眼瞼下垂手術後のドライアイ・目のゴロゴロや違和感はなぜ?いつまで続く?

2026/03/20 修正・更新
眼瞼下垂とは、まぶたが垂れ下がって目を開けにくくなる状態です。
視界が悪くなって日常生活に影響を及ぼすおそれがあるほか、眠たい印象を与えたり目つきが悪くなったりと、見た目にも変化があらわれます。
眼瞼下垂は、まぶたを上げる眼瞼挙筋の衰えや、挙筋腱膜のゆるみが原因で生じる疾患で、手術によって改善が可能です。
一方、眼瞼下垂手術後には、目のゴロゴロや違和感などの副作用が一時的にあらわれる場合があります。
本記事では、眼瞼下垂手術後に目のゴロつき感の原因や、目の違和感はいつまで続くのか、早期回復のために気をつけたいポイントなどをまとめました。

眼瞼下垂手術後に目がゴロゴロする理由
一時的な兎眼によりドライアイとなるため
眼瞼下垂症手術は、瞼を開けやすくする手術と言えますが、逆に言うと、瞼を閉じにくくする手術といえます。
特に、手術直後は、傷の部分が炎症で固くなり引き攣るため、瞼を閉じる動きの抵抗、引っ掛かりとなります。
さらに、眼瞼下垂手術により、瞼を閉じる筋肉である眼輪筋をどうしても傷つけてしまうため、眼輪筋の筋力が落ち、目を閉じづらくなります。
この二つの理由から、傷が柔なくなり、眼輪筋の回復し、馴染んでくるまで、瞬きが浅くなったりして、一時的なドライアイとなります。
そのため、ドライアイ症状としてのゴロつきを自覚してしまいます。
創部の炎症により、瞼の裏側が結膜炎の状態となるため
眼瞼下垂手術では、まぶたの挙筋腱膜を瞼板に固定するために糸を使用します。
術後は一時的に瞼に腫れや内出血が生じ、瞼の裏側である結膜にも炎症が波及し、結膜炎となり、結膜炎症状として、ゴロゴロしたりすることがあります。
結膜炎となると、炎症性の分泌物により、涙の成分の質が悪くなり、結果として、ドライアイ症状が出ることもあります。

まぶたの組織を糸で縫い合わせるため
眼瞼下垂手術は、二重のラインを切開し、まぶたの中にある挙筋腱膜を糸で縫い縮めて瞼板に固定する方法が一般的です。

まぶたの組織を糸で縫合すると、瞼板に歪みが出てしまします。
瞼板は、タオルで窓を服用に、瞬目(まばたき)の際、眼球表面を綺麗に拭いて、涙の循環を助ける作用があります。
この瞼板に埋没縫合による歪みが出ると、眼表面の涙の循環が悪くなり、目がゴロゴロしたり異物感を覚えたりする場合があります。
窓を拭く際に、綺麗に折り畳まず、ぐちゃぐちゃにした状態のタオルで拭いても、拭き残しが出てしまうイメージです。

