基本の話

偽眼瞼下垂の症状「眼瞼内反症」

2020.5.29 記事内容を修正・更新しました。


 「眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)」は、まぶたの縁が眼球側に向かって倒れている(内反)状態になる疾病です。

 

内反とは、字の如く、瞼がひっくり返る状態になります。

 

高齢者に発症することが多く、主に下まぶたの方に症状がみられ、両目あるいは片目だけの発症もあります。

 

睫毛が眼球に当たることになり、非常に異物感が強く、辛い状況です。

 

逆さ睫毛と内反症のイラスト

 

下眼瞼において起こる眼瞼内反症は、上眼瞼とは発生の機序が異なっております。

 

まず、下眼瞼の内反症の機序を説明しますと、目のまわりを覆っているドーナッツ状の筋肉で、まぶたの開け閉めに関わるのが眼輪筋(がんりんきん)」なのですが、加齢にしたがって、皮膚組織と共にゆるんでしまいます。

 

さらに、眼球の周囲の脂肪眼窩脂肪が上眼瞼から下眼瞼の方へ移動することで下眼瞼のボリュームが増えてしまい、下眼瞼の縁が押し出されてしまうことで発生します。

 

上眼瞼については、眼瞼挙筋が働いているので、まぶた自体が下眼瞼の眼瞼内反症のように、ひっくり返るようなことはおこりません。

 

どちらかといえば、眼瞼下垂症が合併することで発生します。

 

眼瞼挙筋は、まぶたを引き上げると共に、睫毛を引き上げる作用もあるのですが、眼瞼下垂症が発生すると、この眼瞼挙筋の効果が薄まり、睫毛は、下に向いてしまいます。

 

さらに。眼輪筋、皮膚組織のユルミが合わさることで、睫毛が目にあたります。

 

つまり、皮膚弛緩性の眼瞼下垂症ともいえます。

 

つまり、上眼瞼の眼瞼内反症について言えば、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の症状が出るのですが、実際は「偽(ぎ)眼瞼下垂」と呼ばれ区別されます。詳しくは”偽眼瞼下垂症とは? 眼瞼下垂症との違いを分かりやすく説明します。”をご参照ください。

 

眼瞼内反症は、まつげを抜くと一時的に症状が改善するのですが、まつげが生えると再発してしまいます。

一方で、加齢によって引き起こされるのではなく、生まれつき、つまり先天性の眼瞼内反症も存在し、日本人には多く見られます。

 

ふくよかな顔立ちで、まぶたの皮膚がふっくらしている乳幼児に発症することが多く、この皮膚にまつげが押されて眼球の側に向いてしまうことが原因となります。

 

成長するにつれて大人の顔立ちになると改善されるケースもありますので、小学校高学年を迎えても気になる場合は手術を選択することになります。

同じ「内反」が付く疾病として、眼瞼がひっくり返らず、まつ毛だけが内側に倒れてしまう「睫毛内反(しょうもうないはん)」と区別されております。

 

俗に「逆さまつ毛」といわれる症状で、本来は外側を向いているはずのまつ毛が内側を向き、眼球に触れてしまっている状態で、眼の表面(角膜や結膜に)を傷つけることがあります。

 

したがって、まつ毛が眼球に当たって痛みを感じますし、パッチリとした目の印象にならないなどの悩みが生じます。

 

乳児期から幼児期に多くみられ、軽度の睫毛内反は乳幼児では珍しくありませんし、通常は5~6歳までに自然に治癒しますが、小学校高学年になっても完治しない場合は専門医に相談してみてください。

 

一方で、壮年期以降にみられる逆さまつ毛の多くは、加齢による眼瞼内反症によるものです。

いずれにしても、眼瞼の構造に問題がある疾患と言えますので、手術による改善が一番といえます。

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