眼瞼下垂の基礎知識

眼瞼下垂の症状「眼咽頭遠位型ミオパチー」

髙田 尚忠

日本国内でみられる遠位型ミオパチーのなかでも、「縁取り空胞(ふちどりくうほう) 型)、「三好(みよし)型」と違って「眼咽頭遠位型(がんいんとうえんいがた)ミオパチー」は確かな原因が明らかになっておりません。

また、難病情報センターのWEBサイトに「『超』希少疾病」と記されているように、同じ遠位型ミオパチーのなかでも患者数からみて最も希少な「指定難病」と言うことができます。

中高年世代の男女で発症し、両側(まれに片側)の目の「眼瞼下垂(がんけんかすい)」に関わる緒症状や、食物が飲み込みにくくなる「嚥下困難(えんげこんなん)」が生じます。

また、咽頭筋が弱くなるため、言葉がはっきりしなくなることで気づく場合もあります。

さらに10年以上経過して症状が進行すると、眼球運動を司る外眼筋(がいがんきん)、目・鼻・口・耳の開口部に広がる顔面筋(表情筋)の能力低下、舌の萎縮や脚の筋力の低下までを伴うようになり、歩行障害に陥る事態も引き起こされます。

歩行がしづらくなる場合は、前頸骨筋(ぜんけいこつきん)に障害が生じています。

前頸骨筋とは、膝下の外側から土踏まずまで続いている長い筋肉で、歩く際につま先を持ち上げる役割を果たしています。

一方で眼咽頭遠位型ミオパチーは、光の量を調節する虹彩筋(こうさいきん)と、目のレンズともいえる水晶体で遠近調節をする役目のある毛様体筋(もうようたいきん)の2つを総称する内眼筋(ないがんきん)や、全身に血液を送るポンプの機能を果たす心筋が侵されることはなく、視力や生命の危険に晒されることはないとされています。

遺伝性疾患ですので、原因となる遺伝子に変異がある方が発症しますが、現在のところ対症療法しかありません。

眼瞼下垂については、重症になった場合は手術が行われます。

待たれるのは新薬の開発などですが、患者数が少なくあまりに希少な疾病のため非常に困難なのが現状です。

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このブログの執筆者
髙田 尚忠
髙田 尚忠
高田眼科 院長|フラミンゴ美容クリニック/銀座Jクリニック/あさ美皮フ科 眼瞼手術担当
岡山大学医学部卒業後、郡山医療生活協同組合 桑野協立病院などの様々な医療機関を勤務し、現在は高田眼科の院長を務めつつ、関連クリニックの名古屋ののフラミンゴ眼瞼・美容クリニック、銀座のJ clinic、亀戸のあさ美皮フ科においても、眼瞼下垂手術を中心に多くの年間2000件以上の手術を行っています。「見え方(視機能)」と「日常の快適さ」を回復することを第一に、診察では原因(加齢・コンタクト・体質・既往手術など)を丁寧に整理し、必要な治療を分かりやすく説明すること心がけています。 このブログでは、眼瞼下垂の症状、治療選択、術後経過で不安になりやすいポイントなどを、専門医の立場からできるだけ具体的に発信しています。
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