待ち時間の短縮のためにTOC(theory of constraints):制約理論
先日、患者接遇マナーと題した 製薬会社主催の講演に参加しました。
製薬会社主催の講演会というのは、どうしても、自社の製剤や、それに関連した疾患についての題目が多いのですが・・・。
その講演の中で、患者からみた医院選びのポイントを表にして、順位付けしていました。
その中で、院長の人柄や説明、スタッフの接遇などを上位にあげておりましたが、待ち時間の少なさというのが何気に高い順位にあったのに目を引きました。
加えて、講師の方も待ち時間についての自験例を話しておりました・・・・接遇が大事という題目なのに・・・・。
そこで、今回、その待ち時間短縮についての小話をしてみたいと思います。
開院当初、当院は待ち時間が非常に長く、待合室でまってる患者さんの表情は待ちくたびれて、うんざり顔をしている状態でした。
3時間待ちなんてことも当たり前な状況だったと思います。
しかし、今では、1時間お待たせすることも珍しくなりました・・・・
ここで、小生の愛書「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」の登場です。小生は、ビジネス書を読むのが大好きです。
この本の内容は、機械メーカーの工場長である主人公を中心に繰り広げられる工場の業務改善プロセスを主題にした小説です。
難しい難解な専門書ではなく、今、話題の「半沢直樹」の原作のような小説です。
小説を読んで、ビジネス理論を学べます。
実は、この本は、世界で250万部売れたにもかかわらず、17年もの間日本での出版だけが認められなかった。いわば「幻の名著」でした。
長い間日本で出版されなかった理由は、「日本人は、部分最適の改善にかけては世界で超一級だ。その日本人に『ザ・ゴール』に書いたような全体最適化の手法を教えてしまったら、貿易摩擦が再燃して世界経済が大混乱に陥る」というのが出版を著者が拒否し続けたからでした。(Amazonより一部抜粋)
眼科診療所というのは、ある意味、小説の中に登場する機械メーカーの工場に例えることができます。
この本には、その工場(眼科診療所)の効率を大幅にあげるための秘訣が書いてあります。
TOC(theory of constraints):制約理論 といわれる理論です。
小生は経営者という立場では、このTOCというのを常に意識しております。
これは、難しくなく、単純にボトルネックを考え、それを改善することを繰り替えすことで、スケジューリングをスムーズにする理論です。
例えば、視力検査台で患者さんの流れが滞っているのであれば、視力検査台を増やす。(当院では検査台3台⇒5台に増設)。
そのせいで、レフケラトメーターの検査、眼圧検査で滞るようになったのであれば、トノレフを2台にして増設。
そこで、診察で滞るようになったのであれば、診察を工夫する。
具体的には、散瞳検査で時間を食うようになっているのであれば、散瞳検査不要の超広角レーザー走査眼底カメラを導入し、散瞳検査にかかる時間を節約する・・・・。または、代診の医師を確保して2診体制にする。
このような形で、日々、工夫に工夫を重ねて、患者さんの待ち時間を短くするようにしております。
しかしながら、非常に多数の来院になると診療が滞り、ご迷惑をお掛けすることになるかもしれません。
今後も、より診療所の効率化=待ち時間の短縮化の工夫を積み重ねていきたいと思いますが、当院の目下の課題は、手術の待機期間です。
現在、当院の眼瞼下垂症手術の待機期間が、3ヶ月近くになっております。
この点でも、ご迷惑をお掛けしておりますが、早急に改善するように、日々、フル活動で手術をこなしている日々でございます。
よりスムーズに手術を受けて頂けるようにしていきたいと思います。
最後に、「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」読んでみて下さい。お勧めですよ。