ICLで老眼は治せる?適応条件とレーシックとの違いをわかりやすく解説

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40代に入ると、「最近、手元の文字がかすむ」「スマホを遠ざけないと見えづらい」そんな老眼のサインに気づく人が増えます。そこで、視力回復手術として人気のICL(眼内コンタクトレンズ)に興味を持つ方もいるでしょう。
この記事では、老眼の原因から老眼用ICL(多焦点IPCL)の仕組みや費用、レーシックとの違いまで、わかりやすく解説します。
40代以降にICLを検討する人が知っておくべき注意点や、実際の体験談、リスクやクリニック選びのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
自分の視力やライフスタイルに合った治療方法を見極めるための情報を、順を追って整理していきましょう。
この記事の著者

名前 / Name
高田 尚忠(たかだ なおただ)
高田眼科 院長|ひとみ眼科 / フラミンゴ美容クリニック 眼瞼手術担当医師
岡山大学医学部卒業後、郡山医療生活協同組合 桑野協立病院などの様々な医療機関を勤務し、現在は高田眼科の院長を務める。2022年3月より、名古屋市内の伏見駅近くのフラミンゴ眼瞼・美容クリニックを開院。
老眼は水晶体の硬化が原因!ICLでは治らない
老眼は、目の中にある「水晶体」が年齢とともに硬くなり、ピント調節がうまくできなくなることで起こります。そのため、ICLのようにレンズを挿入して視力を矯正する手術では、老眼の根本的な原因を治すことはできません。
ICLは近視や乱視の矯正には非常に効果的ですが、老眼は「ピント調整機能」の問題。つまり、レンズを入れても水晶体の動きが改善されるわけではないのです。
だから、ICLを受けても老眼を完全に防ぐことはできず、将来的に老眼鏡などのサポートが必要になるケースもあります。
老眼(老視)は、日本眼科学会および日本老視学会でも「加齢に伴う調節力の低下」により発症する生理的変化と説明されており、主な原因は水晶体の硬化と調節機能の低下です。角膜表面を変える屈折矯正手術やICLでは、この水晶体自体の老化を治療することはできません。
誰でも老眼になる可能性があり完全に防ぐ方法はない
老眼は、どんな人にも訪れる自然な加齢現象です。「目を使いすぎたから老眼になった」と誤解されがちですが、実際は生活習慣だけでなく、生物学的な老化が主な原因で老眼になります。
早い人では40歳前後から、遅くても50代には多くの人が自覚しますが、老眼を完全に防ぐことはできません。ICL手術やコンタクトレンズで視力を矯正しても、老眼そのものを避けることはできないのです。
もっとも、適切な治療や生活習慣の見直しによって、進行を遅らせたり見え方の不便を減らすことは可能です。そのため、40代以降は「老眼と上手に付き合う視力ケア」を意識することが大切です。
日本眼科学会および日本老視学会は、老視は40歳前後から誰にでも起こる加齢変化であり、「完全に防ぐ方法はない」と位置づけています。生活習慣の工夫は負担軽減には有効ですが、老視そのものの発症をゼロにはできないとされています。
ICL手術を受けても老眼にならないわけではない
ICL手術を受けると、近視や乱視が改善し、遠くの景色がクリアに見えるようになります。しかし、前述の通り老眼の原因は水晶体の硬化であるため、ICLを入れても老眼の進行を止めることはできません。
むしろ、近視が矯正されて遠くがよく見えるようになると、「手元が見えにくい」と老眼を自覚しやすくなる人もいます。これは手術の失敗ではなく、目のピント調整機能が加齢で衰えた自然な結果です。