当院が行っているアジャスタブル瞼板縫合は、瞼板の歪みが出ないように考えた瞼板固定縫合となりますので、瞼板の歪みによる障害は出にくいと考えております。
患部が腫れて眼瞼圧が上がるため
眼瞼下垂手術によって生じるまぶたの腫れも、ゴロゴロ感や違和感を引き起こす原因です。
切開をした瞼は強い腫れが出やすく、腫れが出ている状態だと、瞼が眼球を押し付ける圧力である眼瞼圧が上がります。
結果的に、瞬目(まばたき)をするときに、摩擦抵抗が強い状態なので、角膜を含め眼球が違和感を強く感じるためです。
目のゴロゴロや違和感はいつまで続く?
眼瞼下垂手術後の目のゴロゴロや違和感は、多くの場合、一時的な症状です。
個人差はありますが、早い人で、手術から1〜2週間経てば気にならなくなります。
まぶたの腫れが引くにつれて、異物感も徐々に改善されていくのが一般的です。
腫れや糸による刺激については、糸が完全に馴染むまでには、1~3ヶ月程度かかる場合もあります。
まぶたの腫れが完全に引くまでには、通常、2~3週間程度かかります。
目をこすると、症状が悪化する可能性がありますので、こすらないようにしましょう。
長引く場合は受診を受けることが大事です。
先述のとおり、目のゴロゴロやまぶたの違和感は1〜2週間で自然に治まるケースがほとんどです。
それ以上経っても症状の改善が見られなければ、点眼薬など治療的なアプローチが必要となりますので、受診するようにしてください。
ただ、明らかな過矯正が原因となる場合には、早期に、糸を外して再縫合する手術を行うこともありますが、基本的には、そういったケースは少ないと言えます。
つまりは、極端な過矯正でなければ、適切な対応で、2−3ヶ月後には改善すると言えます。
早期回復のため気をつけたい日常生活のポイント
眼瞼下垂手術後は、日常生活のなかでまぶたに負担をかけないように気をつけると、目のゴロゴロや違和感などの副作用を早期に改善できる可能性があります。
ダウンタイム中の注意点を守らなければ症状が長引くだけではなく、後遺症を招きかねません。
主治医の指示に従い、安静に過ごしてください。
まぶたを冷やす
手術直後〜2日目までは、炎症反応によりまぶたの腫れが強く出ます。
傷口をしっかりと冷やすことで、手術した瞼の腫れがおさまり、また、知覚神経の興奮を抑えられ、目のゴロゴロ感が少なくなります。
患部を冷やす際は、できれば、専用のアイマスク「メオアイス」にて、やさしく傷口に当ててください。
また当院では、高田院長も開発に携わったアイスマスク「メオアイス」の使用を強く推奨しています。
メオアイス使用にあたっては、サランラップを一枚当てると、アイマスクが汚れず、安心して使用できます。
内服・外用薬(眼軟膏)・点眼薬を正しく使用する
手術後に処方される内服や外用薬を、医師の指示どおりに使用することも大切です。
多くのクリニックでは、感染対策としての抗生剤や、ケロイドを防ぐためのトラネキサム酸(トランサミン)、乾燥を防いで傷口の治癒を助ける抗生剤やステロイドの眼軟膏などが処方されます。
使用方法を守り、適切な頻度で服用・塗布することでダウンタイムの短縮が期待できます。
入浴はせずにシャワーで済ませる
まぶたの腫れが出ている間は、湯船に浸かるのは控えてシャワー浴にしましょう。

湯船に入ると体が温まって血流が促されるため、腫れがひどくなるおそれがあります。
手術当日はお風呂には入らず、翌日から抜糸までは、ぬるめのシャワーを短時間だけ浴びる程度にすると安心です。
また、感染症や再発のリスクを抑えるために、抜糸するまでは、洗顔や洗髪の際に傷口をできるだけ濡らさないようにすることも必要となります。
運動を控える
ウォーキングやジョギング、筋力トレーニングなどの運動は、抜糸以降に少しずつ再開していきます。
手術直後に激しい運動をすると、傷口が開いて副作用が悪化するおそれがあるため注意してください。
コンタクトレンズの使用を避ける
目のゴロゴロや違和感が残っている間は、コンタクトレンズの着用はおすすめできません。
付け外しの際に、皮膚に負担がかかり、術後炎症が長引いたり、埋没糸がゆるんで眼瞼下垂の再発のリスクを高めてしまいます。
最低でも術後1か月はコンタクトレンズを控えましょう。
禁酒、禁煙を厳守すること

