眼瞼下垂症手術のこぼれ話(腫れを少なくするための顕微鏡)
小生は、医療法人二木会 横浜形成外科の総院長の二木 裕(にき ゆたか)先生に
眼瞼下垂症を含め形成外科についてのイロハから教えて下さいました。
先生は、今年で開業33年で、美容外科手術では第一人者であります。
大学4年生の頃、先生の医院を見学させて頂いて際に生まれて初めて、形成手術というのものを見せて頂きました。
(ちなみに、そのときの手術が眼瞼下垂症だったのは、何かの運命かもしれませんが)
そのときには、一生懸命に、瞼の解剖を解説して下さりながら、手術をしていただきました。
「教科書には出てないけど、これが瞼板前脂肪です。これが眼瞼挙筋腱膜で、その周りが少しヌルヌルして、潤滑油みたいな役割をしているのです。」とか、今でも覚えております。
加えて、私が、ずっと愛用しているエルマンのサージトロン(高周波メス)とも、このときに初めて出会いました。
言うなれば、眼瞼の解剖から、局所麻酔、高周波メスの器械など手取り足取り、ご指導頂き、まさに、教えの通り眼瞼下垂症手術を行っている小生であります。
しかしながら、ただ、一点、教えを守っていないのが、実は手術に顕微鏡を用いることです。
手術顕微鏡を用いることで、
- 止血を細やかにできること。(術後の腫れを抑えるためには重要です。)
- きちんと、組織を確認して手術を薦められる(専門的には、オリエンテーションがし易い)
- 当然、縫合などの操作が繊細にできる
- 最後に、術者(私)の疲れが少なく、また、将来、私に老眼が入っても、手術の腕が落ちない。
以上の理由から、手術顕微鏡下での眼瞼下垂症手術を行うこととしました。
二木先生は、「マイクロ(顕微鏡)でやる先生は、全体像が見えてないことが多いので、デザインが崩れる」と常々、おっしゃられてます。
そこで、私の顕微鏡は、広い範囲が見えるように、対物レンズを換え、全体像が見渡せるようにカスタムしております。
教えて頂いたことを大事にしながらも、自分のモノにするためには、工夫を積み重ねていきたいと思います。
ちなみに、二木先生は、私と同じ岡山大学医学部卒業で、母親の従兄弟にあたる親戚であったりしますので、手技の多少のカスタムはお許しいただけると思いますが、怖くて、顕微鏡のことは言えません。