ダウンタイムの少ない シミ取りレーザー ピコセカンドレーザーのススメ
ピコレーザーとは、1兆分の1秒単位のパルス幅のレーザーのことを言います。
パルス幅というのは、言い換えれば、照射時間のことで、これが短いというのは、それだけ短い時間しか照射していないということになります。
通常、シミ取りレーザー治療や脱毛レーザー治療に使用されるレーザーには、ピコセカンド以外には、ミリセカンド、マイクロセカンド、ナノセカンドのパルス幅のものが用いられます。
通常、レーザーは、照射することによって起こる熱反応で、対象とする組織を壊すことで効果を発揮させるのですが・・・・。ピコセカンドレーザーは、熱反応ではなく、その照射に伴う衝撃(インパクトウェーブ)により、対象とする組織(メラニン色素)を壊すことになります。
結果として、広く一般的に使用されるQスイッチレーザーのナノ秒のレーザーよりも、皮膚に与えるダメージが少なく、安全で効果的な治療を実現します。つまり、シミ取り治療にかかる治療回数が少なくなり、瘢痕・色素脱失のリスクが、より少なくないと言えます。
パルス幅の短縮以外に、用いるレーザー波長を選択することも大事だと言えます。
ちなみに、皮膚にできるシミというのは、基本的に、生まれたときからあるものではなく、皮膚の老化や日焼けなどによりできる後天的な色素沈着であり、濃いものもあれば、薄いものもあります。
そして、よくよく観察してみると、茶色っぽかったり、黒っぽかったり、青みがかっているなど色にもバリエーションがあります。その違いは、実は、メラニン色素の量と位置(皮膚内での深さ)が関係しています。
メラニン色素の位置が皮膚表面に近いほど茶色調が強まる傾向にあります。また、メラニン色素が増えたり、集積度が高くなると、こげ茶色や黒色に近くなってきます。
シミの原因であるメラニンを取り除く一番効率のよいレーザー波長は、532nmと言われておりますが、波長が短いと深い場所にあるシミに対しては、効果が少なくなります。
そこで、より波長の長い730nm や 1064nmの波長を選択し、使用することで、通常のレーザー波長では取り除きにく、シミにも対応が可能となります。
次に、ピコセカンドレーザーが得意とするタトゥー(刺青)治療についても、ご説明したいと思います。
刺青色素の熱緩和時間は、1nsec以下でありナノ秒レーザーでは理想的な治療結果を得ることが出来ないと考えられております。
※熱緩和時間とは、レーザーにより瞬間的に熱せられた熱エネルギーが、周囲に伝わって、その50%の温度に下がってくるまでの時間の事をいいます。 つまり、これよりも短い時間内に照射を終了すれば、拡散による周囲組織への熱傷害を最小限にすることができると考えます。
つまり、刺青の場合、皮膚のシミよりも熱緩和時間が非常に短いということになり、結果として、除去するためにはレーザーは、非常に短い照射時間にしないと、周りに皮膚組織に熱が伝わってしまい、色素を壊す前に、火傷を引き起こしてしまうと言えます。
したがって、ピコ秒レーザーは極めて短いパルス幅で照射することができるので、ピークパワーが高くなり衝撃波による光音響作用が主体となり、刺青除去治療の効率も上がり、火傷による瘢痕化や色素沈着などの副作用が少ない治療が可能となります。
当院の採用したピコセカンドレーザー Picowayについて。
パルス幅が短くなるほど光音響効果は大きく、ピークパワー・出力(ワットW数)よりも大きな影響を与える。PicoWayは現行機種で最もパルス幅が短く、光音響効果が大きく、光熱作用が小さい機種だと言えます。
Picowayは、他社のピコセカンドレーザーに比べて、現在において、唯一の本当の意味でのピコセカンドレーザーと言える機種となります。