診断の話

偽眼瞼下垂の症状「デュアン(Duane)症候群」

2020.6.26 記事内容を修正・更新


デュアン症候群

 「デュアン(Duane) 症候群」の症状は、大きく次の3つに分けられ、I、II、III型と呼ばれて分類されています。

I型は、片方の目の外転障害(眼球が外側に動きにくい)があり、内転はほぼ正常の場合が多いのですが、時折、内転障害(眼球が内側に動きにくい)もみられます。デュアン(Duane) 症候群の8割以上がこの型だといわれます。


「眼瞼下垂(がんけんかすい)」に似た症状が出て「偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)」と呼ばれるのは、このⅠ型のケースが多いようです。

もちろん、デュアン(Duane) 症候群は、乳児期に認められなくても、生まれた時から存在しているので、先天性疾患です。

しかしながら、眼瞼挙筋自体に異常があるわけではないので、眼瞼下垂症の分類としては、先天性眼瞼下垂症ではなく、偽眼瞼下垂症となります。

どちらかというと、患眼が、他の目よりも小さく見える感じです。

左右差でわかる程度の軽度に瞼が下がっているようなイメージです。


いずれにしても、非常に稀な疾患だと言えます。


II型は、Ⅰ型の「外転」とは逆に片方の目の内転障害(眼球が内側に動きにくい)があります。

III型は、Ⅰ型とⅡ型の両方の症状が一つになった型で、片方の目の外転(眼球の外側の動き)と内転(眼球の内側の動き)に共に障害が発生します。

症状はこのように片方の目に生じる場合がほとんどで、症例としては左側に発生する場合が多いようです。ただ、まれに両方の目に症状が生まれるケースもあります。

原因としては、多くのケースで「外転神経核(がいてんしんけいかく)」とよばれる脳神経核の欠損あるいは形成不全が挙げられます。

神経核とは、中枢神経系(全身に指令を送る神経系の働きの中心となる部分で脳と脊髄からなる)のなかにある灰白質(かいはくしつ/ニューロン=神経細胞の細胞体が集まる場所)で、神経系の分岐点や中継点となっている神経細胞群を指します。

外転神経核は、12対ある脳神経の一つである6番目の脳神経で、「外直筋(眼球を外側に向けるための筋肉)」を支配します。

デュアン(Duane) 症候群は、この外直筋の神経支配に異常が発生して起こる先天性の眼球運動障害とされています。

遺伝性が認められないことがほとんどですが、特定の家族に頻度が高く発症することもあり、遺伝形式は常染色体性優性遺伝が多いといわれます。また、聴力障害や脳神経麻痺などとの合併症を発症するケースも目立ちます。

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