診断の話
先天性眼瞼下垂の治療「眼瞼裂狭小症候群」
2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。
◼︎治療について
上まぶたと下まぶたの裂け目の部分を指す「眼瞼裂(がんけんれつ)」の横や縦の長さ、またはその両方が縮小して狭くなる「眼瞼裂狭小症候群(がんけんれつきょうしょうしょうこうぐん)」。
まぶたを上げる筋肉に何らかの異常があるために発症します。
眼瞼裂狭小症候群の診断では、精密検査や遺伝子レベル・染色体レベルの検査を行いますが、それでも異常が認められない場合が多くみられます。
どちらか一方の親から 原因遺伝子を受け継いだだけで発病する常染色体優性遺伝による疾病といわれていますが、散発例、つまり家族には全く発病者がみられないのに突発的に発病者が現れるケースも少なくなく定義が定まっておりません。
また、症例が少ないため、検査方法が確立されていないのも事実です。
治療方法は手術で治すのが一般的ですが、ほかの「先天性眼瞼下垂(せんてんせいがんけんかすい)」と同様に、どの時期に手術を行うかは、さまざまな見地があります。
しかしながら、眼瞼裂狭小症候群の場合は、視機能の発達には注意することが求められます。
◼︎手術について
一般的には3~4歳以降をすすめるケースが基本なのは、ほかの先天性眼瞼下垂と同様ですが、眼瞼裂狭小症候群は、重度の場合、視野が狭くなって視機能の面で障害が生じるリスクについて考える必要があります。
特に横の瞼裂が狭小となるケースでは、弱視につながる可能性が高くなります。
斜視や乱視の発症リスクも含め、その重大性を認識することも大切です。
もうひとつ、容姿を理由とする昨今のいじめ問題を危惧する声は大きく、本人が抱くであろう劣等感などを考慮すると、早期の治療について相談される意義は大きいでしょう。
また、早期の手術を行った場合、成長に伴って将来、改めて手術する必要が生じるのですが、傷跡などをご心配されることはありません。
具体的な手術方法については、〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋腱膜前転術」、〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋短縮術」、〔眼瞼下垂]の手術「前頭筋吊り上げ術」という眼瞼下垂の主な3方法を通してそれぞれご説明しています。
CATEGORYカテゴリー
RECENT POSTS最近の投稿
ARCHIVE月別アーカイブ
-
2022年 (9)
-
2021年 (7)
-
2020年 (23)
-
2017年 (3)
-
2016年 (76)
-
2015年 (21)
-
2014年 (19)
-
2013年 (17)
-
2012年 (25)