アルコールの摂取は血行を促し、腫れが長引く原因となるため、術後2〜3日は飲酒厳禁です。
同様に、電子タバコも含めてタバコは、ニコチンを含む関係上、注意が必要です。
ニコチンは、傷口の治癒の期間を長くしてしまう効果があるからです。
できれば、腫れが完全に治まるまでは飲酒・喫煙を控えましょう。
まぶたに刺激を与えない
まぶたへの物理的な刺激を避ける工夫も欠かせません。
ダウンタイム中は傷口を触らないように注意するほか、傷が塞がったあとも目を擦ったりかいたりするのは控えてください。
まぶたを強く押す・引っ張るなどのマッサージもNGです。
眼瞼下垂手術後は、3か月ほど経てば傷口がほぼ目立たなくなり、まぶたの状態が安定します。
しかし、眼瞼下垂を再発させないよう、手術で治療したあとも、まぶたに負担をかけない生活を心がけましょう。
眼瞼下垂手術後のダウンタイムについては、下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。

眼科でできる“医療的治療アプローチ”(点眼/涙点プラグ)
術後のゴロゴロ感は「時間が解決する」ことも多い一方で、その間に角膜が荒れてしまうと症状が長引くことがあります。
未来志向でいくなら「我慢」より「角膜を守って回復を前倒し」が合理的です。
まずは角膜を“守る”点眼(人工涙液/ヒアルロン酸/ゲル・軟膏)
兎眼(閉瞼不全)由来の乾燥では、軽症〜中等症の段階で潤滑(lubrication)を厚くするのが基本です。
露出性角膜障害(Exposure keratopathy)の保存的治療として、軟膏による潤滑から開始し、状態を見て人工涙液ゲルの使用を検討します。
さらに(必要なら)涙点プラグを早期に検討する、という提案が示されています。
“どの目薬が合うか”を整理したい方へ:TFOT(涙液層指向型治療)
ドライアイ点眼は「水を足す」だけではなく、涙の3層(油・水・ムチン)と炎症のどこが崩れているかを見て薬を組み立てます(TFOT:涙液層指向型治療)。
全体像は下記にまとめています。


また、国内ガイドラインでも、人工涙液は選択肢として提案されておりますが、それよりも、ヒアルロン酸・ジクアホソル・レバミピド・涙点プラグは、従来治療より症状や上皮障害を改善し得る治療としてより推奨されております。
「目薬をさしてもすぐ乾く」タイプの次の一手:涙点プラグ
術後のドライアイで「点眼してもすぐ乾いて追いつかない」場合は、「足す」より「留める」が勝ちやすい場面があります。
代表が涙点プラグで、涙の出口(涙点)を部分的に塞ぎ、目の表面に涙を滞在させる治療です。

なお、医学的な考え方では、涙点閉鎖は涙を「溜める」一方で、炎症性物質を含む涙の滞在も長くし得るため、同時に、眼表面の炎症を整えることも推奨されています。
そのためにも、術後の炎症管理が非常に重要となります。
夜間の露出が強い場合:軟膏+テーピング/モイスチャーチャンバー
術後の兎眼は、実は夜に角膜が露出しやすいのが厄介ポイントです。
中等度〜重症の露出性角膜障害では、夜間にモイスチャーチャンバー(保湿環境)や眼瞼テーピングが有用、という具体策が示されています。
その他眼瞼下垂手術後に起こり得ること

目がゴロゴロする症状以外にも、眼瞼下垂手術後には腫れや目の閉じにくさ、内出血など、さまざまな不調があらわれる場合があります。
腫れが引かない・内出血が生じる
患部の腫れは術後2日目がピークで、その後は1〜2週間ほどかけて徐々に落ち着いていきます。
遅くとも1か月経てば気にならなくなるでしょう。
腫れが引かない場合は、外部からの刺激などにより傷が炎症を起こしているおそれがあります。
2週間経っても回復する傾向がなければ、早めに担当医に相談してください。
腫れや赤みのほか、目の周りの内出血も術後にあらわれやすい症状です。
2週間ほどで目立たなくなりますが、完全に消えるまでには1か月程度かかる可能性があります。
目を閉じにくい・目が開きすぎる
眼瞼下垂手術は、ゆるんだ挙筋腱膜を糸で固定して、目の開きにくさを改善する手術です。
手術直後は固定が強い状態のため、一時的に目を閉じにくくなったり、目の開きが大きくなったりする可能性があります。
とくに、目が閉じなくなる状態である「兎眼(とがん)」は、眼瞼下垂手術後に起こりうる代表的な症状です。
ほとんどの場合、時間の経過とともに解消されますが、明らかな過矯正が見られる場合は再手術が必要となります。