そのため、40歳以降にICLを受ける場合、老眼の進行を見据えて「どの距離を優先して見やすくするか」を医師と相談することが重要です。また、老眼が進んだ場合には、後から老眼用のICLや遠近両用レンズに入れ替えるという選択肢もあります。
日本眼科学会「屈折矯正手術のガイドライン(第8版)」およびPMDAの承認資料では、有水晶体眼内レンズ(ICL)は近視・乱視など屈折異常の矯正を目的とした手術とされており、老視(調節力低下)を適応とはしていません。そのため、ICLを行っても加齢による老眼の進行は別に起こりうる点に注意が必要です。
老眼用ICL(多焦点IPCL)なら老眼を改善できる
ICLの中でも、老眼の見えにくさを補う「多焦点ICL(老眼用ICL/多焦点IPCL)」というタイプがあります。多焦点ICLは、遠く・中間・近くの3つの距離にピントを合わせる構造になっており、老眼による見えづらさを軽減できます。
多焦点ICLであれば、従来のICLでは難しかった「老眼世代の裸眼生活」が可能になるため、40代後半から50代の方に注目されています。
ただし、すべての人に最適なわけではないため、手術を受ける前に多焦点ICLの特徴や注意点などを理解しておきましょう。
遠近両用ICLの仕組みで遠・中・近を快適に見分ける
多焦点ICLは、レンズの内部に複数の焦点を持つ特殊な構造を採用しています。遠くを見るときは遠用ゾーンが、手元を見るときは近用ゾーンが作用し、自然にピントが切り替わる仕組みです。
このため、遠くの標識も手元のスマホも、どちらも裸眼で見やすくなります。特に「老眼鏡の掛け外しがわずらわしい」という人にとって、これは大きなメリットといえます。
また、多焦点ICLは水晶体を削らずに目の中に挿入するため、角膜の形状に左右されにくいのも特徴。そのため、強度近視や乱視がある人でも、適応範囲が広くなっています。
ただし、見え方には個人差があるため、事前検査で確認する必要があります。
コンタクトレンズに頼らず裸眼で遠近を見やすくできる
多焦点ICLを入れることで、日常生活の多くのシーンで裸眼視が可能になります。新聞を読む、パソコンを使う、車を運転するなど、こうした動作を眼鏡なしで行えることが増えるでしょう。
従来の老眼対策では、「遠く用」「近く用」と用途別に眼鏡やコンタクトを使い分ける必要がありました。しかし多焦点ICLは1枚のレンズで複数の距離に対応できるため、視界の切り替えをスムーズにできます。
そのため、仕事や趣味で視線の移動が多い人、眼鏡の着脱が負担になっている人には、特におすすめです。
手術後すぐは少しぼやけて感じることもありますが、慣れるにつれて自然な見え方に落ち着く傾向にあります。
デメリットはハロー・グレアや鮮明度の低下
多焦点ICLの代表的なデメリットは、「ハロー・グレア」と呼ばれる現象です。ハロー・グレアとは、夜間に街灯や車のヘッドライトなどの光がにじんで見えたり、まぶしく感じたりする現象です。
これはレンズの多焦点構造が光を分散させることが原因であり、夜間運転をする人はハロー・グレアに注意しなければなりません。
また、遠くや近くはよく見えても、中間距離の鮮明度が少し下がるケースもあります。
こうした見え方は次第に慣れていく人が多いものの、手術前に医師から十分な説明を受け、生活スタイルに合うか確認することが大切です。
ICLおよび多焦点/EDOF型フェイキックIOLにおいて、夜間のハロー・グレアやコントラスト感度低下などの光学的症状は、国内外の臨床研究でも代表的な副作用として報告されています。多くは時間とともに軽減しますが、夜間運転などが多い患者では術前に十分な説明が必要とされています。
出典:Nie L. Subjective and objective changes in visual quality after ICL surgery. Front Med. 2025.
