手術を受けたいというご要望です。

ご相談の内容としては、

 当院では、二重ラインの修正、傷跡の修正の際には、TKD切開法を使用することで対応しております。

 一般的に、二重ラインを狭くすることは、非常に難しいと言われておりますが、そのことが可能になってきます。

 但し、前提として、修正手術に耐えられる皮膚の余裕があることが必要となります。

 どんな修正手術を行うにしても、瘢痕組織≒手術によって硬くなってしまった皮膚、眼輪筋、脂肪組織 を取り除くことが必要となります。

 瘢痕組織が多ければ多いほど、修正手術の難易度が上がります。

 眼瞼下垂症手術に不慣れな術者による術後組織は、術中の多量の出血・・・それに伴う過剰な止血操作、長時間の手術に伴う手術操作:多量の埋没糸縫合などにより瘢痕組織は生み出されます。術後の傷口のケアの悪さも、瘢痕組織を生み出す要因となります。

 個人的には、良い手術は、術後瘢痕組織が少ない手術だと考えております。

 では、瘢痕組織は、正常な組織が炎症反応により結合組織に変性した状態の組織のことです。

 精肉店に並んでいるスジ肉のスジみたいに硬いシコリのようなスジと同じようなものだと想像して頂ければ分かりやすいです。

 そんな瘢痕組織を修正手術では、きっちり処理(除去)をするところから、始まります。ですので、最初のデザインにおいて、必ず、皮膚切除の量を考えながらになります。

 複数回の手術を行った後だと、当然、余剰組織も少なく、一部の瘢痕組織も活用しながらも、手術を組み立てなければなりません。

 瘢痕組織は硬い結合組織ですので、瞼の動きを邪魔をする”つっかえ”になったり、また、硬いので、二重ラインを崩してしまう原因ともなるからです。

 ”つっかえ”といえば、前医の残した埋没糸をきっちり取り除くことも大事になります。通常、修正手術を行う際に、前回の埋没糸をそのままに、新しく埋没糸を加えて行くような修正手術を行っているところに限って、上手く行ってないケースが多いです。埋没糸の周囲に、瘢痕組織が出来やすいこともあります。

 つまり、修正手術を重ねるたびに、瞼の動きに引っ掛かりが出来てしまい、尚更、眼瞼下垂症が悪化しているケースが最悪なのです。

 したがって、行うべき要件は、①前医の切開線、瘢痕組織の切除 ②切開線の移動 となり、それを考えると

以下の切除しかありません。どこまで、切除出来るのか?については、組織の余剰が大事になります。

 余剰がしっかりあれば、下記のように、初回手術と同じようなTKD切開デザインが可能となります。

他院修正時のTKD切開線

  余剰皮膚が少なければ、当然、皮膚切除を行うことができず、下記のようなデザインで対応いたします。

皮膚余剰のない他院修正手術の切開線

 これで行うと、どうしても、二重ラインの移動は出来ず、修正手術は困難なものとなってしまいます。 

出来るだけ瘢痕組織を形成しないような手術を行い、柔らかい二重にして自然さを追求することとなり、困難を極めます。

修正手術の回数が増えれば増えるほど・・・瘢痕の程度が増え、余剰組織がなくなることで難しくなっていきます。

このようなケースの場合には、当院でも他院修正手術は、一歩引いて考えるようにせざるを得ません。

当院でも、自院の修正手術を行うことがありますが、修正手術になったとしても、修正が楽になるように・・・

つまり、瘢痕組織を可能な限り出来ないように配慮して手術になっています。

止血操作を最小限に、効率よく・・・きちんとした器具を使用する・・・コツは色々とございます。

他院の修正手術を多く手がけてきたからこそ、見える世界が眼瞼下垂症手術にはあります。

執筆した医師

高田眼科 院長 |ひとみ眼科 眼瞼手術担当医師
高田 尚忠(たかだ なおただ)
所属学会:日本眼科学会、日本形成外科学会、日本眼形成再建外科学会
岡山大学医学部卒業後、横浜形成外科の二木 裕 先生を師事。 郡山医療生活協同組合 桑野協立病院などの様々な医療機関を勤務し、 現在は高田眼科の院長を務める。 眼科医と形成外科医の知識と、これまでの豊富な眼瞼手術の術者としての経験をもとに、年間1000件超える眼瞼下垂症手術を手がけております。

執筆した医師
高田 尚忠

高田眼科 院長
ひとみ眼科 眼瞼手術顧問
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