当院での保険診療による手術の場合には、皮膚切除を3mm以下に制限をかけているのは、眼瞼皮膚の過剰切除は、治癒が困難となる兎眼を防ぐという意味合いもあります。
やはり、皮膚切除を多くすればするほど、経験的に術後のドライアイ症状の出現率が増してしまうと言えます。
ドライアイになる
術後に目が閉じにくくなると、目が乾いて涙が蒸発しやすくなるため、ドライアイにつながります。
また、普段よりもまぶしく感じて、涙目になったり目やにが増えたりするケースもあります。
視界がぼやける
眼瞼下垂手術によって永続的に視力が低下する心配はありません。
また、術後ドライアイ症状による過剰な涙目、角膜のドライアイ傷により、視力が不安定になる可能性があります。
また、眼瞼下垂手術後は、眼瞼圧の変化や一時的なコンタクトレンズの使用中止により、角膜の形状が変化するため、視界がぼやけて視力に影響を及ぼす場合があります。
知覚神経の障害による一時的な感覚障害
手術を受けた部分の感覚がなくなる、痺れた感じを覚えるなどの症状が出る方もいます。
こうした神経感覚の異常は、手術によって末梢神経が損傷するために起こります。
末梢神経は、触覚や痛覚、温度覚などの皮膚感覚を中枢神経に伝える役割をもつ神経です。
とくに、老人性の眼瞼下垂の手術では皮膚の切除が必須となるため、末梢神経を傷つける可能性が高く、術後の感覚に異常が出るケースが多く見られます。
末梢神経は通常、3〜6か月で自然に治癒しますが、心配な症状がある場合は担当医にご相談ください。
まとめ
今回は、眼瞼下垂手術後に起こりうる目のゴロゴロの原因や、早期回復のためのポイントについて解説しました。
目のゴロゴロや違和感は、糸の使用や術後の腫れにより眼球が圧迫されるために起こります。
眼瞼下垂手術を受けた多くの方が経験する症状であり、通常は1〜2週間で気にならなくなるため、それほど心配はいりません。
早期回復につなげるためにも、術後の注意点を守り、まぶたに負担をかけない生活を送りましょう。
痛みが強い場合や、症状の改善がなかなか見られない場合は担当医に相談してみてください。
眼瞼下垂手術後のゴロゴロ・目の違和感に関してよくある質問
- 眼瞼下垂手術後のゴロゴロ感はどのくらいの期間続きますか?
-
個人差はありますが、通常は手術後1~2週間程度で徐々に改善していきます。
- ゴロゴロ感が強い場合、何か対処法はありますか?
-
人工涙液や目薬を使用することで、症状を和らげることができます。詳しくは担当医にご相談ください。
また、冷やすことで一時的に症状が和らぐ場合があります。ただし、目に直接冷やし過ぎないよう注意してください。
- 眼瞼下垂手術後、目の違和感が続く場合は医師に相談すべきでしょうか?
-
手術後1ヶ月以上経っても強い違和感が続く場合は、医師に相談することをおすすめします。
- ゴロゴロ感や違和感は、手術の失敗を意味するのでしょうか?
-
一時的なゴロゴロ感や違和感は手術後の正常な反応であり、手術の失敗を意味するものではありません。
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