通常ICLと老眼用ICLの費用と保険適用
ICL手術は高い技術を要する自由診療のため、健康保険は使えません。ただし、視力回復を目的とした医療行為として医療費控除の対象にはなります。
ここでは、一般的なICLと老眼用ICL(多焦点ICL)それぞれの費用相場、そして知っておくべき保険適用の範囲や税控除のポイントを解説します。費用を理解しておくことで、無理のない治療計画を立てられます。
通常のICLは両眼で50〜80万円前後
一般的なICL手術では、使用するレンズの種類やクリニックの設備、執刀する医師の経験によっても費用が変わりますが、両眼でおよそ50万〜80万円前後が相場です。ただし、乱視矯正タイプの「トーリックICL」を選ぶ場合は、さらに+10万円ほど高くなることもあります。
この金額の中には、術前検査・手術・術後のフォローアップなどが含まれているのが一般的です。また、保険適用外ではありますが、医療費控除を利用すれば所得税の一部が還付される可能性があります。
高額な手術ではありますが、長い目で見ると眼鏡やコンタクトのランニングコストを減らせるというメリットもあります。
老眼用ICLは両眼で70〜100万円前後と高額
老眼用ICLは、通常のICLよりも構造が複雑なため費用も高めです。相場は両眼で70〜100万円前後となり、クリニックによってはさらに高額になる場合もあります。
老眼用ICLは多焦点レンズの精密度が高く、適応検査や術後管理にも時間を要するため、その分のコストがかかります。もっとも、裸眼で遠近両方が見える利便性や生活の快適さを考えると、費用に見合った価値を感じる人も多いのが事実です。
高額ではあるものの、分割払いに対応するクリニックも増えているので、自分の予算と目的を踏まえて納得できる選択をすることが大切です。
医療費控除は使えるが保険適用外
ICL手術は「視力回復を目的とした治療」として、医療費控除の対象に含まれます。そのため、確定申告で手術費用の一部を所得控除として申請できます。
ただし、健康保険は適用されないので、医療目的として行う場合も自由診療扱いになる点に注意が必要です。
手術費用・検査代・薬代などを領収書付きで保管しておけば、確定申告時にまとめて控除申請が可能です。家族の医療費と合算して10万円を超える場合に対象となるため、申告を忘れないようにしましょう。
40歳以上でICLを受ける人の注意点
40代以降でICLを受ける場合は、「近視は治るが老眼は残る」ことを理解する必要があります。また、白内障との関係にも注意が必要です。
ICLは安全性が高い手術ですが、加齢に伴う変化を考慮したうえで最適な治療法を選ぶことが重要なので、ここでは老眼と白内障を踏まえた40代以降のICL適応のポイントを解説します。
近視は治っても老眼になるケースが多い
ICLで近視が改善すると、遠くの景色がくっきり見えるようになります。しかし、老眼の進行は止められないため、手元の文字が見えづらくなることはあります。
このため、40歳前後で手術を受ける人の多くは「遠くはよく見えるのに近くがつらい」と感じる時期を迎えます。これはICLの効果が薄いのではなく、老眼の自然な進行によるものです。
老眼を考慮した手術設計をすれば、遠近バランスを調整して快適な視力を維持できます。老眼が進行した際には、後から多焦点ICLに交換するという選択肢もあります。
45歳以上は白内障の有無を考慮して選ぶ必要がある
45歳を過ぎると、白内障の初期症状が出る人も少なくありません。白内障の初期症状は視界のぼやけなど、ICL手術後にまれに見られる合併症と似ていることがあります。そのため、ICLを検討する際は、白内障が進行していないか事前検査で確認することが大切です。
白内障がある場合は、ICLではなく「眼内レンズを入れ替える手術(多焦点眼内レンズ)」が適していることもあります。老眼と白内障の両方を見据えた治療計画を立てることで、将来の再手術リスクを減らせます。
45歳以上の方の場合、経験豊富な眼科専門医に相談することが重要です。
40代でICLを受けた人の体験談
実際に40代でICLを受けた人たちは、どのような見え方の変化を感じているのでしょうか?ここでは、2人の体験談を紹介します。
リアルな声から、手術後の見え方や老眼への影響を具体的にイメージしてみましょう。
43歳|手術後すぐ視界がクリアになった
43歳でICL手術を受けた女性は、術後すぐに「遠くの景色がくっきり見えるようになった」と話しています。長年メガネを使っていたため、裸眼で生活できる快適さに感動したそうです。
手元の見え方については、老眼の影響でややぼやけを感じることもありますが、普段の生活にはほとんど支障がないとのこと。手術後は数日で視力が安定し、仕事にも早く復帰できたといいます。
ただし、夜間の光が少しまぶしく感じることがあり、車の運転時には注意しているようです。
総じて「人生が変わった」と感じるほど満足度の高い結果となっています。
45歳|近視は改善したが老眼は残った
