瞼の くぼみ、サンケンアイ(sunken eyelid) は 眼瞼下垂手術で改善できます。
年齢が重ねるごとに、段々と目が窪む(くぼむ)状態になる方がおられます。
老化現象だから、しょうがないと諦めている方が多いと思います。
この悩ましい目の窪み(くぼみ)、言い換えれば、瞼(まぶた)のくぼみは、眼瞼下垂症と関係があります。
ちなみに、くぼんだ瞼のことを眼形成外科医はサンケンアイ(sunken-eye)と言います。
ちなみに、瞼(まぶた)が、くぼんでしまう人には、一定の条件があります。
- 腱膜性眼瞼下垂症があること
- 眉毛の挙上で眼瞼下垂症を代償していること
- 眼窩脂肪がほとんどない方(痩せてる方)
図で表すと、下記のようになります。
左図が目の窪みのあるサンケンアイ(sunkeneyelid)の模式図で、右側は平均的な日本人の模式図です。
眼瞼挙筋と眼窩脂肪はファシアで結合しているので、腱膜性眼瞼下垂でが外れると、眼窩脂肪は眉の方へずれてしまい、結果として、瞼が凹むこととなります。
それがサンケンアイなのです。
この状態を改善するには、基本的に手術となるわけですから、アプローチとしては、2通りあります。
①脂肪注入・ヒアルロン酸注入によるボリュームアップ
単純にボリュームが足らずに凹んでいるだけだと考えると、そこに注入することが考えられます。
一般的に美容外科では、この方法を選択することが多いようです。
基本的には、自費診療となります。
ヒアルロン酸であれば、概ね数年は持つような形になります。
どうしても、徐々に分解され、吸収・拡散し、再度の施術が必要になります。費用は施設により15万円程度となります。
次に、脂肪注入となります。
これは、二の腕やお腹から採取した脂肪を注射器に詰めて、注入する形になります。定着すれば、基本的に永久に持つと考えられております。
費用は、一般的には30万円〜になります。
注入法は、どちらにしても、盲目的に感覚で注入するので、一歩間違えると、眼瞼挙筋の動きを妨げる結果となり、開瞼(まぶたを開ける動き)の際に、引っ掛かりが出てしまう可能性があり、術者の熟練を要する部分があります。
当院としては、先ずは、一番の原因である眼瞼下垂症に対して、手術を行い、足らずの部分をフィラー(ヒアルロン酸注射、脂肪注入)などで補う方がリスクが少なくて良いと考えております。
②脂肪移植
眼瞼を切開して、下眼瞼などから採取した脂肪組織を移植する方法です。
採取しなければならないので、採取場所の傷跡の問題がありますが、きちんとした場所に直接設置するので、眼瞼挙筋の運動制限などのトラブルは避けやすいと考えられます。
③当院で行ってる眼輪筋移動術+腱膜固定術
睫毛側にある眼輪筋を尾毛側へ移動させ、凹みのボリュームを稼ぎつつ、腱膜を固定し直すことで、眼瞼挙筋とセットになっている眼窩脂肪を睫毛側へ移動させる。
以下の図で説明させていただきます。
概して、この手術により、ある程度のボリュームの改善を行うことが可能となります。
実際の手術症例を見てみましょう。
年齢・性別 | 70歳女性 |
治療内容・期間 | 眼瞼挙筋前転法・3ヶ月以上 |
リスク・副作用等 | 肥厚性瘢痕・炎症性色素沈着・眼瞼下垂症の再発 |
発生した有害事象 | 術後、皮下出血・ドライアイが見られたが消失。 |
費用 | 手術費用:15000円 術前術後検査:3000円 |
手術前は、目の上が窪(くぼ)んでおり、明らかなサンケンアイ(sunken-eyelid)の状態になっております。
眼瞼下垂症のよる瞼のタルミ、重み、挙げ辛さを主訴としてこられましたが、通常の眼瞼下垂症手術を行うだけでは、サンケンアイの改善は難しいと考えました。
痩せられているため眼窩脂肪が少ないのもありましたので、あえて眼瞼挙筋と眼窩脂肪とのファシアを剥離し、眼窩脂肪を下方へスライドさせ固定。
さらに、睫毛部分の眼輪筋を眉毛側のへっこんだ部分へ移動させることで、へこみ部分のボリュームをアップさ狭て頂きました。
結果として、非常にご本人も満足され、経過を診させていただいております。
お陰様で、非常に多くの手術経験があることから、柔軟に対応が可能となります。お気軽にご相談下されば幸いです。」手術直後に認められた麻酔による腫れも収まり、左右差のない綺麗な状態になっており、ご本人も非常に満足されております。
その後の経過について・・・・
1週間後に来られた際の状態を提示させて頂きます
このように、眼瞼の縁のアーチの出方も非常に自然で、二重の状態も落ち着きつつあるのがお分かりだと思います。
内出血も少なく、普通に眼鏡を掛け、マスクをすることで周囲の人からも特別に指摘されることなく過ごせてるとのことでした。