大事なこととして、眼瞼痙攣を根本的に治す方法はありません。
どちらかというと、症状を和らげるための治療が中心となります。
ボトックス注射
眼輪筋などの原因となっている目の周囲の筋肉に対して、ボツリヌス毒素を注射して症状を抑えるようになります。
ボトックス注射(ボツリヌス毒素注射法)は保険適応されている治療で、効果は2~4ヵ月持続しますが、その期間は前後します。
効果がなくなると、再度ボトックス注射をする必要があります。
内服治療
また、抗けいれん薬、抗コリン薬、抗不安薬、抗痙縮(けいしゅく)薬(筋弛緩薬)、漢方薬などを用いた薬物療法も補助的な治療として行いますが、効かないことが多いです。
また、まぶたを持ち上げるクラッチメガネを使用する場合もある。
さらに、眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)の症状の特徴である羞明(まぶしさ)に対して遮光眼鏡をかけることで、眼瞼痙攣自体の症状が改善するので、試してみるべきです。
手術治療
薬物治療や補助治療で改善が見られなければ、手術を検討する形となります。
まぶたの余分な皮膚を切除してたるみを解消し、まぶたを持ち上げる手術(眼瞼皮膚切除)や、けいれんの原因となっている眼輪筋を切除する手術(眼輪筋切除術)などが代表的である。
原因が完全に解明されたわけではない「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」については、治療法もさまざまなアプローチが行われてきました。
眼瞼痙攣は、まぶたを閉じる筋肉である「眼輪筋(がんりんきん)」が過剰に緊張して開きにくい状態であるともされ、眼輪筋を広範囲に切除する手術が行われたりします。
手術方法としては、眼瞼皮膚切除,眼輪筋切除術(広範囲切除術および部分切除術),Müller 筋縫縮術,前頭筋吊上げ術(frontal sling/suspension),皺眉筋切除術などで、いわゆる眼瞼下垂症手術と同等のものと言えます。
また、神経への外科的アプローチとしては、顔面神経切断術がありますが、再発が多く、顔のほかの部位が麻痺することがあるといった欠点があり、通常行われることはないと言えます。
また、眼瞼痙攣と似た疾患として、片惻顔面痙攣という疾患があり、この疾患の場合には、顔面神経が血管によって圧迫が原因の場合があり、その圧迫を手術により取り除くことで治ることが期待できます。
しかしながら、顔面痙攣の場合は、片側顔面痙攣よりも中枢の脳神経の異常と考えられており、結果として、顔面神経の微小血管減圧術を行ったとしても治らないと分かっております。
しかし、いずれの手術を行ったとしても、一時的には改善することが多いのですが,大部分のケースで最終的には眼瞼けいれんの再発がみられ,結局はボトックス療法を再開せざるを得ない状態です。
特に、眼輪筋広範囲切除術を行っていた場合には、術後瘢痕組織へのボットクス注射となり、注射時の疼痛が術前よりも強くなってしまうので、注意が必要です。
さらには、眼瞼痙攣を眼瞼下垂症と誤診され、眼瞼下垂症手術を受けたケースや、眼瞼痙攣の治療として受けた手術を受けたケースでは、逆に、手術を受けたばかりに眼瞼痙攣が重症化するケースもあります。