45歳の男性は、強度近視のためにICLを選びました。遠くがクリアに見えるようになり、メガネなしの生活に満足している一方、老眼はやはり避けられなかったと語ります。
新聞やスマホの文字は裸眼では見づらく、老眼鏡を併用しているとのこと。それでも「遠くの見え方が格段に良くなったため、仕事や趣味でのストレスは減った」と話しています。
老眼を完全に治す手段ではないことを理解した上で受けたため、後悔はないそうです。
「将来的に多焦点ICLへの入れ替えも検討している」と前向きに語っています。
ICL手術は高い安全性が実証されている
ICLは世界中で広く行われている視力矯正手術のひとつであり、その安全性は長年の臨床データで証明されています。角膜を削らずに目の内部へレンズを入れるだけの手術で、目の構造を大きく変えない点が、ICL手術の大きな特徴です。
将来的に状態が変化した場合でも、レンズを取り外して再治療できる柔軟さがあります。この可逆性こそが、ICLが多くの人に選ばれている理由の一つです。
取り外し可能という安心感がある
ICLは、手術で挿入したレンズを将来的に取り出したり交換したりできる仕組みになっています。そのため、老眼が進行した場合やより高性能なレンズが開発された場合、取り外すことができます。
これは、角膜を削るレーシックにはない大きなメリットです。「もし合わなかったらどうしよう」という不安を感じる人でも、ICLなら後から調整できる安心感があります。
この柔軟性こそが、特に40代以降の世代に支持されている理由です。
角膜を削らないため将来の治療にも対応できる
レーシック手術では角膜を削る必要がありますが、ICLでは削らずにレンズを挿入します。
そのため、角膜が薄い人や強度近視の人でも、手術できるケースが多くなります。
さらに、角膜を傷つけない分、将来の白内障手術や他の治療にも対応しやすいというメリットもあります。目の構造をできるだけ温存したまま視力を矯正できる点は、長期的な健康を考えるうえで非常に重要です。
特に医療技術の進歩を見据え、将来的に別の治療を受ける可能性がある人には、非常に適した選択肢といえます。
世界的な症例数が多く日本でも厚労省に承認されている
ICLはすでに世界80カ国以上で行われており、手術件数は累計で200万件を超えています。
その実績の多さが、安全性の高さを裏付けています。
日本でも、厚生労働省が正式に承認している視力矯正法であり、国内の多くのクリニックで導入されています。また、ICLを専門に扱う「認定医制度」が設けられており、一定の基準を満たした医師だけが施術できます。
こうした制度により、患者の安全性と手術の質がしっかりと担保されています。信頼できる医師を選べば、非常に安全性の高い視力矯正が可能です。
ICL手術に伴う短期・長期のリスク
どんな医療行為にもリスクはあります。ICLも安全性が高いとはいえ、手術後に一時的な違和感やトラブルが起こる場合があります。
ここでは、短期的・長期的なリスクに分けて、それぞれの症状や原因を説明します。リスクを理解しておくことで、万が一の際も冷静に対応できるようになりましょう。
PMDA審査報告書および長期追跡研究では、術後早期の眼圧上昇や炎症、長期的には水晶体混濁(白内障)やレンズサイズ不適合に伴うvault異常などが有害事象として報告されています。適切な術者選択と定期検診を行うことで、多くのリスクは早期発見・対応が可能とされています。
短期的リスク:感染症・眼圧上昇・炎症
手術直後は、体が異物(レンズ)を入れた状態に慣れていないため、数日〜数週間は軽い違和感が出ることがあります。
特に注意すべき短期的リスクとしては、以下の3つが挙げられます。
手術時の細菌混入が原因で感染症が起こる可能性がある
まれに、手術中の細菌侵入で眼内炎を起こすことがあります。もっとも、衛生管理を徹底した施設では非常にまれなことです。
眼圧上昇はレンズが目の中で水の流れを邪魔することで起きる
ICLが虹彩の後ろに設置されるため、房水(目の水)の循環が一時的に乱れることで眼圧が上がる場合があります。
術後の刺激や免疫反応で炎症が生じる
手術直後は、体の防御反応で軽度の炎症が起こることもあります。ただし、これは点眼薬で治まることがほとんどです。
長期的リスク:白内障やレンズ位置ずれに注意
長期間ICLを入れていると水晶体にわずかな刺激が加わり、白内障が進みやすくなる場合があります。特に加齢による老化と重なる40代以降では、この点に注意が必要です。
ICLが水晶体に影響を与えることで白内障が進みやすくなる
ICLは水晶体の前に配置されるため、長年の接触によって水晶体が濁ることがあります。
レンズが目の中で動いて位置がずれることがある
強い衝撃や体質の影響で、レンズの位置がわずかにズレる場合があります。定期検診で早期発見が可能です。
なお、これらのリスクは適切な術後ケアと定期検診でほとんど防げるので、信頼できる医師のもとで経過を見守ることが大切です。
ICLとレーシックの違い│どちらを選ぶべきか?
