眼瞼下垂の基礎知識

局所麻酔の追加は、「悪」@眼瞼下垂症こぼれ話。

Dr.髙田

今回は、麻酔についての当院でのコダワリを説明したいと思います。

当院での眼瞼下垂症手術の麻酔は、局所麻酔で行っております。

言ってしまえば、歯医者さんで一般的に使用されている注射の麻酔です。

その注射を極細の針を使用して、瞼の皮膚に注射をいたします。

当院では、瞼の裏、つまり、結膜には注射をしておりません。

疼痛(傷み)が強いのですし、必要がないのです。

(眼瞼下垂症手術の体験談で話題になる ヒドイ麻酔の痛みは結膜への注射が大きいと思いますし、麻酔の針が見えますから、精神的な負担は強いとも言えます。)

さて、麻酔をすることで、

  1. 手術中の痛みを無くすこと
  2. 出血を抑えること

が出来ます。

麻酔が効かない方は、出血が多かったりします。

これは、局所麻酔には、エピネフリンという血管を収縮させる成分が入っております。

これにより、出血が抑えられるのですが、麻酔の効果時間を長くするメリットもあります。

ドクターによっては、2種類の麻酔を混合して局所麻酔を行っておりますが、混ぜることでエピネフリンの濃度が下がり、出血が増え、また、逆に、麻酔の効果時間が少なることと思い、当院では、単剤で行っております。(異論はあると思いますが・・・・、私のコダワリです。)

眼瞼下垂症手術において、麻酔が悪い方向に働くことがあります。

それは、筋肉への作用です。

麻酔をすると筋肉が痺れます。

眼瞼下垂症手術は、言ってしまえば、筋肉(眼輪筋、眼瞼挙筋、ミューラー筋)を調整する手術ですから、麻酔が効きすぎると、術中の眼瞼下垂症手術の効果の判定に影響が出ます。

つまり、筋肉に麻酔が強く作用すると、筋肉が痺れ、開瞼が、極端に弱くなります。

当然、麻酔が切れると、術後、筋肉の痺れが取れ、過矯正になります。

それが、眼瞼下垂症における予期せぬ術後の過矯正のメカニズムなのです。

追加の麻酔を行いすぎると、このようなことが起こりやすいと言えます。

また、麻酔は、液体ですから、注射をすることで、組織が膨らむことで、volumeが変わります。

膨らんだ組織を正確に切除するのも難しくなります。

術者は、患者さんからの痛みの訴えがあれば、麻酔を追加します。

それを繰り返せば繰り返すほど、手術の難易度が上がるのです。

私自身も、追加の麻酔を全くしないわけではありませんが、追加しないで済むように
手術が早く終わるように工夫しているわけなのです。

- 【眼瞼下垂】延べ2万眼瞼以上の手術経験 -
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