眼瞼下垂症こぼれ話:涙目(流涙症)について
一般眼科診療を行っていると、涙目という症状のご相談頂く事が、よくあります。
この涙目は、実は、対極にある疾患である 乾き目(ドライアイ)よりも、厄介だったりします。
治療方法は、
- 点眼
- 涙道洗浄
- 涙管ブジー
- 涙管チューブ挿入
- 涙嚢鼻腔吻合術(DCR)
等がメジャーな治療法であります。
これらは、涙の排水路ともいうべき、涙管が何らかの理由で詰まったりして涙が流れなくなってしまい、涙があふれる状況を治す治療です。
当院でも、①~④までの治療を行っております。
④の涙道チューブ挿入というのは、優れもので、90%程度の涙目が解決します。
これで、治らなければ、⑤の手術となります。
今日は、2週間前にチューブを入れさせて頂いた患者様のチューブを取り外しました。
取る前は、こんな感じで、上下の涙点から鼻の奥までチューブが通っております。
非常に繊細で複雑な通路であるため、頭の中で3次元的に涙道をイメージしないと、チューブを通すことはできません。
当院には、涙道内視鏡と呼ばれる内視鏡カメラを所有しておりますので、実際に、カメラで確認をすることも可能となっております。
この方は、長年、涙目で悩まされており、他院で、目薬をずっと処方され使用するが治らないために当院を受診してくださいました。
実は、ご家族が当院で眼瞼下垂症手術を受けて頂いており、その家族の勧めで受診してくださいました。
取るのは簡単で、ピンセットで引っ張ればスルスルと簡単に抜けます。
挿入するのは、少し難しくコツがいるのですが、なかなか優れた治療といえます。
当院では、予約制で、涙道チューブ挿入を行っております。
気軽にご相談ください。
また、一部の涙目も、眼瞼下垂症で引き起こされることがあります。これは、目尻の皮膚がただれやすいタイプに多いのが特徴です。
年齢を重ねていくと、瞼の皮膚が伸びてきて、余っていきます。
いわゆる瞼のタルミです。
この瞼のタルミが激しくなると、上眼瞼と下頑健の重なりが多くなり、瞬目(まばたき)をする度に、ポンプのように涙が皮膚に流れていく形になります。
今回、先のチューブを入れさせて頂いた患者様をご紹介くださった家族の方は、当院で眼瞼下垂症手術を受けていただいたら、涙目が治ったということでした。
そこで、当院への紹介となったわけです。
沢山の病気に接していると、同じ症状でも、様々なことが原因であり、ケースバイケースです。
私自身も発展途上ということを日ごろ意識して、驚きと発見をしながら成長していきたいと思っております。