ICLとレーシックはどちらも人気の視力矯正手術ですが、仕組みや特徴が大きく異なります。ここでは、老眼世代にとってどちらが向いているかを比較しながら解説します。
ICLはレンズを入れる「可逆的」な手術、レーシックは角膜を削る「非可逆的」な手術。その違いを理解することで、自分に合った方法を選びやすくなります。
日本眼科学会ガイドラインでは、レーシックなど角膜を削る手術は「不可逆的」であり角膜形状に制限がある一方、有水晶体眼内レンズは可逆的で強度近視や角膜が薄い症例にも適応しうると整理されています。どちらも老眼そのものの治療ではなく、患者の年齢・屈折度・角膜形状・将来の白内障手術などを考慮して選択すべきとされています。
ICLはレンズ挿入で可逆性があり強度近視にも適している
ICLは目の中にレンズを挿入して視力を矯正する手術であり、角膜を削らないため、強度近視や角膜が薄い人でも手術が可能です。
さらに、可逆性があるため、後からレンズの交換や取り外しができます。そのため、将来的に老眼や白内障が進んでも柔軟に対応できる点が、大きなメリットです。
費用は高めであり、医師の技術によって仕上がりに差が出る場合もありますが、長期的に見れば目の健康を保ちやすい選択肢といえます。
レーシックは角膜を削るため老眼には不向き
レーシックは角膜をレーザーで削って形を変えることで、視力を矯正する手術です。しかし、老眼は水晶体の問題で起こるため、角膜を削るレーシックでは根本的な改善はできません。
また、一度削った角膜は元に戻せず、加齢とともに角膜が変化すると再手術が難しくなることもあります。
そのため、40代以降で視力回復を目指す人には、角膜を温存できるICLのほうが適しているといえるでしょう。

ICLと老眼治療を見据えた手術の流れとクリニック選び
ICL手術は、術前検査から術後の定期検診までの流れをきちんと理解しておくことが大切です。また、老眼や白内障の進行を考慮し、経験豊富な医師・クリニックを選ぶことが成功の鍵です。
ここでは、老眼世代に向けたICLの手術ステップをわかりやすく紹介します。
日本眼科学会の屈折矯正手術ガイドラインでは、屈折矯正手術は日本眼科学会認定眼科専門医であり、前眼部疾患と眼光学に精通した術者が、指定の講習を受講したうえで行うべきとされています。ICL専門医制度(JSCRSなど)も整備されており、老視・白内障を見据えたカウンセリングと長期フォローが可能な施設を選ぶことが推奨されます。
老眼の進行度を眼科で確認してICLが適応可能か判断する
まずは、老眼の進行度や白内障の有無を詳しく検査します。
ICLが適応できるかどうかは、角膜の厚さや目の奥の状態などによって決まります。老眼が進行している場合、通常ICLではなく多焦点ICLを提案されることもあります。そのため、検査を受けずに「自分はできるはず」と判断するのは危険です。
最初にしっかりと医師の診察を受け、自分の目に合った方法を見極めることが、失敗をしない第一歩です。
老眼を考慮したICL手術の流れと術後検診
ICL手術は一度きりの施術ではなく、検査・手術・アフターケアまでの流れを丁寧に進めることが大切です。特に40代以降では老眼や白内障の影響も考慮しながら、視力を安定させるための段階的な管理が欠かせません。
ここでは、手術前から定期検診までの流れを順に解説します。
手術前:通常ICLか多焦点ICLかを決めるレンズ選びが重要
視力やライフスタイルに合わせて、どの距離を重視するかを決めます。
手術当日:老眼世代は回復に個人差がある
若年層よりも視力が安定するまで時間がかかる場合があります。焦らず回復を待ちましょう。
術後検診:遠方だけでなく近方の見え方もチェックされる
検診では、遠近それぞれの視力バランスを確認し、最適な見え方を維持します。
定期検診:老眼の進行や白内障発症を見据えた定期検診が必要
年に1〜2回の検診を継続し、目の健康状態を長期的に管理します。
45歳以上は老眼や白内障に詳しい症例豊富な認定医を選ぶ
45歳以上になると、老眼や白内障のリスクが重なるため、一般的なICL経験だけでは十分とはいえません。症例数が多く、老眼世代の手術経験が豊富な「ICL認定医」を選ぶことが重要です。
認定医は、術前検査から手術・フォローアップまで一貫して管理する体制が整っています。
また、老眼用ICLや白内障治療にも精通しており、将来を見据えた提案が可能です。
クリニック選びは「価格」よりも「医師の経験」と「説明の丁寧さ」で判断するのが失敗しないコツです。

ICLと老眼治療に関するよくある質問
最後に、ICLと老眼に関してよく寄せられる疑問をまとめます。
老眼にならないのか? 手術後に進行したらどうするのか?これらの不安を解消することで、手術に対する理解が深まります。
ICLをしても老眼にはならない?
ICLをしても老眼を防ぐことはできません。ICLは近視や乱視を矯正するもので、老眼の原因である「水晶体の老化」には直接影響しないからです。
ただし、視界全体がクリアになるため、老眼の進行を早く感じることはあります。これは手術の失敗ではなく、自然な加齢現象です。
また、老眼の兆候が出ても、多焦点ICLへの交換や老眼鏡の併用などで対処可能です。
ICL手術後に老眼になったらどうすればいいですか?
手術後に老眼が進行した場合は、次の3つの方法があります。
- 多焦点ICLに交換する
- 老眼鏡を併用する
- 白内障手術と同時に多焦点眼内レンズに入れ替える
どの方法を選ぶかは、目の状態と生活スタイルによって異なります。
老眼の進行は自然な現象なので、焦らず医師と相談しながら最適な対策を取りましょう。
45歳以上は老眼用ICL(IPCL老眼対応)と通常のICLはどちらを選ぶべき?
40代後半以降であれば、遠近両用の老眼用ICL(多焦点IPCL)が候補になります。ただし、見え方の慣れに時間がかかる人もいるため、必ず事前検査で確認が必要です。
「遠く重視」「近く重視」など、生活に合わせたカスタマイズも可能です。日常的に運転をする人や、夜間の光が気になる人は、通常ICLの方が快適な場合もあります。
これらを踏まえたうえで、医師と相談し、自分の生活に合う選択をすることが大切です。
ICLとレーシック、老眼世代にはどちらがおすすめ?
老眼が始まる40代以降には、ICLの方が適しているケースが多いでしょう。レーシックは角膜を削るため、将来的な再手術や白内障手術に影響が出る可能性があるからです。
ICLなら角膜を削らず、将来の変化にも対応できる柔軟性があります。費用は高めですが、長期的な目の健康を考えるとリスクが少ない選択といえるでしょう。
実際に、加齢による変化を前提に「老眼になっても対応できる視力矯正法」としてICLを検討する人が増えています。
まとめ:自分に合った老眼治療とICLの選び方
老眼は誰にでも訪れる自然な変化ですが、ICLを上手に活用することで、快適な視生活を保つことができます。ICLは老眼を完全に治すものではないものの、見え方の質を大きく改善できます。
老眼用ICLや多焦点レンズを含め、自分のライフスタイルに合った方法を選ぶことが大切です。信頼できる医師と相談しながら、将来を見据えた目の健康づくりを始めましょう。








